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介護経営情報(2016年8月12日号)

2016/8/19

◆介護休職期間4ヶ月目から最大1年50%の賃金支給 
日立制作所 介護支援制度を手厚く 金融機関も対応

介護離職を防ぐための労務対策に、金融機関も含め大手企業が続々と乗り出すなか、今年4月から導入した日立製作所の介護支援制度には企業自身で従業員の介護離職防止・介護休暇支援に本格的に取り組む先例となり、産業界に衝撃が走った。 
その影響の広がりはとりわけ介護業界にとって大手企業の介護に対応する真摯な制度に感激しているという。何よりもインパクトが大きいのは経営者の介護に対する考え方が大きく変わろうとしていることだ。
その背景には経営者は中堅・ベテラン社員の退職を恐れることで人的損失を受ける。中堅社員の親の要介護年齢を想定すると対策は早いほど従業員を安心させる。次に企業の対外的なイメージ戦略にマイナスが出ること。具体的にはTVコマーシャル等での消費者の反応低下、新入社員採用で大学や学生へのマイナスイメージ、同業者間の評価低下などだ。

今年3月、日立製作所の労働組合が、2016年の春闘(労使間賃金交渉)において介護を重要なテーマとしてとりあげ、経営側との合意に至ったというニュースが駆けめぐった。当時のWEBニュース専門のJCASTのウオッチ記事(2016年3月16日)より引用すると大意は次の通り。
「日立製作所は、家族の介護や育児と仕事の両立をめざす社員を支援する、新たな制度を設けることを、2016年3月16日に明らかにした。同社の労働組合が16年の春季労使交渉で介護支援制度などの拡充を求めていたことに対応した。16年4月をめどに導入する。介護支援制度は、賃金の40%を3か月支給している国の雇用保険制度に対して、日立は最大1年間(国からの給付期間が切れる4か月目から)、独自に賃金の50%を『介護休職給付金』として支給する」という記事。

同制度は、少子高齢化の流れを受け、家族に要介護者がいる社員の仕事と介護の両立をサポートするための処置。日立製作所の労働組合が春闘で求めていた介護支援制度の拡充に応えて実現した形となる。同制度を利用すれば、単純計算で賃金月額21万円の社員の場合、介護を理由に1年間休職したとしても最初の3ヶ月は合計で最大25.2万円が国の雇用保険から支給され、その後9ヶ月間は日立製作所独自の介護休職給付金として最大94.5万円が受け取れることになる。

それから半年余り、日立製作所が介護休職社員に対する支援制度を導入するというニュースは異業種他社にまで拡散、日立では人事部や広報部は電話や取材応対などに追われたという。

介護と仕事の両立には、何よりも金銭的なサポートが欲しいという声も聞こえる中で、日立製作所が新しく導入した新制度は評価できるとともに他企業にも広がっていって欲しいとの声が多い。とはいえ、まだまだこうした離職防止対策は経営体力のある大手企業の一部が導入を始めたばかり。さらに業界格差、同業者格差、など企業間での介護サポート体制の格差が今後広がっていく「介護格差」がもっとも恐いという声もある。企業イメージや新規採用などに響くからだ。

みずほや三井住友銀など介護離職防止へ支援強化
家族の介護を理由に仕事を辞める介護離職を防ごうと、大手金融機関の間では介護休業を取得できる期間を延ばすなど、従業員の仕事と介護の両立を支援する制度を強化する動きが広がっている。
金融大手の、みずほフィナンシャルグループは家族の介護のために休みを取得できる介護休業について、期間の上限を年内にも、今の2倍に当たる2年程度に延ばす方向で検討している。さらに、来年度からは介護休業を取得している従業員に対して、生活支援を目的とした手当の支給を始める方針。また、三井住友銀行は、ことし4月から「介護休暇」をより柔軟に取れるように、1日単位だけでなく、半日単位でも取得できるようにした。りそなグループの、りそな銀行など3つの銀行は一部の従業員について、ことし4月から介護などの理由があれば、短時間勤務ができる期間を1年から3年に拡大した。
政府は「介護離職ゼロ」を目標に、さまざまな取り組みを進めているが、人手不足(ベテランや中堅も含む)が深刻化するなか、金融機関をはじめ企業の間では、従業員の仕事と介護の両立の支援を独自に強化する動きが広がっている。いよいよ「自衛手段」を講じなければならないほど「介護離職」は深刻の度合いを増している。
 
次に非製造業で介護支援制度を同業他社より比較的早く採用した事例を紹介する。

●大和ハウス工業株式会社;親孝行支援制度
2012年4月、期限の上限がない介護休業制度を導入し、自ら親の介護にあたる社員に対する支援制度の充実化を図ってきた。しかし一方で、これまでは転勤等により遠方(介護施設など)に介護が必要な親をもつ社員は、親元に何度も帰省しなければならず、旅費負担が足かせとなっていた。そこで同社では、年4回を上限に、帰省距離に応じた補助金(1.5万円~5.5万円/回)を支給する「親孝行支援制度」を導入し、遠方に介護が必要な親をもつ社員の経済的負担の軽減を図っている。

●サイボウズ;ワーク・ライフ・バランス支援制度
介護休業:要介護状態に問わず最長6年間休業可能。休業回数は特に定めない。介護短時間勤務:要介護状態に問わず家族を介護する社員が希望した場合に適用可能。勤務形態については、状況に応じて適宜変更可能。期間は特に定めない (無制限)。

●ゴールドマン・サックス;介護支援制度
米投資銀行ゴールドマン・サックスの日本法人は約1200人の全社員を対象に介護支援の制度を導入している。介護のニチイ学館と契約し、社員の家族1人当たり年間100時間分の介護サービス利用料を会社が全額負担する。女性管理職が親の介護を理由に退職する例が出ていることから、働きやすい環境を整え優秀な人材のつなぎ留めを図る。

◆政府 1億総活躍社会の実現の加速へ財政措置
「未来への投資を実現する経済対策」を閣議決定

政府は8月2日、財政措置13.5兆円の「未来への投資を実現する経済対策」を閣議決定した。事業規模は28・1兆円で、財政措置は13・5兆円程度となり、うち国費は6.2兆円を見込む。秋の補正予算では一般会計と特別会計を合わせて4.5兆円を追加する。2017年度以降は計0.5兆円を追加するほか、保険料軽減1.0兆円を措置する。

事業規模の内訳は、一億総活躍社会の実現の加速に約3.5兆円、21世紀型のインフラ整備に約10.7兆円、英国のEU離脱に伴う不安定性などリスクへの対応、中小企業・小規模事業者および地方の支援に約10.9兆円、熊本地震。東日本大震災からの復興や安全・安心、防災対応の強化に約3兆円を配分する。
主な施策では子育て・介護の環境整備、保育・介護の受け皿整備、学校施設等の環境整備、リニア中央新幹線や整備新幹線等の整備加速、未来への投資に向けた地方創生推進交付金の創設、生活密着型インフラの整備、建設業の担い手の確保・育成、災害対応の強化・老朽化対策などを行う。

施策別では、医療・介護関連の重要な項目が含まれる(1)1億総活躍社会の実現の加速:財政措置3.4兆円(事業規模3.5兆円)、(2)21世紀型のインフラ整備(リニアが含まれる):財政措置6.2兆円(事業規模10.7兆円)―が充てられている。
(1)では、2015年策定の「1億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」に盛り込まれた「(特養老人ホームやサ高住など)介護の受け皿50万人分の整備」を拡充。このための予算措置を2016年度補正予算に加えて、2017年度当初予算に計上して、継続実施する。
また、「介護人材の処遇改善」に関し、月額1万円相当の改善を2017年度から継続実施。このための予算措置を2017年度当初予算に計上する。さらに、2018年度介護報酬改定を待たずに実施するため、保険料の上昇回避に向け財政安定化基金への特例的積増しを行う。
このほか、「介護サービスを提供する多様な人材の確保」のため、介護職員に対する返還免除付の貸付事業に関し、再就職支援措置を拡充。さらに、介護職員らの労働負担を軽減などのため、ICT・ロボットの導入を推進するほか、介護職員が対人サービスを提供できる時間を増やすため、行政が求める文書量を2020年代初頭までに半減するとしている。
(2)では、革新的な新薬・医療機器の創出に向け、産学官が連携して研究開発に取り組むための環境を整備するほか、医療分野のデジタル化・ICT化などを促進する。

◆医療計画の在宅医療・介護連携の論点 医療・介護連携WG
「在宅医療と介護の整合性」に関する論点は3項目

――厚生労働省
厚生労働省は8月4日、「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(WG)の初会合を開催した。WGは「医療計画の見直し等に関する検討会」の下部組織で、地域包括ケアシステムの構築を含む医療・介護の連携について検討する位置づけにある。
厚労省は、(1)在宅医療と介護の整合性、(2)在宅医療にかかる医療連携体制、(3)在宅医療充実のための施策――を議題とし、論点を示した。その中で「在宅医療と介護の整合性」について論点を3項目提示、特養での医療ケアについては実態を調査してから議論するとした。
(1)に関し、厚労省は増大する慢性期の医療・介護ニーズに対して、在宅医療を含めた医療・介護のネットワーク全体で対応することが必要と説明した。他方、都道府県が医療計画で定める在宅医療に関する目標項目は多様で、目標設定の根拠が希薄と指摘。また、市町村が介護保険事業(支援)計画で設定する介護保険施設などの定員数の動向に応じ、在宅医療サービスが必要な患者の需要が変化すると課題を説明した。このため、厚労省は都道府県と市町村が、将来の医療・介護需要と対応するサービスの今後の整備方針を共有していくことが重要と述べ、「在宅医療と介護の整合性」に関する論点として、次の3項目を示した。

医療計画で地域医療構想の慢性期・在宅医療などの需要推計を念頭に、介護保険事業計画の介護サービスの整備目標と整合的な形で、在宅医療の目標設定を求める
介護保険施設以外で受け止めるべき在宅医療の需要に対し、必要な医療機関数などの提供体制の対応について、考え方の記載を求める
在宅医療や介護保険施設などの設備状況に地域差があるため、都道府県や市町村関係者が協議する場を設置し、地域の実情に応じて検討する

医療・介護全体での対応に関する介護保険施設と訪問診療の関係について、池端幸彦構成員(日本慢性期医療協会副会長)は「看取りまで介護老人保健施設や特別養護老人ホームの嘱託医がやると負担が大きいため、外来や往診の医師が特養に入って看取りまでやる体制が必要」と指摘。これに対して、厚労省は「特養での医療的ニーズは高まり、看取りに対応できる体制をとらなければならない。現在、介護給付費分科会の研究事業で特養の医療ケアの実態を調べており、それから議論したい」と答えた。

(2)に関し、在宅医療を担う薬局に関し、厚労省は診療報酬の【在宅患者訪問薬剤管理指導料】を届出した薬局数を現状把握の指標に設定しているが、実際に訪問薬剤指導を実施している【在宅患者訪問薬剤管理指導料】と介護保険の【居宅療養管理指導費】の算定薬局数とは差があると指摘。このため、指標に算定数を用いることを考えていると説明した。さらに、在宅医療体制の現状把握のために関係機関の医療機能に着目した指標が少ないと指摘。これらを踏まえ、「在宅医療での医療連携体制」に関する論点として、次の2項目を示した。

▽各医療機関等は実際に提供するサービスの実績に注目した指標を充実させる
▽介護サービスの整備状況や連携体制の状況を把握する指標を充実させる

委員からは現状把握の指標に関する提案に賛成する声が多く、厚労省は概ね了承されたと考えていると述べている。

(3)に関し、厚労省は市区町村の在宅医療・介護連携推進事業の取り組みの実施状況を示し、「医療と関係が深い取り組みや専門的技術が求められる取り組みの実施率が低い」と分析を説明。「これまで、介護に関する取り組みは主に市町村が担ってきた一方、医療に関する取り組みは主に都道府県が担ってきたため、地域の関係団体や医療機関との連携が難しい」と指摘。このため、「在宅医療の充実のための施策」に関する論点として、次の3項目を提示した)。
▽医療計画で、介護保険法の地域支援事業である在宅医療・介護連携推進事業を「施策」の1つとして位置付け、都道府県による市区町村への支援を充実する
▽地域の医療・介護資源の実情に応じた在宅医療の体制構築に関する圏域設定や、地域(圏域)ごとの原因分析が重要
▽好事例の横展開等により、圏域の設定や原因分析などに対する積極的な取り組みを促す

◆今後の暮らし「約4割が現在よりも悪化する」と予想
「高齢者のくらしと金融に関する調査」 日本能率協会

――(株)日本能率協会総合研究所
(株)日本能率協会総合研究所(東京都港区)は、60歳以上の高齢者を対象に、「くらしと金融」に関する調査を実施し、その結果をまとめ公表した。65歳以上の高齢者人口が占める割合が4人に1人以上の26%と高齢化が進む中で、高齢化社会における金融商品などの商取引上のトラブルやサービスの在り方が問われていて社会問題化も無視できない世相にある。
国民生活センターの「年消費生活年報2015」の商品等分類別の相談件数を見ると、60歳代では生命保険(16位)、公社債(18位)、株(23位)、70歳代では公社債(14位)、株(15位)、生命保険(16位)といった金融商品に関わる相談件数が上位に上がっており、高齢者における金融商品に関わる潜在的なトラブルの多さが伺える。これらの社会的動向を背景に、高齢者のくらし向きの意識と、その経済生活をささえる重要な金融に関わる認識の実態について把握することを目的に実施した。

■調査結果のポイント
1今後のくらし向きについては4割が否定的な認識。4割以上が調査時点での現在のくらし向きは「良い」との認識であったが、今後は悪化すると考える人が現在の倍の約4割。
2くらしの経済を考えるために必要な金融知識や情報は、「家計の見直し」や「節税対策」。3割以上の人が「家計の見直し」「節税対策」を挙げ、4人に1人は「証券投資」を挙げている。
3クーリング・オフ制度の認知度は9割以上と高い。金融に関する認知度では、「クーリング・オフ」の内容を知っている人は約8割で、言葉を聞いた程度知っている人は15.7%ほど。「NISA」の認知度はクーリング・オフに次いで高く、84.5%。
4銀行窓販は、約9割が認知。4人に1人は銀行窓販の利用経験者で、利用はしていないが推奨を受けた経験者を含めると約半数が銀行の担当者からのアプローチを受けている。
5投資商品の利用経験者は半数以上。「株式」(59.7%)、「投資信託」(51.3%)共に半数以上で利用経験があり商品の認知度は8割以上。一方、認知度の低い商品は「外貨建終身保険」(非認知率:66.8%)、「変額個人年金保険」(同:49.3%)などの保険商品。
6資産運用時の商品リスク受容度の認識は、2割弱がリスク・リターンが中程度以上の高い商品を想定。

【報告書の詳細】
1.くらし向きの認識
 現在のくらし向きは「良い」「やや良い」を合わせた、肯定的な認識を持っている人(肯定派)は41.2%で、「悪い」「やや悪い」の否定派は18.8%。
一方、今後のくらし向きの認識は、半数が先行きが読めない模様で、肯定派は僅か8%、否定派が39%で現在の2倍に増え、高齢者における不安感は拡大の傾向にあると言える。

2.くらしの経済を考えるために必要な金融知識・情報
 くらしの経済を考えるために必要な金融知識や情報としては、「家計の見直し」(31.8%)が最も高く、次いで「節税対策」(30.5%)と、今後のくらし向きへの認識とも連動してか
家計の緊縮財政対応の知識・情報への関心が高い。一方、4人に1人は「証券投資」に対する関心も高い。

3.金融に関する認知状況
「クーリング・オフ」(79.1%)、「NISA」(56.8%)、「成年後見人制度」(48.3%)などは、ほぼ半数以上の人に内容まで認知されている。一方、保険の「指定代理請求特約」は15.6%と低い。また、「為替変動リスク」「保険の解約リスク」「価格変動リスク」「金利リスク」「信用リスク」といった金融におけるリスクに関する認知度は3~4割程度である。

4.銀行窓販の認知状況
 銀行窓販の利用経験者は、4人に1人で、約9割が銀行窓販のことを認知している。

5.金融商品の認知状況
 半数以上が「株式」(59.7%)や「投資信託」(51.3%)の利用経験がある。
銀行窓販で扱われることが多い「変額個人年金保険」(12.0%)や「外貨建終身保険」(5.3%)といった保険商品の利用経験は1割前後で、商品の認知は、3~5割ほどである。

6.リスク認識
 資産運用の際の商品選択時のリスク受容度は、「リスク・リターンが中程度の商品」、「リスク・リターンが中程度」より低い「リスク・リターンが低い商品」がそれぞれ約4割で、「リスク・リターンが中程度」より高い「リスク・リターンが高い商品」は2割

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