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介護経営情報(2019年1月25日号)

2019/2/20

◆厚労省、処遇改善加算の上位区分取得を促進 業務改善やICT導入に関する新規助成金の活用も念押し

――厚生労働省 全国厚生労働関係部局長会議
厚生労働省は1月18日、全国厚生労働関係部局長会議を開催。老健局は重点事項として「介護報酬改定」「介護サービス現場の改善」「認知症施策の推進」など6項目を提示。「介護報酬改定」では、今年10月に見直される介護職員の処遇改善加算について、各事業所に上位区分取得を促す方針を示した。また、2019年度に新規の助成金として設けられる業務改善支援やICT導入支援についても活用するよう念押しした。

介護職員の処遇改善をめぐっては、2017年12月に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」で、勤続年数10年以上の介護福祉士に月額平均8万円相当の賃上げを実施すると明記。それに基づいて1,000億円の公費を用意し、処遇改善加算を見直すことが決まっている。

現在、処遇改善加算はI~Vの5区分があり、マイナス加算となるIVとVについては一定の経過措置を経て廃止となることが決定済み。そして、新たな処遇改善加算は従来の上位区分であるI~IIIを取得している事業所のみが対象となる。上位区分の要件を満たすには、「キャリアパス要件」と「職場環境等要件」の双方を満たさなければならない。もっとも加算額が大きい加算Iの場合、「キャリアパス要件」だけでも「(1)職位・職責・職位・職責・職務内容等に応じた任⽤要件と賃⾦体系を整備すること」「(2)資質向上のための計画を策定して研修の実施⼜は研修の機会を確保すること」「(3)経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること」のすべてをクリアする必要がある。

厳しい要件ながら、月額3.7万円相当の上乗せができるとあって、加算Iの取得率は67.9%にのぼっている。一方で、マイナス加算にとどまっている事業所も計1.6%とわずかながら存在しており、介護業界全体の質を底上げするためにも、上位区分を取得する事業所を増やしたいというのが厚労省の思惑だ。そこで、「介護職員処遇改善加算の取得促進支援事業」に3.2億円の予算を計上。処遇改善の仕組みや加算の取得方法についての説明および加算取得支援を行うための研修や、社会保険労務士などの相談員が個別訪問したうえでの助言・指導などを行っていく。

業務改善支援は、「人材不足に関連した課題を解決することが急務」「団体を通じた取組の横展開が期待できる」事業所が対象。1事業所あたり上限30万円が助成される。ICT導入支援については、介護記録から情報共有、請求業務まで一気通貫で行える介護ソフトを購入した場合、同じく上限30万円が助成される。

豊経済財政諮問会議、2019年のフォローアップ事項を提示 フレイル対策、認知症予防を市町村で一体実施できる仕組みの構築へ

――経済財政諮問会議
政府は1月18日の経済財政諮問会議で、2019年の主なフォローアップ事項を提示。介護分野では、フレイル対策から介護予防、認知症予防、重症化予防まで市町村が一体的に実施できる仕組みの構築に乗り出すことを挙げた。

超高齢社会に突入している今、社会保障費の抑制は政府の至上命題。医療費とともに介護費をいかに抑えるかが大きな課題となっている。政府が健康寿命の延伸を目指しているのもそのためだ。裏を返せば、介護サービスの利用者数をいかに減らすかが焦点となっており、「予防」に力を注ぐようになってきている。

中でも重視されつつあるのが、要介護状態の前段階といえる「フレイル」(虚弱)への対策だ。しかし、「フレイル」という概念自体が2014年に日本老年医学会が提唱されたものと新しいこともあり、対応できる体制が十分に整っていない。医療保険と介護保険のいずれにも明確な形で報酬が規定されていないため、積極的に取り組めないという構造的な問題もある。

そこで厚生労働省は、市町村にフレイル対策を委ねようとしている。現在介護予防および認知症予防の場として活用されている「通いの場」の機能を拡充し、フレイルチェックを行う場にするとともに、医療・介護サービスとの間をつなぐ「ハブ」としての役割を担わせようとしているのだ。また、そもそも「通いの場」は住民による運営が基本となっているが、スポーツジムなど民間事業者との連携も視野に入れているなど、これまでの保健事業とは異なる官民連携の仕組みになることも予想される。それらを含めた法的な整備を進めていくのが、今年の主な検討事項となりそうだ。そうした流れを踏まえると、介護事業所にとっては、スポーツトレーナーなどの人材採用や、民間施設との連携などを今のうちから検討するべきかもしれない。

◆4月から訪問介護の運営基準を見直し     サービス提供責任者(サ責)の任用要件を厳格化

―厚生労働省老健局
 厚生労働省老健局は1月10日、介護保険最新情報Vol.693を発出。4月から見直される訪問介護の運営基準について、各都道府県介護保険主管部あてに通知した。サービス提供責任者(サ責)の任用要件が厳格化される。

 訪問介護サービスにおけるサービス提供責任者は、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいて訪問介護計画書を作成するほか、訪問スタッフの指導・管理を行う。これまでは、介護福祉士、実務者研修修了者、3年以上の実務経験がある介護職員初任者研修修了者および旧ホームヘルパー2級課程修了者を配置することができた(配置要件は、利用者の数40人に対して1人以上。常勤のサービス提供責任者が3人以上いて、主にその業務に従事する者が1人以上いる場合は利用者50人に対して1人以上)。

 しかし、計画書の作成やスタッフのマネジメントを担うという意味では、ケアマネジャー同様のスキルが必要なほか、事業所内でリーダーシップを発揮する必要がある。相応の実務経験があるにしても、介護職の入門資格として位置づけられる介護職員初任者研修や旧ホームヘルパー2級課程の有資格者では、業務の質を担保できない可能性があるため、任用要件の厳格化が進められてきた。具体的には、介護職員初任者研修修了者および旧ホームヘルパー2級課程修了者をサービス提供責任者に配置した場合、減算の対象となっており、2015年度の介護報酬改定では減算割合がそれまでの1割から3割へと引き上げられた。そして、2018年度の介護報酬改定で2019年度から現在の要件を見直し、介護職員初任者研修修了者および旧ホームヘルパー2級課程修了者を配置できないようにした。それに伴い、1年間の経過措置が設けられたため、今回の通知で改めて要件変更を伝えた次第だ。必要性がなくなるため、減算措置そのものも廃止される。

 また、サービス付き高齢者向け住宅などで自身の事業所のサービス利用を促す、いわゆる「囲い込み」を防ぐため、サービス提供責任者の役割を強化。ケアマネジャーに対して「不当な働きかけを行ってはならない」旨を明確化した。同時に、利用者の口腔管理や服薬管理の状態にかかわる「気付き」をケアマネジャーと情報共有することや、ケアプラン上の標準時間と実際のサービス提供時間が乖離している場合にはケアマネジャーに連絡することも義務化される。

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