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ウェルエア・レポート 2014年10月24日号

2014/11/26

介護報酬「改定に向けて処遇改善などの課題に取り組む」
~塩崎厚労相が衆院厚労委で所信表明

塩崎恭久厚生労働相は10月10日に開会した衆議院厚生労働委員会で所信表明し、介護報酬については「改定に向けて介護職員の処遇改善などの課題に取り組む」との考えを示した。

■ 社会保障改革「プログラム法に基づき、引き続き、着実に進める」
塩崎厚労相は冒頭、「国民の安全・安心の確保に万全を期すため、厚生労働行政の諸課題に全力で取り組んでいく」と表明。その基本姿勢について、「社会保障に関しては、自助・自立を第一に共助と公助を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかりと援助の手を差し伸べる。認知症施策、がん対策など弱い立場の方への支援にこれまで以上に力を入れていく」と述べた。社会保障制度に関しては、「急速に少子高齢化が進展し、安定財源を確保しつつ、誰もが安心できる持続可能な社会保障制度を確立しなければならない。プログラム法に基づき、残された課題について引き続き検討を行い、社会保障制度改革を着実に進める」と強調した。

塩崎厚労相の所信表明(医療・介護に関する内容、抜粋)

医療・介護については、医療・介護総合確保推進法に基づき、地域医療介護総合確保基金を活用した医療・介護提供体制の整備、病床機能報告制度や地域医療構想の策定等による医療機能の分化・連携、在宅医療・介護の連携、介護予防給付の一部の地域支援事業への移行、費用負担の公平化等を図る。

認知症の方が地域で安心して暮らせる社会を構築する必要がある。特に社会全体で認知症の方を支えるため、認知症の正しい理解を国民全体に広めるための普及啓発や早期診断・早期対応などの施策を積極的に推進する。さらに、認知症対応についての我が国の優れた取り組みを世界に発信していく。

2015年度は介護報酬の改定が予定されている。改定に向けて介護職員の処遇改善などの課題に取り組む

報酬改定「我々は我々で考えていかなければならない」
~衆院厚労委で塩崎厚労相

塩崎恭久厚生労働相は10月15日の衆議院厚生労働委員会で、財務省の財政制度等審議会財政制度分科会が来年度の介護報酬を6%程度マイナス改定する意見を8日に表明したことについて、一つの問題提起として受け止めたうえで、「我々は我々でしっかり考えていかなければならない」との考えを示した。

■「財務省の意見の前に現場の声を受け止めるべき」――民主・中根委員
中根康浩委員(民主)が、介護報酬マイナス改定を求めた財政審の意見に関する新聞報道を挙げ、「例えば、日経の記事に塩崎大臣は記者会見で、財務省の提案について『真剣に受け止めないといけない』と述べていたと書いてある。財務省が6%引き下げを行うことを受け止めるということであるので、認めることになるわけだ。財務省の意見を真剣に受け止める前に、介護現場の声をしっかりと受け止めていくべきではないか」と指摘。その他の新聞報道も交え、「例えば、財務省がなぜ6%の引き下げ、そういう具体的な数字の根拠となること、内部留保が多過ぎる。社会福祉法人などの内部留保は8%あるが、中小企業は利益率が約2%。8マイナス2で6%の引き下げを行うべきだというようなことを財務省は言っている」と示す半面、会計検査院が「内部留保は必ずしも必要ないものではないというか、継続的に事業を行っていくためには必要性があるもので、この積立金、内部留保を透明性や計画的に有効に使っていくことについては配慮しなければならない」などと意見していることも挙げ、「6%の大幅引き下げを大臣は認めるつもりか」とただした。

■「何が一番良い答えなのか考えていかないといけない」――塩崎厚労相
これに対し、塩崎厚労相は「財政審は厚労省の審議会ではないので、どういう考えでやっているか、私どもが答える立場にはないと思っている」と前置きしたうえで、「中小企業の2%と(内部留保の)8%の差の6%という話、これは財政審がそのようにグラフをつけていたと思うが、それが本当に適切なのかどうかということは議論のスタートラインであって、私どもそういう指摘もあったということは踏まえるが、我々は我々でしっかりと考えていかなければならない」との考えを示した。また、「財政審の方が、介護職員の報酬について引き上げるべきだという声があることは認識している表現をしているが、一方で、その他の基本的サービスの費用について増やすべきではないみたいな感じのことが書いてあったように記憶している」と説明。財政審の意見は一つの問題提起として受け止める必要性があることを強調し、「これはこれとして、我々は我々で、この間の調査の結果も踏まえて議論を重ねて、何が本当に一番良い答えなのかということを考えていかないといけないし、それには財源が当然伴ってくるから、さっき申し上げたように、この三つの組み合わせ(財政審の意見、財源、厚労省での議論)の中でどうするんだということを考えていかなければいけないと思っている」と説明した。

社会福祉法人改革「年内を目途に取りまとめ」
~衆院厚労委で鈴木社会・援護局長

厚生労働省の鈴木俊彦社会・援護局長は10月15日の衆議院厚生労働委員会で、社会福祉法人の改革について、社会保障審議会福祉部会で年内を目途に取りまとめるとの考えを示した。
永山文雄委員(自民)が「社会福祉法人は多額の内部留保を持っている、株式会社と比較し優遇されすぎているとの声もある。一方、地域を見ると、福祉・介護サービスの担い手としては社会福祉法人が中心で、誰もやらないサービス・支援まで行っている法人も多くある」と説明。「社会福祉法人にもいろいろあるが、困っている人たちの生命・生活を預かるのが仕事だから、営利目的の会社と必ずしも同列には扱えない」と述べた。そのうえで、「社会福祉法人も自らの立場に安住せず、支えを必要としている人がいれば、公的な制度となっていないサービスでも積極的に取り組んでいく姿勢が必要」と指摘した。
鈴木局長は「福祉ニーズが多様化・複雑化してくる中、生活困窮者への対応、地域における支え合いの面などにおいて、営利法人が敬遠しがちな収益性の低い事業・地域において、社会福祉法人が果たしていく役割はますます重要になる」と説明。「社会福祉法人がこうした役割を果たしていくには、公益性、非営利性を担保する観点で、経営管理体制の強化、運営の透明性の確保、財政規律の確立等を図っていく必要があるし、社会福祉法人には地域における公益的な活動に取り組んでいただく必要がある。厚労省では社会保障審議会に福祉部会を設置し、社会福祉法人の見直しに関する検討を進めており、年内を目途に取りまとめたい」と答えた。

介護療養病床「機能は大事にしていきたいと思っている」
~衆院厚労委で塩崎厚労相

塩崎恭久厚生労働相は10月15日の衆議院厚生労働委員会で、介護療養病床の機能は大事にしていきたいとの認識を示した。
清水鴻一郎委員(維新の党)が「介護療養病床については2017年末まで延長になっているかと思うが、その役割にどんな認識をもっているか」と質問。
塩崎厚労相は介護療養病床について「他の介護保険施設と比較し、要介護高齢者の看取り、ターミナルケアを中心とした長期療養を担っているとともに、喀たん吸引、経管栄養等の医療処置を高頻度で実施する施設として機能を担っている」と説明。今後の在り方については「11年に成立した介護保険等の一部改正法の附帯決議に基づいて実態調査結果等を踏まえ、必要な見直しを検討するということなので、先生方の意見も聴きながら見直していきたい」と答えた。 清水委員は「田村前大臣は、介護療養病床の持つ機能は必要で機能は維持しなければいけないと答弁している」と改めて質問。塩崎厚労相は「今(機能を)果たしているわけで、この機能は大事にしていきたい」との認識を示した。

報酬改定に向け「基本的視点」や居宅関連の論点等を提示
~厚労省介護給付費分科会

厚生労働省は10月15日と22日の両日、社会保障審議会介護給付費分科会を開催。2015年度の介護報酬改定に向け、15日には「総論」を、22日には「居宅関係1」をテーマに議論した。
15日には、厚労省が「15年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)」を提示。「2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定を見据えつつ、地域包括ケアシステムを着実に構築していく観点から、その基本的な視点を整理すれば、おおむね3点に集約される」などと指摘し、▼第1の視点「地域包括ケアシステムの構築に向けた、在宅中重度者や認知症高齢者への対応の更なる強化」。▼第2の視点「介護人材確保対策の推進」。▼第3の視点「サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築」――を挙げた。
22日には「居宅関係1」として、訪問介護や複合型サービス、訪問看護などの各論点と対応案を示した。

「居宅関係1」の各論点と対応案(抜粋、厚労省の資料を基に作成)

訪問介護(5つの論点)

論点1:20分未満の身体介護の算定要件の見直し

対応=夜間・深夜・早期時間帯について、日中時間帯と同様に、要介護3以上であって一定の要件を満たす場合に限り算定を認める。 等

論点2:サービス提供責任者の配置基準等の見直し

対応=中重度の要介護者を重点的に受け入れるとともに、人員基準を上回る常勤のサービス提供責任者を配置する事業者について、特定事業所加算による加算を行う。 等

定期巡回・随時対応型訪問介護看護(5つの論点)

論点5:同一建物減算の導入

対応=一定数以上の利用者が同一建物に居住する場合には、職員の移動時間が軽減されることを踏まえ減算する。

小規模多機能型居宅介護(10の論点)

論点1の①:「訪問体制強化加算」の新設

対応=算定要件は「訪問を担当する常勤の従業者を2名以上配置」 等

論点1の②:登録定員の引き上げ

 対応=登録定員を29人以下とする。

複合型サービス(6つの論点)

論点1:報酬算定の見直し

 対応=訪問看護を実施していない利用者が一定割合以上の事業所については、基本報酬に内包されている訪問看護サービス部分について減算を行う。

    訪問看護を実施している利用者が一定割合以上を占めており、利用者の医療ニーズに重点的に対応している事業所については、そのサービス提供体制を評価して加算を行う。


「余裕財産」の算出法や「地域公益活動」の要件等を提示
~厚労省福祉部会

厚生労働省は10月16日と20日の両日、社会保障審議会福祉部会を開催。16日には社会福祉法人の「余裕財産」とその再投下について、20日には「地域公益活動」の要件案などについて議論した。
16日の部会では、厚労省が社会福祉法人の「余裕財産」の算出方法について、「すべての財産(基本金及び国庫補助等特別積立金を除く)」から、「事業継続に必要な財産(控除対象財産)」を差し引き、残った財産を「再投下対象財産(余裕財産)」と位置づけることを提案。そのうえで、「余裕財産」はすべて、地域の福祉ニーズに基づく「地域公益活動」に再投下すべきとした。こうした厚労省の提案を多くの委員が概ね前向きに評価した。
20日の部会では、厚労省が今後すべての社会福祉法人への義務付けを想定している「地域公益活動」の要件案を提示。「地域公益活動」の対象となるのは、▼社会福祉を目的とするものであること。▼地域におけるニーズがあること。▼公的制度による給付の対象となっていないこと――を満たす事業や活動としている。そのうえで、「地域公益活動」についての考え方(まとめ)を提示。①「地域公益活動」(直接費用の支出を伴わないものを含む)を実施することをすべての社会福祉法人の責務として法律上位置付ける。②「地域公益活動」の実施状況を公表することを法律上明記する。③再投下対象財産を保有する法人は、必ず、当該財産を活用して地域の福祉ニーズを踏まえた「地域公益活動」を計画的に実施することとし、その上でさらに再投下可能な財産がある場合には、これを「地域公益活動」以外の社会福祉事業又は公益事業により供給される福祉サービスの充実に計画的に投下することとする。その際、公益的な見地から地域の福祉ニーズを把握する枠組みを整備する――ことを示した。

介護報酬、認定要件と給付範囲の適正化などを指摘
~経済財政諮問会議で有識者議員

首相官邸によると、10月21日の経済財政諮問会議で、有識者議員が「社会保障給付の徹底した効率化・重点化に向けて」などの資料を提出した。「医療提供体制・医療保険制度の改革」や「介護報酬、認定要件と給付範囲の適正化と事業効率の改善」などを指摘。後者について、▼介護報酬(サービス価格)の改定に当たっては、高収支率の背景にある事業コストを厳格にチェックし、介護保険料や利用者負担等の国民負担が抑制されるよう、価格の妥当性を検証すべき。加えて、民の工夫や事業者間競争を通じて、新たなサービス提供や価格低下(保険価格以下でのサービス提供)が生まれ、利用者利便が高まるよう、制度改善に取り組むべき。▼社会福祉法人の内部留保に関連した指摘事項(規制改革実施計画)を完全履行すべき。税や社会保険料が原資の内部留保は、その目的に適った事業に充て、国民に還元すべき――などと求めている。

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