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介護経営情報(2015年12月11日号)

2015/12/14

◆一億総活躍社会の実現に向けて「特養の増床」を提言
“介護の力”を加速させるための課題集約―全国老施協

――公益社団法人全国老人福祉施設協議会(老施協)
特別養護老人ホーム等を運営する社会福祉法人で構成される公益社団法人全国老人福祉施設協議会(老施協)は、政府が目標として掲げている「介護離職ゼロ」に対して独自の提言「一億総活躍社会の実現に向けて」を発表した。12月4日に発表された厚生労働省の「2016年(平成28年)度診療報酬改定に向けた基本方針案」と比較すると多くの共通項も浮かび上がってくる。
また、老施協へ向けた直接的な発言ではないが、塩崎厚生労働大臣の「介護離職ゼロ」を実現することで、「1億総活躍社会」につなげていくとした政府の緊急対策についての記者会見の模様(要約)も下段で紹介する。政府の緊急対策は50万人分以上の施設などを増やし、特別養護老人ホームの待機者の解消を図るという主旨だ。

労施協の提言は、まず「地域社会・経済を支えるため、介護施設の整備を進めるには、中重度要介護者の受け皿を確保しなければならない」との認識からスタートしている。
(1)「特別養護老人ホームの適正規模化」―ムダなく、ムリなく、効果の高い介護へ(2)“介護離職ゼロ”を支える「介護現場の離職ゼロ」、(3)「強い介護基盤が強い地域をつくる」―-とした3点が施策の柱として据えられ、最終的には現場職員の人員配置基準の見直しや、外国人労働者の積極的な活用にも言及している。

▼老施協が示した提言の概要
3本柱の施策を個別にみていくと、「特別養護老人ホームの適正規模化」では、80~100名規模の従来型特養施設を最適正基準として、現状で50名(30名以下除く)以下となっている特養施設の増床を提案していくことを第一に主張し、第2に、小~中規模の新規施設整備に比べ、約35%程度の費用軽減効果が見込まれることに加え、枯渇が懸念される介護人材についても生活相談員、機能訓練指導員、栄養士等の専門職の人員配置基準は定員100名まで同一数の配置となることから、マンパワーの面からも、よりムダなく効果的な運営が可能であると主張している。
“介護離職ゼロ”を支える「介護現場の離職ゼロ」としては、介護者家族の負担を軽減する観点から、安定した福祉運営の源泉たる「介護職員の離職」を防ぐことが、巡って介護離職者の減少にも繋がることを訴えた。
さらに「強い介護基盤が強い地域をつくる」として、各地域で進められる介護事業と一体となった都市・地域開発計画などを引き合いに出し、確固とした介護基盤が地域の将来的な発展にも寄与するものであることを示していた。

塩崎厚労相、介護職員の処遇改善は「加算で進めてきた」
塩崎恭久厚労相 11月27日 、閣議終了後の記者会見に臨んだ。2020年代初頭にかけて新たに50万人分以上の施設などを増やし、特別養護老人ホームの待機者の解消や「介護離職ゼロ」を実現することで、「1億総活躍社会」につなげていくとした政府の緊急対策。塩崎厚労相に対して、記者団から「拡充する介護サービスを支えられるだけのマンパワーをどう確保していくか」という質問が飛び、これに対しての返答を行った。
塩崎厚労相は、現場を離れた介護職員の再就職を後押しすることや、日々の業務でこなすべき書類を半減して負担を軽くすることなど、緊急対策に盛り込んだメニューを紹介。「総合的な対策で万全を期していきたい」と語った。
一方で、人手不足を解消するためには欠かせないと指摘する声が多い処遇の改善については、「介護報酬改定で加算を設け、できる限り活用してもらおうということで進めてきている」と説明。「処遇も大事だが職場環境や仕事の負担感の改善も非常に大事」「財源が必要になる」などと述べるにとどめ、さらなる賃上げに向けた待遇改善取り組みやお金をひねり出す原資への言及は出なかった。

◆平成30年度同時改定、地域包括ケアシステム構築に焦点
厚労省、平成28年度診療報酬改定の基本方針を提示

――厚生労働省
厚生労働省は12月4日、社会保障審議会の医療部会を開催し、2016年度診療報酬改定に向けて「基本方針案」を示し、医療部会はこれを了承した。近く正式決定する運び。この基本方針案は、▼超高齢社会における医療政策の基本方向、▼医療機能の分化・強化、連携に関する視点の2点が柱。
なお方針案は12月2日の社会保障審議会医療保険部会で示されたものと同じ。また、医療部会では11月19日に開いた前回会合で、基本方針の骨子案が示されていた。両部会はともに了解した。基本方針は、社会保障審議会の「医療部会」と「医療保険部会」で討議され、12月上中旬には策定される見通し。

基本方針案は、1.改定にあたっての基本認識/2.改定の基本的視点と具体的方向性/3.将来をみすえた課題――を柱とし、骨子案と比較して文言の書き換えがあるが、同じ内容。
診療報酬改定について、現在は(1)社会保障審議会の医療保険部会と医療部会で基本方針を策定する。その次に(2)予算編成過程で内閣が改定率を決定する。これを前提に(3)中央社会保険医療協議会(中医協)で具体的な内容を審議する――という進行で役割分担が決まっている。

2016年度診療報酬改定の基本方針(本文)
1.改定に当たっての基本認識
(超高齢社会における医療政策の基本方向)
○いわゆる「団塊の世代」が全て 75 歳以上となる平成 37 年(2025 年)に 向けて、制度の持続可能性を確保しつつ国民皆保険を堅持しながら、あらゆる世代の国民一人一人が状態に応じた安全・安心で質が高く効率的な医療 を受けられるようにすることが重要である。
○同時に、高齢化の進展に伴い疾病構造が変化していく中で、「治す医療」から「治し、支える医療」への転換が求められるとともに、健康寿命の延伸の 観点から予防・健康づくりの取組が重要となってくる。医療や介護が必要な 状態になっても、できる限り住み慣れた地域で安心して生活を継続し、尊厳をもって人生の最期を迎えることができるようにしていくことが重要である。
○また、この「超高齢社会」という問題に加えて、我が国の医療制度は、 人口減少の中での地域医療の確保、少子化への対応、医療保険制度の 持続可能性の確保といった様々な課題に直面しており、さらには、災害時の 対応や自殺対策など、個々の政策課題への対応も求められている。こうした多面的な問題に対応するためには、地域の実情も考慮しつつ、平成 26 年度に設置された地域医療介護総合確保基金をはじめ、診療報酬、予防・健康づくり、更には介護保険制度も含め、それぞれの政策ツール の特性・限界等を踏まえた総合的な政策の構築が不可欠である。
○さらに、2035 年に向けて保健医療の価値を高めるための目標を掲げた「保健医療 2035」も踏まえ、「患者にとっての価値」を考慮した報酬体系を 目指していくことが必要である。

(地域包括ケアシステムと効果的・効率的で質の高い医療提供体制の構築)
○「医療介護総合確保推進法」等の下で進められている医療機能の分化・強化、連携や医療・介護の一体的な基盤整備、平成30年度(2018年度)に予定 されている診療報酬と介護報酬の同時改定など、2025年を見据えた中長期 の政策の流れの一環としての位置づけを踏まえた改定を進めていく。
○特に、地域包括ケアシステムや効果的・効率的で質の高い医療提供体制の整備には、質の高い人材を継続的に確保していくことが不可欠である。人口の減少傾向や現下の人材不足の状況に鑑み、医療従事者の確保・定着に向けて、医療介護総合確保基金による対応との役割分担を踏まえつつ、医療従事者の負担軽減など診療報酬上の措置を検討していくことが必要である。

2.改定の基本的視点と具体的方向性
(1)地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点
【重点課題】 (基本的視点)
○医療を受ける患者にとってみれば、急性期、回復期、慢性期などの状態に応じて質の高い医療が適切に受けられるとともに、必要に応じて介護 サービスと連携・協働するなど、切れ目ない提供体制が確保されることが重要である。
○このためには、医療機能の分化・強化、連携を進め、在宅医療・訪問看護などの整備を含め、効果的・効率的で質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築していくことが必要である。

(具体的方向性の例)
(ア)医療機能に応じた入院医療の評価・効果的・効率的で質の高い入院医療の提供のため、医療機能や患者 の状態に応じた評価を行い、急性期、回復期、慢性期など、医療機能の分化・強化、連携を促進。
(イ)チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医療 従事者の負担軽減・人材確保・地域医療介護総合確保基金を活用した医療従事者の確保・養成等と併せて、多職種の活用によるチーム医療の評価、勤務環境の改善、業務効率化の 取組等を進め、医療従事者の負担を軽減。
(ウ)地域包括ケアシステム推進のための取組の強化・複数の慢性疾患を有する患者に対し、療養上の指導、服薬管理、健康管理 等の対応を継続的に実施するなど、個別の疾患だけではなく、患者に応じた 診療が行われるよう、かかりつけ医やかかりつけ歯科医の機能を評価。
・患者の薬物療法の有効性・安全性確保のため、服薬情報の一元的な把握 とそれに基づく薬学的管理・指導が行われるよう、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を評価。
・医療機関間の連携、医療介護連携、栄養指導等、地域包括ケアシステム の推進のための医師、歯科医師、薬剤師、看護師等による多職種連携の 取組等を強化。
・患者が安心・納得して退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活を 継続できるための取組を推進。

(エ)質の高い在宅医療・訪問看護の確保
・患者の状態や、医療の内容、住まいの状況等を考慮し、効果的・効率的 で質の高い在宅医療・訪問看護の提供体制を確保。

(オ)医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化
・本年5月に成立した医療保険制度改革法も踏まえ、大病院と中小病院・診療所の機能分化を進めることについて検討。
・外来医療の機能分化・連携の推進の観点から、診療所等における複数の 慢性疾患を有する患者に療養上の指導、服薬管理、健康管理等の対応を 継続的に実施する機能を評価。

(2)患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を 実現する視点
(基本的視点)
○患者にとって、医療の安心・安全が確保されていることは当然のことであるが、今後の医療技術の進展や疾病構造の変化等を踏まえれば、第三者に よる評価やアウトカム評価など客観的な評価を進めながら、適切な情報に基づき、患者自身が納得して主体的に医療を選択できるようにすることや、 病気を治すだけでなく、「生活の質」を高める「治し、支える医療」を実 することが重要である。

(具体的方向性の例)
(ア)かかりつけ医の評価、かかりつけ歯科医の評価、かかりつけ薬剤師・薬局の評価・ 複数の慢性疾患を有する患者に対し、療養上の指導、服薬管理、健康管理等の対応を継続的に実施するなど、個別の疾患だけではなく、患者 に応じた診療が行われるよう、かかりつけ医やかかりつけ歯科医の機能 を評価。(再掲)・患者の薬物療法の有効性・安全性確保のため、服薬情報の一元的な把握 とそれに基づく薬学的管理・指導が行われるよう、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を評価。(再掲)
(イ)情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集・利活用の推進・情報通信技術(ICT)が一層進歩する中で、患者や医療関係者の視点に立って、ICT を活用した医療連携による医療サービスの向上の評価を 進めるとともに、医療に関するデータの収集・利活用を推進することで、実態やエビデンスに基づく評価を推進。
(ウ)質の高いリハビリテーションの評価等、患者の早期の機能回復の推進・質の高いリハビリテーションの評価など、アウトカムにも着目した評価を進め、患者の早期の機能回復を推進。

(3)重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点
(基本的視点)
○ 国民の疾病による死亡の最大の原因となっているがんや心疾患、肺炎、脳卒中に加え、高齢化の進展に伴い今後増加が見込まれる認知症や救急医 療など、我が国の医療の中で重点的な対応が求められる分野については、国民の安心・安全を確保する観点から、時々の診療報酬改定においても適切に評価していくことが重要である。

(具体的方向性の例)
○ 上記の基本的視点から、以下の事項について検討を行う必要。
(ア)緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価
(イ)「認知症施策推進総合戦略」を踏まえた認知症患者への適切な医療の評価
(ウ)地域移行・地域生活支援の充実を含めた質の高い精神医療の評価
(エ)難病法の施行を踏まえた難病患者への適切な医療の評価
(オ)小児医療、周産期医療の充実、高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実
(カ)口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進
(キ)かかりつけ薬剤師・薬局による薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・適正化
(ク)医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションや医療技術の適切な評価等

(4)効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点
(基本的視点)
○今後、医療費が増大していくことが見込まれる中で、国民皆保険を維持するためには、制度の持続可能性を高める不断の取組が必要である。医療 関係者が共同して、医療サービスの維持・向上と同時に、医療費の効率化・適正化を図ることが求められる。

(具体的方向性の例)
(ア)後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討
・後発品の使用促進について、「経済財政運営と改革の基本方針2015」で掲げられた新たな目標の実現に向けた診療報酬上の取組について見直し。
・後発医薬品の価格適正化に向け、価格算定ルールを見直し。
・前回改定の影響を踏まえつつ、現行の長期収載品の価格引下げルールの要件の見直し。

(イ)退院支援等の取組による在宅復帰の推進
・患者が安心・納得して退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続できるための取組を推進。(再掲)
(ウ)残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進
・医師・薬剤師の協力による取組を進め、残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬の削減を推進。
(エ)患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直し
・服薬情報の一元的把握とそれに基づく薬学的管理・指導が行われるよう、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を評価するとともに、かかりつけ機能 を発揮できていないいわゆる門前薬局の評価の適正化等を推進。
(オ)重症化予防の取組の推進・重症化予防に向けて、疾患の進展の阻止や合併症の予防、早期治療の取組を推進。
(カ)医薬品、医療機器、検査等の適正な評価
・医薬品、医療機器、検査等について、市場実勢価格を踏まえた適正な評価を行うとともに、相対的に治療効果が低くなった技術については置き換えが進むよう、適正な評価について検討。
・また、医薬品や医療機器等の費用対効果評価の試行的導入について検討。

3.将来を見据えた課題
○地域医療構想を踏まえた第7次医療計画が開始される平成30年度に向け、実情に応じて必要な医療機能が地域全体としてバランスよく提供されるよう、今後、診療報酬と地域医療介護総合確保基金の役割を踏まえながら、診療報酬においても必要な対応を検討すべきである。
○平成30年度の同時改定を見据え、地域包括ケアシステムの構築に向けて、在宅医療・介護の基盤整備の状況を踏まえつつ、質の高い在宅医療の普及や情報通信技術(ICT)の活用による医療連携や医薬連携等について、引き続き検討を行う必要がある。
○患者にとって安心・納得できる医療を提供していくためには、受けた医療や診療報酬制度を分かりやすくしていくための取組を継続していくことが求められる。また、それと同時に、国民全体の医療制度に対する理解を促していくことも重要であり、普及啓発も含め、国民に対する丁寧な説明が求められる。
○国民が主体的にサービスを選択し、活動することが可能となるような環境 整備を進めるため、予防・健康づくりやセルフケア・セルフメディケーションの推進、保険外併用療養の活用等について広く議論が求められる。

◆「介護離職ゼロ宣言」への現場のケアマネ意識調査
安倍総理の方針、55%が「賛成」 待遇改善条件に

安倍総理が「3本の矢」に次いで打ち出した「一億総活躍社会」→「介護離職ゼロ」方針。介護の現場で多忙に立ち回るケアマネジャーは、この“新・3本の矢”をどのようにとらえているのか――。
この興味深いテーマでアンケートを取ったのが介護関連メディア事業を手掛ける(株)インターネットインフィニティー(東京都)。同社が運営するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」の会員対象に、政府方針に対する考えと、現場の実態について聞いた。

調査は 2015 年 11 月 11 日~11 月 18 日に行い、661 名から有効回答を得た。回答したケアマネジャーの所属先として最も多かったのは「居宅介護支援事業所」(75.3%)で、現在担当している介護保険利用者の人数は、平均 26.2 名だった。

■調査結果ポイント■
○仕事を続けている主介護者は 3 割
○「仕事と介護の両立」に関する悩みとして、「疲労」だけでなく(自分の)「親孝行」も負担
○安倍総理の方針に、55%が「賛成」
○「介護離職ゼロ」達成には、「介護従事者の処遇改善」が不可欠
○介護家族への支援は、「話を聞いてストレス軽減」「ケアプランの工夫」「民間サービス利用」

▼主に居宅介護支援事業所ケアマネが回答
利用者の家族が主介護者として利用者の介護を行い、仕事も続けていると応えたケアマネージャーは561名で、約8割5分。ケアマネージャー1名あたり平均8.4名。担当利用者が平均26.2名なので、約3割に及ぶ。
そのうち約8割が、心身が休まらず疲労蓄積の状態でありながら、約4割が仕事は続けたいが、親孝行として介護に専念しなくてはならないのでは―と考えている。

▼国の方針に過半数が賛成
国の方針として進められる「介護離職者ゼロにするための介護人材の育成と介護施設の整備」については、過半数が賛成。反対側の声は「介護人材の離職防止が最優先」「施設が最善とは限らない」とみている。現場改善に向けては、処遇改善と人員の増加をあげている。丁寧に利用者の声に耳を傾けるためにも処遇改善と増員は欠かせないと分析している。

▼安倍総理の方針に、55%が「賛成」
安倍総理が打ち出した「介護離職者ゼロにするための、介護人材の育成と介護施設の整備」について、ケアマネジャーとしてどのように受け止めたかをたずねたところ、過半数が賛成の意向であることがわかりました。
一方、反対の意思を示した人は、「介護人材の離職を防ぐほうが先」「家族も本人も、必ずしも施設を望んでいるわけで はない」などを反対の理由にあげました。

▼「介護離職ゼロ」達成には、「介護従事者の処遇改善」が不可欠
政府のめざす「介護離職ゼロ」に、どうすれば近づくことができると思うかたずねたところ、最も多かったのは「介護従事者の 処遇を改善し、働きがいを高める」(75.0%)。次が「介護従事者の数を増やし、安定的に介護サービスを提供する」 (57.0%)だった。 施設整備よりも、まずは「介護従事者の処遇改善」、さらにそれを踏まえた「介護従事者の確保」が重要だと考えていることが明らかだ。

▼介護家族への支援―「話を聞いてストレス軽減」「ケアプランの工夫」「民間サービス利用」
ケアマネジャーとして、家族の介護離職を避けるために工夫した(したい)ことは、「仕事と介護の両立により抱えているストレスを、話を聞くことで軽減させる」(73.5%)が最も多く、次いで「介護保険内でケアプランを工夫する」(43.9%)、「介護保険外の民間サービスの利用を勧める」(43.6%)と続いた。 1 人で抱え込みやすい介護の悩みやストレスを、ケアマネジャーが受け止めることで、仕事との両立を図る介護家族が多いことがわかる。

▼「仕事と介護の両立」に関する悩み、「疲労」だけでなく「親孝行」も
82.1%のケアマネジャーは、これまで担当した利用者の家族で、「仕事と介護の両立」に悩んでいる人が「いた」と回答した。悩みとして最も多かったのは「心身が休まるときがなく、疲労がたまっている」(78.1%)だった。その次に多かったのが「仕事は続けたいが、一方で介護に専念することが親孝行なのではないかと悩んでいる」(38.3%)と板挟みを吐露している 。
介護離職者が増え続けている最大の理由が、「仕事と介護の両立」の難しさであることは確かで、一方で「親孝行」のために離職する家族がいることも示唆される結果だった。

▼「介護離職ゼロ」達成には、「介護従事者の処遇改善」が不可欠 政府のめざす
「介護離職ゼロ」に、どうすれば近づくことができるか―。最も多かったのは「介護従事者の処遇改善、働きがいを高める」(75.0%)で、次が「介護従事者の数を増やし、安定的に介護サービスを提供する」(57.0%)。 施設整備よりも、まずは「介護従事者の処遇改善」、さらにそれを踏まえた「介護従事者の確保」が重要だと考えている。
詳しい調査結果は、「ケアマネジメント・オンライン」
(URL:http://www.caremanagement.jp/)に掲載

◆医療・福祉業の平均給与、前年同月比0.5%増の25万1,739円
厚労省 医療・福祉業の労働者総数は650.7万人(同3.1%増)

――厚生労働省
厚生労働省は12月4日、「毎月勤労統計調査(2015年10月分)結果速報」を公表した。常用労働者5人以上の約3万3,000事業所を対象に、賃金や労働時間、雇用の変動を調査している。月間の平均現金給与額では、医療・福祉業は25万1,739円(前年比0.5%増)。
産業全体では26万6,309円(同0.7%増)だった。医療・福祉業の現金給与総額の内訳をみると、定期給与は24万8,025円(同増減なし)、特別給与(賞与、一時金等)は3,714円(同46.0%増)。産業全体では、定期給与は25万9,499円(同0.2%増)、特別給与は6,810円(同23.9%増)だった。
月間の総実労働時間は、医療・福祉業では135.0時間(同3.0%減)で、このうち、所定外労働(早出、残業など)は5.0時間(同7.1%減)。産業全体では144.6時間(同2.8%減)で、このうち、所定外労働は11.1時間(同0.8%減)だった。
次に、労働者総数は、医療・福祉業は、650.7万人(同3.1%増)、このうち、一般労働者454.1万人、パートタイム労働者196.6万人。さらに、入職率は1.60%(同0.08ポイント増)、離職率は1.47%(同0.05ポイント増)だった。なお、産業全体では労働者総数は4,812.3万人(同2.2%増)、このうち、一般労働者3,353.8万人、パートタイム労働者1,458.4万人。

【調査結果のポイント】
1.賃金(一人平均)
(1)現金給与総額の前年同月比は、0.7%増となった。うち一般労働者は0.7%増、パートタイム労働者は0.4%減となった。
(2)所定内給与の前年同月比は、0.1%増となった。うち一般労働者は0.1%増、パートタイム労働者は0.4%減となった。
(3)所定外給与の前年同月比は、1.2%増となった。うち一般労働者は1.3%増、パートタイム労働者は1.8%増となった。
(4)所定内給与と所定外給与を合わせた決まって支給する給与(定期給与)の前年同月比は、0.2%増となった。うち一般労働者は0.3%増、パートタイム労働者は0.4%減となった。
(5)特別に支払われた給与の前年同月比は、23.9%増となった。
(6)実質賃金指数(現金給与総額)の前年同月比は、0.4%増となった。(消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は、前年同月比0.3%上昇)

2.労働時間(一人平均)
(1)総実労働時間の前年同月比は、2.8%減となった。
(2)所定内労働時間の前年同月比は、3.0%減となった。出勤日数の前年同月差は、0.6日減となった。
(3)所定外労働時間の前年同月比は、0.8%減となった。
(4)製造業の所定外労働時間の前年同月比は、1.2%増となった。
(5)製造業の所定外労働時間の前月比(季節調整済指数)は、0.4%増となった。

3.雇用
(1)常用雇用の前年同月比は、2.2%増となった。
(2)就業形態別に前年同月比をみると、一般労働者が1.7%増、パートタイム労働者が3.4%増となった。(注)速報値は、確報で改訂される場合がある。

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