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ウェルフェア・レポート 2014年9月25日号

2014/10/9

消費税10%「ニュートラルに」「先送りした方が良い」
~首相、各党党首で見解に相違

「今、政治がすべきことは何か」をテーマにした9月14日のNHK番組に、安倍晋三首相と野党の党首が出演。安倍首相は消費税率10%への引き上げに関し、「ニュートラルに考えていく」と述べた一方、野党党首は「今は上げられる状況ではない」「先送りした方が良い」などの否定的な見解を示した。

■専門家の分析も踏まえ、上げるか、待つかを判断――安倍首相
安倍首相は「引き上げは難しいのではないかという見方が政府部内にもある。予定どおり引き上げる選択肢のほかに、先送りする選択肢もあるのか」との質問に対し、「我々がなぜ消費税を引き上げるか。伸びていく社会保障費を賄っていくためであり、子育ての支援をしていくため、消費税を引き上げて税収を増やしていく」と指摘。一方、「経済の腰が折れてしまったら、税収は上がらないから、よく見極めていく必要がある」などと述べた。そのうえで、「7~9(月期)にしっかりと経済の成長軌道に戻っているかどうかを見極めなければならない。(8%への引き上げに際し)昨年も行ったが、(10%への)引き上げを決定する前に、今年も7~9の指標を見て、この道の(専門家の)皆さんに集まっていただいてマクロ経済的観点からも分析をしていただく。その中から法律どおりに上げていくか、果たして待った方がいいのか、議論をしていきたい。経済は生き物だから、ニュートラルに考えている」などと説明した。
公明党の山口那津男代表は「安倍首相は年内に10%への引き上げを判断するとしているが、どう考えているか」との質問に対し、「自民党も含め我々が野党の時に合意した重要な判断だった。社会保障の維持・継続・強化のために安定的な財源を確保するという大局観だから、それに基づいて来年10%へ上げるということも法律で決めている。その大局観に立って判断すべき。具体的には、現在の経済状況等をよく見極めて、総理の判断に任せることにしているので、そこを判断できるような環境を整える、経済の勢いをしっかり整えるような役目を果たすべきだと思う」と述べた。
■「社会保障の充実が不十分」「かつて2%上げ15年デフレ」――野党党首
民主党の海江田万里代表は「まず上げられる経済環境をつくることが一番。消費税を上げるまでは確かに経済を一生懸命にやっていた。しかし、上げてから、本当はそこが一番大事なのだが、安倍総理の関心は経済になくなっていたのではないか。その結果が4~6の急激な落ち込みにも表れているから、上げられる環境をつくる。それから上げた財源を社会保障の安定だけではなく充実のために使う。既に消費税は上がったが、社会保障の充実は不十分、そういうことをやれと申し上げたい」と述べた。
このほか、▼「今の状況ではとても上げられる状況ではないと思う」(維新の党・江田憲司共同代表)。▼「今の状況を見ると、かつて橋本内閣で2%上げて15年デフレが続いたことを考えると、全体的に見れば、先送りした方が良いという考えを持たざるを得ない」(次世代の党・平沼赳夫党首)。▼「まずは先送りすべき。現段階で来年10月に引き上げることを決めるのは反対だ」(みんなの党・浅尾慶一郎代表)――などの見解が示された。

消費税10%、社会保障の持続性を前提に「総理が決断」
~塩崎厚労相

塩崎恭久厚生労働相は9月16日の閣議後会見で、消費税率10%への引き上げについて、安倍晋三首相が社会保障の持続性を前提に有識者の意見等を踏まえて決断するとの考えを述べた。塩崎厚労相は「社会保障を充実し、一方で合理化もしていきながら、どう社会保障を持続可能なものにするかという観点が最も大事だ」と強調。「社会保障の持続性を持たせるために、どうするかということを基本にしながらも、(安倍首相が)経済との関係でさまざまな意見を聴きたいというのは当然のことだろうと思うので、最終的には総理がいろいろな意見を聴きながら、世論調査を見ても慎重な方が多いわけだから、それらも踏まえて決断していただけると思っている」と述べた。

■「雇用をつくり、経済社会の活性化へ貢献」
9日の会見では、「大臣就任以来、経済こそ最優先と話していた。具体的にどういうことを想定されているか」との質問に対し、「たとえばロボットの開発は人手不足の中、どう生産性を上げるかということが大事で、労働生産性を上げないといけないという差し迫った深刻な問題を日本経済は抱えている。これを直すことこそが、地方を含めた日本経済の再生につながること」と説明。「新しい産業をつくるのは、医療にしても介護でも、そういったロボットとか新しいイノベーションはあり得るわけだから、どう厚労省としても応援できるか非常に重要だ」と述べた。そして、新たな雇用の仕組みや人材育成の重要性を挙げ、「経済再生に向けての貢献の場面はいくらでもあると思っているので、命を守り安全を守ることともに、経済成長も図って雇用をつくり、経済社会が活性化していくことに貢献していきたい」との抱負を述べた。

ロボットによる「新たな産業革命」が成長戦略の鍵に
~ロボット革命実現会議で安倍首相

首相官邸によると、安倍晋三首相は9月11日に開いた「ロボット革命実現会議」の初会合で、ロボットによる「新たな産業革命」が成長戦略の鍵になると強調した。
安倍首相は「生産年齢人口の減少に直面する中、『日本はもう成長できないのではないか』という悲観論がある。しかし、女性や高齢者をはじめ、日本人の一人ひとりが持てる力を最大限発揮することによって壁を突破することができる。これこそが安倍政権の成長戦略」と強調。そのうえで、「ロボットによる『新たな産業革命』がその鍵となる」と指摘し、「ロボット活用の可能性は、ものづくりにとどまらず、介護、旅館、農業、防災など幅広い分野に及ぶ」と説明した。
また、菅義偉官房長官は同日の記者会見で「ロボット革命実現会議」について、「『日本再興戦略』改訂2014で掲げられた『ロボットによる新たな産業革命の実現』に向けた道筋を検討するために設置された」と説明。「本日の議論を皮切りに、年内に技術開発や規制改革、標準化等の具体策を盛り込んだ『5カ年計画』を策定する予定としている」と述べた。

人口急減・超高齢化の課題解決へ、基本方針を決定
~政府の「まち・ひと・しごと創生本部」

日本が直面する人口急減・超高齢化の課題に政府一体となって取り組む「まち・ひと・しごと創生本部」の初会合が9月12日に開かれ、同本部の基本方針を決定した。
基本方針では、①若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、②「東京一極集中」の歯止め、③地域の特性に即した地域課題の解決――を「基本的視点」に位置づけ、③では、▼中山間地域等において、地域の絆の中で高齢者をはじめ全ての人々が心豊かに生活できるよう、小さな拠点における制度縦割りを排除した「多世代交流・多機能型」の生活サービス支援を推進する。▼大都市圏等において、過密・人口集中に伴う諸問題に対応するとともに、高齢化・単身化を地域全体で受け止める「地域包括ケア」を推進する――ことなどを示している。
また、人口減少の克服や地方創生のためには、「具体的な政策目標を掲げ、その実現に向けて従来型の発想にとらわれず英知を結集し、あらゆる効果的な政策手段を総動員しなければならない」などと指摘。そのうえで、取り組みの基本姿勢として、「人口減少を克服するための地域の効果的・効率的な社会・経済システムの新たな構築を図り、税制・地方交付税・社会保障制度をはじめとしたあらゆる制度についてこうした方向に合わせて検討する」ことなどを挙げている。

介護報酬改定に向け、事業者団体からヒアリング
~厚労省の介護給付費分科会

厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会は9月10日、2015年度介護報酬改定に向け、事業者団体ヒアリングを行った。今回は、全国特定施設事業者協議会(特定協)や全国経費老人ホーム協議会(全軽協)、サービス付き高齢者向け住宅協会(サ住協)など7団体が出席した。次回は同29日に実施予定。
特定協は、介護報酬改定に向けた意見として、都市部での人材確保のために、▼介護職員処遇改善加算の拡充、▼サービス提供体制強化加算の創設、▼地域区分単価の引き上げ――を要望。また、認知症対応などのために、認知症ケアや医療行為の介護報酬上の評価や看取り介護に対する評価の拡充などを求めた。
全軽協は、施設整備補助金制度が撤廃されたことを挙げ、大規模修繕や施設建て替えのための財源確保の必要性を指摘したほか、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げについて、「現在、消費税支出分の収入が確保できておらず、これ以上の支出が出てくると死活問題」との現場の声を紹介し、「福祉を目的としない増税なら反対したい」と伝えた。
サ住協は、集合住宅に対する訪問サービス等の減算に関し、「同一建物・隣接の訪問・通所事業所などの居宅サービスがどのような利用状況なのか、細かい実態調査をした上で、合理的な根拠に基づくべき」と指摘するとともに、「定期巡回・随時対応サービスを普及するためには同一建物での減算は継続して回避するべき」と訴えた。

貸借対照表や収支計算書などの公表義務化などを提案
~厚労省福祉部会

厚生労働省は9月11日、社会保障審議会福祉部会を開いた。この日の議題は、社会福祉法人の「運営の透明性の確保の在り方」で、貸借対照表や収支計算書などの公表を義務化することを提案した。厚労省は社会福祉法の改正案を来年の通常国会に提出する予定。
厚労省は「財務諸表、活動状況、経理状況の公表」について、▼備置き・閲覧の対象となる書類、閲覧請求者が公益法人等と比較して限定されている。▼財務諸表や現況報告書の公表を通知において義務付けているが、法令上の根拠がない。▼役員報酬基準、役員区分ごとの報酬等の総額について、公表する仕組みとなっていない――との課題を提示。透明性の確保のため、▼定款、事業計画書、役員報酬基準を新たに閲覧対象とするとともに、閲覧請求者を国民一般とする。▼貸借対照表、収支計算書、役員報酬基準を公表対象とする――ことを法令上、明記することを提案した。また、通知により公表を義務付けている現況報告書は役員区分ごとの報酬総額を追加した上で、閲覧・公表対象とすることを法令上、明記することも示した。さらに、「都道府県、国における情報集約と公表」に関し、ICT等を活用して社会福祉法人の情報を集約し、わかりやすく開示する仕組みを検討する必要性を提案した。

認知症による身元不明者が全国に35人     ~厚労省が調査

厚生労働省は9月19日、全国1,741市区町村を対象に初めて実施した「行方不明になった認知症の人等に関する調査」結果を公表した。今年5月末現在、認知症による身元不明者が35人存在しているほか、精神疾患や記憶障害などによる身元不明者が311人に上ることが明らかになった。厚労省は同日付で「今後の認知症高齢者等の行方不明・身元不明に対する自治体の取組の在り方について」(通知)を出した。
認知症の身元不明者35人は、男性24人、女性11人で、推定年齢は70代が最も多い18人。現在の居住場所は、病院10人、特別養護老人ホームなどの介護施設が17人、救護施設などが8人となっている。
一方、行方不明等に対し、徘徊・見守りSOSネットワーク事業やGPS等徘徊探知システム事業、見守り体制の構築などの事業を実施している市区町村は約6割にとどまっている。

待機児童は2万1,371人           ~厚労省が公表

厚生労働省は9月12日、待機児童の数が今年4月1日現在で2万1,371人と4年連続で減少していることを公表した。厚労省の取りまとめによると、認可保育所を利用する児童は226万6,813人で、昨年より4万7,232人増加。一方、待機児童の数は直近1年間で1,370人減少し、待機児童がいる市区町村も昨年より2つ減少して338になったとしている。

「地域ヘルスケア産業支援ファンド」を設立
~地域経済活性化支援機構

政府系ファンドの株式会社地域経済活性化支援機構はこのほど、ヘルスケア産業全体を対象に地域経済の活性化や雇用の創出に資する事業者を支援する基金「地域ヘルスケア産業支援ファンド」を設立した。
同機構では、「高齢化社会の進展に伴い、地域包括ケアシステムの成立、民間サービスを含めた健康寿命延伸産業の拡大等、ヘルスケア産業全体の枠組みが大きく変化しようとしており、医療機関・介護事業者はもとより、ヘルスケア周辺事業者、異業種事業者が、地域単位で一体となって成長を果たしていく必要性が高まっている」と指摘。「機構が豊富に有するヘルスケア産業に精通した経営人材を集中投入することで、地域経済の活性化に資する新たなヘルスケア産業のモデルケースを構築したい」と説明している。
設立時の組合員は、みずほ銀行、常陽銀行、千葉銀行、横浜銀行、福岡銀行、西日本シティ銀行などで23億5,000万円を出資。今後100億円まで拡大する。存続期間は約7年を見込んでいる。

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