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クリニックニュース 2014年8月20日号

2014/9/2

次期医療保険制度改革に向け、議論の整理
《厚生労働省・社会保障審議会医療保険部会》

厚生労働省は8月8日、「社会保障審議会医療保険部会での主な意見」を公表した。医療保険部会では平成26年4月以降、社会保障制度改革国民会議報告書ならびにプログラム法を受け、7月24日の会合までに次期医療保険制度改革に向けた1巡目の議論を繰り広げてきた。今回、これまでに出された主な意見を要約し、項目別に整理している。
「主な意見」は、医療保険制度改革のテーマに沿い、▼国保の財政上の構造問題、▼協会けんぽの国庫補助、▼医療費適正化、保険者機能発揮、▼高齢者医療の費用負担全体の在り方、▼後期高齢者支援金の全面総報酬割、▼給付の効率化について(予防・健康管理、データヘルス、後発医薬品の使用促進等)、▼療養の範囲の適正化・負担の公平の確保について 、▼その他――等の項目を立てている。次期医療保険制度改革の最重要項目は国保財政上の問題であり、「主な意見」においても、その構造上の問題の分析や解決策、そして都道府県・市町村の役割についての検討について多く取り上げられている。「国保改革は『大改革』。システムの整備など、実務で混乱が起こることを避ける必要がある。そのためにも、早期に都道府県と市町村の役割分担を明確にする必要がある。プログラム法では、29年度までを目途に措置を講ずるとされているが、難しい場合は、実施時期について柔軟に考えるべき」といった指摘もあり、大改革に向けた慎重な議論が明記されている。
また、療養の範囲の適正化・負担の公平の確保については、「紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担の在り方」が俎上に載せられており、厚労省は、このような場合の初再診料等を保険給付から除外する(全額患者負担とする)ことを前提に具体案を提示している。
医療保険部会において取り上げられた意見としては、▼紹介状なしで大病院を受診する患者のうち、どれくらいが大病院受診の必要がないのか、なぜ紹介状なしで大病院を受診するのか等の受療行動に関する分析をして対策を立てた方が効果的、▼外来の機能分化を推進するために、定額負担は導入すべき、▼選定療養によって患者行動がどう変化したか検証すべき、▼医療保険の枠内に限らず、選定療養の拡大等を通じて紹介状なしの大病院受診を抑制する仕組みを考えてほしい、▼ゲートキーパーとなり得る、地域の医者をどのように確保・育成していくかが課題。研修等を実施したうえで地域に適正配分し、紹介状を書いてくれる医師を患者に対してしっかりと情報提供してほしい、▼対象とする医療機関については、現在の選定療養との並びで200床以上がいいのではないか。ただし、どの程度の負担とすべきかについては、より機能分化が必要とされる大規模な医療機関ほど負担額が大きくなるというように、病床規模で分けてもいいのではないか ――等、様々な見解がある。
その他の項目で、出産育児一時金についても触れており、▼出産育児一時金の本体部分と産科医療補償制度の掛金について、法令上の区分を検討すべき、▼出産費用の実態に基づき、出産育児一時金を見直すのではなく、物価や診療報酬改定率などに基づいて見直すルールとすることを検討すべき、▼少子化対策として出産に係る費用負担を増やさない仕組みとするのであれば、保険者だけでなく医療機関も協力すべき ――といった意見が挙がっている。
来年の通常国会の法案提出を目指すに当たり、同部会では秋から2巡目の議論がはじまる。

介護サービス事業者等の費用請求、原則、伝送又は電子媒体で
《厚生労働省》

厚生労働省は8月15日、老健局長から都道府県知事に向け「『介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する省令の一部を改正する省令』の公布について」の通知を発出した。同省令は平成26年8月15日に公布され、同日施行のもの。厚労省は通知を介して、各知事に管内市町村(特別区を含む)を始め、国民健康保険団体連合会、事業者、関係団体等への周知を依頼した。
本改正の趣旨として、「介護サービス事業者等が審査支払機関に対して行う費用の請求に関して、審査支払事務の一層の効率化を図る等の観点から、原則として、請求方法を伝送又は電子媒体による請求に限定。あわせて、伝送又は電子媒体による請求が困難な場合に配慮するため、一定の場合には書面による請求を可能とする例外規定を設置。」と説明。
また、改正の内容として、①伝送又は電子媒体による請求への限定として、現行の支給限度額管理が不要なサービス一種類のみを行っている場合等、一定の類型に該当する事業所等については、当分の間、書面による請求を可能としているが、これらの事業所等について、引き続き書面による請求を行う場合は、平成29年度末までに審査支払機関に届出を行うものとし、届出を行わない場合には、平成30年度以降は伝送又は電子媒体による請求に移行となる、②以下の場合のみ、平成30年度以降も書面による請求を可能とする例外規定を設ける。▼常勤の介護職員その他の従業者の年齢が、平成30年3月31日においていずれも65歳以上である事業所等であって、その旨を同日までに審査支払機関に届け出たもの。ただし、当該事業所において、平成30年3月31日における年齢が65歳未満である常勤の介護職員その他の従業者が新たに従事することとなった場合は、その旨を審査支払機関に届け出るものとし、当該届出の日の属する月の翌々月以降は伝送又は電子媒体に移行する、▼電気通信回線設備の機能に障害生じた場合や改築工事中である施設又は臨時の施設において事業を行っている場合、事業の廃止又は休止に関する計画を定めている場合等の事由を審査支払機関に届け出た場合 ――等について、具体的に明記した。

税制優遇措置や低利融資等を説明し持分なしへの移行促進
《厚生労働省》

厚生労働省は8月1日、同省ホームページに「『持分なし医療法人』への移行促進策のご案内」と称するパンフレットを掲載した。これは、本年6月25日に公布された医療介護総合確保推進法の中の改正医療法ならびに平成26年度税制改正においても取り上げられている内容である。出資者が出資した割合に応じて法人資産を払戻すことができる「持分あり医療法人」については、平成19年医療法改正にて公益性を医療法人に求め、廃止し、持分なし法人への移行を国が促しているものの、依然として移行促進がなされていない実情がある。
厚労省はパンフレットにて、「平成26年10月1日から平成29年9月30日までの3年間限定」で、持分なし医療法人への移行計画の認定制度を設定し、税制優遇措置や低利の融資を受けられると紹介。税制優遇措置については、この期間中であれば相続が発生した後でも、相続税の申告期限(10ヵ月内)までに厚労省に申請し、国から移行計画の認定を受け、納税猶予の手続きをした場合、税制優遇措置の対象となることができる。さらに、移行計画の認定日から3年以内に出資持分を放棄した場合、猶予税額が免除されるというもの。

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