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ウェルフェア・レポート 2014年3月25日号

2014/4/11

医療・介護総合確保推進法案「大改革で一体審議が必要」
~参院厚労委で田村厚労相

田村憲久厚生労働相は、社会保障や労働問題などをテーマにした3月13日の参議院厚生労働委員会で、今国会に提出した「医療・介護総合確保推進法案」について、医療・介護の「大改革」と位置づけていると強調。多様な内容を一体審議する必要があるとの考えを示した。

■「多様な内容を詰め込んでいる。分割し提案すべき」――野党委員
日本維新の会の東徹委員が「多種多様な内容を詰め込んで一本の法案にしている」と指摘したうえで、同法案に対し、①新たな基金の創設と医療・介護の連携強化(地域介護施設整備促進法等関係)、②地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保(医療法関係)、③地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化(介護保険法関係)──の3つのカテゴリーなどに分かれているとして、「分割して提案すべき」と質問した。田村厚労相は同法案について、「一番は基金を設けることで、地域包括ケアを含む在宅医療・介護の人材や施設の整備などに使う。基金の法律は全体の法律を動かしていく中で財源的な役割を果たす」などと説明。「(内容が)多すぎるとの意見は受け止めているが、それくらいの大改革を、この時期を契機にそれだけのものが集まっている。一体となって審議いただければ」と答えた。
法案では③の中で、▼要支援者に対する介護予防給付のうち訪問介護と通所介護を市町村の地域支援事業に移行、▼特別養護老人ホームへの入居を要介護3以上に重点化、▼一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引き上げ、▼「補足給付」の見直しなどを追加──が盛り込まれているほか、その他として、介護人材確保対策の検討(介護福祉士の資格取得方法見直しの施行時期を2016年度に延期)も提示。厚労省が開いた「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(2月25日)」の資料でも挙げられ、自治体担当者に示された。

来年度予算成立も、社会保障改革など与野党で隔たり
~国会

2014年度予算が3月20日の参議院本会議で自民・公明両党などの賛成多数で可決、成立した。採決前の討論では、与党の議員が「社会保障と税の一体改革を実行に移す初の予算案。地域における喫緊の課題にも対策が講じられ、全国民が安心し充実した社会保障を受けられるシステム構築に向けた第一歩を踏み出す予算案」などと強調。一方、野党の議員は「消費増税に伴う国の増収分のうち社会保障の充実分に充てるのは2,200億円に過ぎず、国民の期待に反する結果」との批判のほか、介護について、▼要支援からデイサービスやホームヘルプサービスを取り上げる。▼特養への入所申し込みを要介護3以上に限定する――を挙げ、「制度が始まって以来の大改悪が狙われている。介護の負担を社会全体で担うとした制度の趣旨はどこへ行ったか」との反発が出るなど、社会保障改革等に関し、与野党の隔たりが目立った。

都市部高齢化「14年度から社福に“空き家活用”の事業」
~参院厚労委で田村厚労相

3月13日の参議院厚生労働委員会では、地域包括ケアシステムの構築に関し、都市部での高齢化対策や医療・介護に関する多職種連携の体制づくりなどについての質疑があった。
公明党の長沢広明委員が2025年までの後期高齢者の増加数の約半分が首都圏や大阪・愛知など6都府県で占める問題を挙げ、都市部の高齢化対策について質問。田村憲久厚生労働相は、都市部では特に住まいの問題が重要になるとの認識を示したうえで、「住宅ストックが豊富で、空き家を高齢者用住宅として活用できないか。2014年度事業からだが、社会福祉法人に空き家を利用し低廉な住宅を提供できないかと、見守りや生活相談も含め対応していただこうという事業を組んでいる。空き家を利用しながら、地域包括ケアの中でいろんなサービスを受けていただくことを一つの対策と考えている」などと述べた。
また、長沢委員は医療・介護に関する多職種共同・連携の体制づくりに向けた基盤整備の取り組みに関して質問。赤石清美厚労大臣政務官は医療・介護総合確保推進法案を挙げ、「その中では、市町村が中心となって地域の医師会等と緊密に連携しながら医療・介護関係の多職種が参加する研修会等を実施する。そして、地域ケア会議において医療・介護関係の多職種でケアマネジャーを支援し、高齢者の自立支援に資するケアマネジメントを推進する等の実現を図ろうと思っている」と説明するとともに、「現場を見た感じでは、ケアマネと保健師の連携が非常に重要と感じた。そこがうまくつながると、医療と介護がうまく連携できるとの印象を持っている」と述べた。

「福祉型社会を目指さないと、日本社会は回らない」
~参院予算委公聴会で淑徳大・結城教授が指摘

参議院予算委員会は3月13日、2014年度予算案に関する公聴会を開催。社会保障に関する公述人の一人として出席した淑徳大学総合福祉学部教授の結城康博氏は「福祉型社会」を目指す必要性を指摘した。
結城氏は社会保障制度を支える仕組みに関し、「現在の社会保障は、自助・互助・共助・公助の順で論じられがちだが、独居高齢者の急増、家族機能や地域の希薄化などによって、互助機能がどこまで再構築できるか」などと説明。「自助においても、一人暮らしが多くなっている中、共助や公助を厚くしていかないとなかなか難しい。共助・公助の重要性を訴えたい」などと述べ、企業の役割を社会保障制度に明確に位置づける必要性にも言及した。
また、今後の日本社会について、「公共事業の予算額をさらに減らし、社会保障で内需や経済を回していく状態にしないと難しいのではないか。たとえば、医療や介護、福祉を充実することで雇用を創出し、福祉に関連した労働者の個人消費につなげていく福祉型社会を本格的に目指さないと、なかなか日本社会は回っていかない」などと説明。消費税も取り上げ、「財源はできるだけサービス拡充や保険料上昇の緩和に使う。国民に見える形で使うべき」と指摘した。

高齢者介護や障害者福祉など関係団体からヒアリング
~社会福祉法人の在り方検討会

厚生労働省の「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」は3月17日と24日、関係団体からのヒアリングを実施。①法人の規模拡大、②透明性の確保、③監督指導、④人材確保――など、昨年9月に設置された同検討会で議論されてきた内容に関し、高齢者介護や障害者福祉など10団体から意見を聴いた。ヒアリングは4月にも実施予定。
①については、「多様な事業実施や経営基盤の強化にとって規模の拡大は望ましいが、合併等による規模拡大や協働化ありきではなく、目的や効果の明確化が必要」などの意見の一方、「地域のニーズへの取り組みの程度等は、組織の規模に影響される側面もあるが、規模だけで規定されるものではなく、一律に論じることは困難」」等の指摘もあった。②では、財務諸表の公表について「積極的に公開」「異論はない」など前向きな見解が相次いだ。③では、第三者評価の受審について「積極的に受審」「必要性は大きい」等の半面、評価基準の統一化や評価者の質の向上などの課題を挙げる声もあった。④については、就職先としてのイメージの向上、その裏付けとしての処遇の改善の重要性を指摘する意見や高校等との連携強化を挙げる声もあった。

介護従事者の給与等「引き上げた」が6割超に
~2013年度介護従事者処遇状況等調査

厚生労働省は3月20日の社会保障審議会介護給付費分科会の介護事業経営調査委員会で、「2013年度介護従事者処遇状況等調査」の結果を示した。介護職員処遇改善加算の届出をしている事業所は87.2%。同年4月~9月の介護従事者の給与等については、「引き上げた」が61.8%だった。引き上げ等の実施方法(複数回答)では、「定期昇給を実施(予定)」が77.3%、「各種手当ての引き上げまたは新設(予定)」が18.4%、「給与表を改定して賃金水準を引き上げた(予定)」が12.7%などの順だった。同加算の届出をした事業所の常勤介護職員(月給の者)の平均給与額は前年に比べ7,180円増の27万6,940円。非常勤介護職員(時給の者)は同940円増の9万450円だった。調査は全国の9,262事業所等に実施し、7,497事業所等から有効回答があった。

「社会福祉法人の認可」一部改正に伴い意見を募集
~厚生労働省

厚生労働省社会・援護局福祉基盤課は4月1日に施行する「社会福祉法人の認可について」の一部改正に伴い、パブリックコメントを募集している。改正の内容は、①社会福祉法人が、社会福祉法第59条に基づき所轄庁に提出する現況報告書及び添付書類としての貸借対照表・収支計算書について、標準的な様式を示し、所轄庁への提出を電子データによる方法へ変更する。②社会福祉法人に対し、現況報告書及び添付書類である貸借対照表・収支計算書をインターネット上で公表しなければならないなど――の3点。意見は、Eメール・郵送・FAXで3月28日午後5時まで受け付けている。詳細は「電子政府の総合窓口」(http://www.e-gov.go.jp/)参照。

社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験合格者を発表
~厚生労働省

厚生労働省は3月14日、今年1月に実施した社会福祉士と精神保健福祉士の国家試験の合格者を発表した。社会福祉士は4万5,578人が受験し、1万2,540人が合格。合格率は前年の18.8 %(合格者8,058人)を大幅に上回る27.5%だった。精神保健福祉士は7,119人が受験し、4,149人が合格。合格率は前年の56.9%(同4,062人)を少し上回る58.3%だった。

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