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月刊歯科医院経営ワンポイントアドバイス  2013年11月号

2013/11/26

歯科医院を取り巻く経営環境の変化とその対応

歯科医院を中心に世の中を見てみますと、近年の経営環境は厳しいと言わざるを得ません。それには主に3つの理由があり、1つ目は医療費抑制策による診療報酬の削減、2つ目は、新規開業ラッシュによる1件あたりの収益力の低下、そして3つ目に、患者さんによる医療機関の選択の時代 ――が挙げられます。

近年は、病気や治療方法に関する情報が溢れ、歯科医師よりも詳しく説明が出来る患者さんもいて、先生方は診療がしにくい状況にあるかと思います。

そのような状況下、選ばれる歯科医院を目指すためには、先生方は患者さんに対して、テキパキと診断を下し、治療方針や治療期間、料金等について、より具体的でわかりやすい説明を行うなどこれまで以上の情報提供が必要となってくるでしょう。

■1.患者さんの視点から考える必要がある

歯科医院の場合、現在来院している患者さんの満足度を高めることが重要です。患者さんの満足度を高めれば、その患者さんがリピーターとして来院することに加え、自院の評判を口コミで伝えていただくことが可能となります。来院歴のある患者さんがいかに口コミで好意的な評価を伝えていただけるかが集患のポイントです。

既存の来院患者さんが大切であるにもかかわらず、「予約診療」と謳いながら時間を守らない歯科医院が多いものです。鉄道、美容室、レストラン等これらはすべてサービス業と呼ばれる業種ですが、予約や予定時間を守らなかったらどうなるでしょうか? たちまちお客様は不満を漏らし、15分もすれば怒り出してしまうのではないでしょうか。医療機関もサービス業であるといわれてから久しくなりますが、未だ、予約をしていただいても時間通りに患者さんの診察が開始されることは皆無に近いのではないでしょうか。「重篤な患者さんが来院されたから」、「時間を要する治療だったから」と理由をつけ、予約した時間はとっくに過ぎてしまっているのにユニットにすら通されずに待合室で待たされている患者さんたち。果たしてこれでよいのでしょうか。

では、いったいなぜこのようなことがまかり通っているのでしょうか。それはこれまでの日本の医療従事者の中に多く存在した「病気を治してやる」、患者さん側は「治してもらう」といった関係性が、依然として根底に流れているからだと思われます。しかしながら、時代は大きく変化してきております。今後ますます競争が激化していく中で、患者さんはそのような歯科医院を選んでくれるのでしょうか?

さまざまな患者サービスが提案されておりますが、基本中の基本である「時間を守る」ということが歯科医院経営にとって、非常に重要なのです。 どうすれば時間通りに(少しでも予約時間に近づけて)患者さんをユニットに案内することができるのか、予約の取り方、効率化等も含め、振り返ってみてはいかがでしょうか。

■2.患者満足度の前に職員満足度を

成功している歯科医院をみてみますと、スタッフが生き生きと働いており、職員満足度が非常に高く、院内の仕組みづくりにおいて、以下の共通点があります。

(1) 努力や苦労が成果に結びつく =達成感を味わえる職場

(2)成果が外部から評価される(患者満足度調査) =名誉感を味わえる職場

(3)努力や苦労の度合いで給与が変わる =納得できる給与制度

(4) 職務能力を向上できる仕組みがある =研修会への参加推進

ということです。歯科医院経営は人財が要であります。いくら腕の良い歯科医師や良い設備があっても、スタッフのスキルやモチベーションが低くては、良い医療サービスを提供することはできません。

人と接する仕事は、スキルよりもモチベーションや人柄がまず大切です。スタッフにとってやる気が湧いてくるような職場環境を整えることも必要でしょう。 結果的にそれが患者さんの満足度へも結びつき、良いサイクルが生まれるものと思われます。

あとは院長次第です。先生方は日々の診療に振り回されず、上記の「時間を守る」「職場環境作り」 ―― この2点について、歯科医院経営を改善させる第一歩として、今一度考え直してみてはいかがでしょうか。

株式会社三澤経営センター
医療福祉事業部 統括部長
庄子 真也

 

 

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