ホーム > ブログ > 非営利組織モデル会計基準と公益法人の会計に関する研究会
みなさん、こんにちは。
日本クレアス税理士法人の森です。
決算の時期が近づいて参りました。
コロナ禍の状況にかかわらず、
皆様ご対応に終始されているのではないかと思います。
皆様、非営利組織会計プロジェクトはご存知でしょうか。
簡単に申しますと公益法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人、
特定非営利活動法人(NPO法人)という非営利の組織に対して
共通の会計の枠組み整備を整えることを目的としたプロジェクトになります。
具体的には、民間非営利組織について、
幅広いステークホルダーの情報ニーズに応え得る、
分かりやすく共通的な会計の枠組み整備に向けた
基盤を構築することを目的としています。
現状のプロジェクトの活動状況、全体像といたしましては、
以下の通りとなっています。
2013年7月 非営利法人委員会研究報告第25号
「非営利組織の会計枠組み構築に向けて」公表
公表後、有識者へのヒアリング調査を実施
2015年5月 非営利組織会計検討会による報告
「非営利組織の財務報告の在り方に関する論点整理」を取りまとめ
2019年7月 非営利組織会計検討会による報告
「非営利組織における財務報告の検討~
財務報告の基礎概念・モデル会計基準の提案~」公表
この2019年7月に公表された報告は、非営利組織の会計の
枠組みの構築するため、財務報告の基礎概念とモデル会計基準
の提案を行っています。
モデル会計基準は今までの活動の集大成として
非常に大きな期待と役割を担っております。
具体的には、(1) 会計基準が開発・改正される際の参考となる
考え方を提供する。(2) 既存の会計基準に定めのない事象を処理
する際の指針を提供する。(3) 財務報告に関する情報利用者の理解
を深める。といったところになります。
また、このモデル会計基準は2020年5月15日に改正が行われまし
た、公益法人会計基準についても検討段階において参照されているよ
うです。
今後も引き続き、公益法人会計基準の改正の際、参考にされるの
はもちろんですが、将来的な展望としては、社会保障制度の担い手と
しての非営利組織への期待の高まりから、非営利組織が組織ガバナンス
を確立し、財務報告について法人形態の枠を越えて、情報ニーズに応えて
いくための手段として注目があつまりそうです。
当事務所としては非営利組織会計プロジェクトの活動状況にも注意を
払い顧問先の皆様に公益法人会計の今後の展望ついてもお伝えできるよ
う努力してまいります。