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ウェルフェア・レポート 2014年7月25日号

2014/8/8

社会保障制度「不断の改革が必要だ」
~「社会保障制度改革推進会議」の初会合で安倍首相

社会保障改革プログラム法に盛り込まれた改革の進捗状況を確認するとともに、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革を検討する「社会保障制度改革推進会議」の初会合が7月17日に開かれた。安倍晋三首相が出席し「受益と負担の均衡の取れた制度とするには不断の改革が必要」とあいさつした。

■ 議長に清家氏を選任、議長代理に増田氏を指名
プログラム法は、社会保障4分野(年金、医療、介護、少子化対策)の改革それぞれについて、「改革の検討項目」と、「改革の実施時期と関連法案の国会提出時期の目途」を明らかにしたもので、その改革の推進体制として、関係閣僚からなる社会保障制度改革推進本部(今年1月12日設置)と、同日初会合を迎えた有識者からなる推進会議を設置することを規定している。
推進会議は、昨年8月に「報告書」を取りまとめ、政府に提出した社会保障制度改革国民会議の後継組織にあたる。国民会議の会長を務めた清家篤氏(慶應義塾長)が議長に選任されたほか、その委員の一人だった増田寛也氏(東京大学公共政策大学院客員教授)が議長代理に指名された。委員は20名以内(任期は2年、再任可)で、委員とは別に専門委員を置くことが可能となっている。専門委員は、関連する議題の会議のみに出席し、本委員の議論に参加する。

■ 推進会議の役割――改革の進捗確認や持続可能な制度への検討など
初会合では、事務局が推進会議の役割等について説明。①プログラム法に基づく改革の進捗状況の確認、②2025年を展望し、中長期的に受益と負担の均衡が取れた持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の総合的な検討、③総理の諮問に応じ、社会保障制度改革についての調査審議――の3つを挙げ、③に関しては、「これらの検討結果に基づき、総理に意見を述べていただく仕組みとなっている。また、推進本部が必要に応じ、改革に関し企画立案等を行うことになっている」と説明した。

■推進会議の進め方――「次々回以降は医療、介護の議論をスタート」
この後、安倍首相があいさつ。「受益と負担の均衡の取れた制度としていくためには、不断の改革が必要である」などとし、「団塊の世代の方々が75歳以上になる2025年を展望しつつ、すべての世代が相互に支え合う仕組みとしていくことが重要と考えている。委員の皆さまには、こうした観点から、今後の社会保障の在るべき姿を描きつつ、たとえば、『地方の創生』『女性の活躍推進』など、制度横断的な視点も大切にしながら忌たんのない議論をいただきたい」と述べた。また、田村厚労相は推進会議に「大変期待している」と表明。2025年を展望した改革にとどまらず、「その後、2040年代初頭には65歳以上の方が人口的にピークを迎える。50年代初頭には75歳以上の方々が人口的にピークを迎えるわけで、ここも視野に入れつつ、しっかりとした検討をしていかなければならない」と強調。「厚労省も受益と負担のバランスが取れるように、これからも改革を進めていきたいと考えている」と述べた。
安倍首相や田村厚労相らのあいさつの後、推進会議では、当面の進め方を確認した。清家議長は「今後の議論のベースとなる国民会議報告書に盛り込まれた社会保障4分野の改革の進捗状況の確認からスタートし、検討課題を整理していきたい」などと説明。次回の会議では、年金や子ども・子育て分野についての議論をスタートさせ、次々回以降には、医療、介護分野の議論にも入っていくことが了承された。

「2014年版情報通信白書」を公表             ~総務省

総務省は7月15日、「2014年版情報通信白書」を公表した。第1部「特集 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト」と、第2部「情報通信の現況・政策動向」で構成され、全体で457ページに上る。
第1部の第4章「ICTの急速な進化がもたらす社会へのインパクト」の第2節「ICTのさらなる利活用の進展」では、医療・ヘルスケアでのICT活用の動向についての地方公共団体のアンケート結果を示した後、さまざまな地域での医療・ヘルスケアでの先進的な事例を紹介。アンケートの「医療・介護」では、運営又は参加・協力している取組として、「放射線画像診断・遠隔診断」(14.2%)、「電子カルテ連携」(11.3%)などが挙げられ、現状との比較で今後実施する予定又は検討している取組として、「電子カルテ連携」(13.3%)、「遠隔救急医療」(8.1%)、「コメディカル地域情報連携」(7.6%)などが挙げられている。第2部の第6章「情報通信政策の動向」の第4節「ICT利活用による国民生活の向上と環境への貢献」では、健康医療分野におけるICT利活用の推進に関し、「医療機関等の保有する患者・住民の医療・健康情報を、クラウド技術を活用して、安全かつ円滑に記録・蓄積・閲覧することを可能とする医療情報連携ネットワークは、患者・医療機関等の負担を軽減するとともに、地域医療の安定的供給、医療の質の向上、さらには医療費の適正化にも寄与するものである」と説明している。

2015年度予算「アベノミクスの成果を地方に波及」
~経済財政諮問会議で安倍首相

首相官邸によると、安倍晋三首相は7月22日の経済財政諮問会議で、2015年度予算について、アベノミクスの成果を地方に波及させていける予算編成を進めていくとの考えを表明した。
この日の議題は「予算の全体像」や「今後の経済財政諮問会議の取組」などで、安倍首相は民間議員から提案があった「予算の全体像」を挙げ、「2015年度は景気回復の3年目に当たる。デフレを脱却し、民需主導で経済の好循環を力強く拡大させるとともに、アベノミクスの成果を地方に波及させていけるよう、予算編成を進めていきたいと考えている」と語った。「来年度は基礎的財政収支の半減目標の達成時期に当たる。経済再生と財政再建を両立させるよう、これまで以上にメリハリのついた予算を目指してもらいたい」とも述べた。
その後、同じく民間議員から示された「今後の経済財政諮問会議の取組」にも触れ、「経済情勢等を踏まえ、適切なマクロ経済運営を行っていけるよう、引き続き、議論を進めたい。また、女性の働き方に中立的な制度改革、経済の好循環拡大のための取組等、経済財政政策の司令塔として、具体化に向けて議論を進めてもらいたい」と要請した。
この日、民間議員が提案した「予算の全体像」では、2015年度予算の考え方として、「社会保障支出も、いわゆる『自然増』についてその内容を厳しく精査するなど聖域なく見直すとともに無駄を省くことで前年度からの増加を最小限に抑えるべき」などと指摘。主要歳出項目についての取組では、社会保障に対し、▼医療・介護を中心に社会保障給付について、いわゆる「自然増」について高齢化による増加とそれ以外の要因による増加などその内容を厳しく精査することを含めて聖域なく見直し、効率化・適正化すべき、▼地域横断的な医療介護情報のICT化により「見える化」を進め、先進的取組事例の横展開などにより、医療介護支出の効率化・適正化を図るべき。地域医療構想の策定及びこれと整合的な医療費の水準等に関する目標設定等を通じて医療介護提供体制の適正化を推進すべき、▼介護報酬改定において、社会福祉法人の内部留保の状況を踏まえた適正化を行いつつ、介護保険サービス事業者の経営状況等を勘案して見直すべき――などを挙げている。

“老老介護”が初めて5割超に   ~厚労省の「国民生活基礎調査」

65歳以上の同居の主な介護者が65歳以上の要介護者等を介護する“老老介護”の割合が2013年に51.2%に達し、01年の調査開始以来、初めて5割を超えた。厚生労働省が7月15日に発表した「2013年国民生活基礎調査」で明らかになった。同調査によると、主な介護者と要介護者が65歳以上同士の割合は、今回の調査で前回調査(2010年)に比べ、5.3ポイント増加。また、75歳以上同士も前回より3.5ポイント増加し、29.0%だった。いずれも上昇傾向にある。

来年度報酬改定に向け、特養に関する論点等を提示
~社保審介護給付費分科会

厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会は7月23日、来年度の介護報酬改定に向け、介護福祉施設サービスと特定施設入居者生活介護等について議論した。また、同分科会の介護報酬改定検証・研究委員会から報告があった2012年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の「13年度調査の結果(最終報告)」と「14年度調査の調査票等」について了承した。
介護福祉施設サービスでは、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の医療提供の現状や居住環境の在り方などに続き、地域での特養の役割について内部留保に関する「骨太方針」や「規制改革実施計画」などの指摘も説明。この後、主な論点として、▼施設における医療提供体制や介護報酬上の評価の在り方をどのように考えるか、▼多床室の居住環境を向上させる観点からも、プライバシーに配慮した多床室の在り方を検討する必要があるのではないか、▼特養を地域福祉の拠点として活用するという観点から小規模多機能型居宅介護等との併設禁止や人員配置基準上の取扱い等についてどのように考えるか、▼2015年度より、施設への新規入所者が原則として要介護3以上に限定されることを踏まえ、報酬上の加算の在り方をどのように考えるか――等が示された。
委員からは、小規模多機能型居宅介護等との併設禁止について「一定程度の緩和が必要」といった指摘。また、加算については「複雑すぎて利用者には理解不能、簡潔で分かりやすい制度にすべき。簡素な報酬体系にするよう引き続き検討をお願いしたい」との要望があった。さらに、多床室に関しては「低所得でも入れる個室型を促進するということを原則とする以外にはないのではないか」との意見があった。一方、多床室をめぐっては、「居住費については、医療保険部会の検討も踏まえつつ、負担の公平性を確保する観点から、多床室の入居者への負担を求めることについて検討していく必要があるのではないか」との意見もあった。このほか、「骨太方針」や「規制改革実施計画」等の指摘に対し、「厚労省として指摘を踏まえた対応を行っているということだが、9月に公表予定の介護事業の経営実態調査の結果を踏まえたうえで、改めて具体的な論点として提示をお願いしたい」との要望もあった。
特定施設入居者生活介護等では、主な論点として、▼特養が中重度者を支える施設としての機能に重点化されることも踏まえ、特定施設入居者生活介護等における介護報酬上の評価の在り方についてどのように考えるか、▼2012年度にショートステイの利用を可能としたところだが、現在の利用状況を踏まえて、合理的なサービス利用の拡大を図るために、本来の入居者による利用率を80%以上としている要件等の在り方についてどのように考えるか――等が示された。

■12年度改定の調査研究等に係る調査の「14年度調査の調査票等」など了承
「13年度調査の結果(最終報告)」と「14年度調査の調査票等」は、介護報酬改定検証・研究委員会が16日に了承し、同分科会に報告することになっていた。14年度調査は、「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」など7つ。

「救急業務のあり方に関する検討会」が初会合   ~消防庁

総務省消防庁は7月16日、今年度の「救急業務のあり方に関する検討会」の初会合を開いた。同検討会の下に「救急業務に携わる職員の教育のあり方」と「緊急度普及」をテーマにした4つのワーキンググループ(WG)を設置。検討会とWGがそれぞれ来年3月までに計3回(検討会は今回を含む)の会合を開き、報告書をまとめるほか、指導救命士テキストや救急隊員用教育動画を作成する方針。
初会合では、昨年度に引き続き、東和病院院長の山本保博氏を同検討会の座長に選出したほか、「救急業務に携わる職員の教育のあり方」の指導救急士WG長に杏林大学医学部救急医学教授の山口芳裕氏、同救急隊員WG長に北里大学医学部救命救急医学教授の浅利靖氏、同通信指令員WG長に帝京大学医学部教授の坂本哲也氏を選んだ。また、「緊急度普及」WG長には東京消防庁救急部長の松川茂夫氏を選んだ。
初会合の主要な議事は「今年度の検討の進め方」で、事務局が検討事項として、①消防と医療の連携、②救急業務の高度化の推進、③予防救急の推進──の3つを提示した。①の「消防と医療の連携」については、2009年の消防法改正以降、11年までにすべての都道府県で「実施基準(傷病者の搬送及び傷病者の受入れの実施に関する基準)」が策定され、運用が始まっていると指摘。策定後、それらのフォローアップを進めてきたものの、「地域によっては、受入れ医療機関と後方支援病院の連携や精神疾患、酩酊者、高齢者施設からの搬送における受入れに苦慮をする事案の発生等の課題がある」と説明した。続いて、今年度の検討にあたっての仮説として、▼傷病程度別や消防本部の規模別での搬送時間の分析について、▼受入れに苦慮をする案件への対応のための具体的ルールづくりについて、▼高齢者に関する情報共有について、▼後方支援病院との連携について、▼法定協議会における議論の進め方について──の5つを指摘。そのうえで、今年度の検討案として、「実施基準の運用による効果の更に詳細な検証」と「現場滞在時間を短縮させる効果的な取組の推進」を挙げ、「地域の個別課題への助言や地域ごとのルールの策定を促進し、搬送時間の短縮と救命率の向上につなげていきたい」などと説明した。

2014年のがん罹患数と死亡数の予測を公表
~国立がん研究センター

国立がん研究センターがん対策情報センターは7月10日、2014年に新たにがんと診断される罹患数と死亡数の予測を、がん情報の総合サイト「がん情報サービス」で公開した。14年の罹患数は、男性が50万1,800人、女性が38万400人の計88万2,200人。10年の全国統計値と比べると、約7万7,000人の増加となる。死亡数は、男性が21万7,600人、女性が14万9,500人の計36万7,100人。12年の実測値と比べると、約6,000人の増加となる。

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