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クリニックニュース 2014年11月5日号

2015/1/16

「社会保障の効率化・重点化」年内を目途に報告を首相指示
《首相官邸・経済財政諮問会議》

首相官邸は10月31日、平成26年第17回経済財政諮問会議を開催した。この日、臨時議員として参加した塩崎厚生労働大臣に対し、議長である安倍首相は、「医療の見える化を含む医療保険制度の改革、薬市場の実態の早急な把握をはじめとする薬価制度の見直し、メリハリの効いた介護報酬の適正化などの社会保障の効率化・重点化により、質を維持しつつ、国民負担を軽減していくよう、諮問会議とよく調整しながら議論を進め、年内を目途に諮問会議に報告していただきたい」と指示をした。
この日の議題は、「歳出の重点化・効率化(社会保障の在り方)」等。有識者委員は、社会保障給付の徹底した効率化・重点化について、医療や介護等のサービスは、供給体制の効率化と無駄のない需要行動の実現によって、質を落とさずに負担を軽減することが可能としたうえで、効率化には、民の工夫を活用し、集約化による「規模」や複数サービスの同時提供による「範囲」の経済性を発揮することが重要と指摘した。具体的な項目として、①医療提供体制・医療保険制度の改革、②薬価の適切な改定と薬価制度の改善、③介護報酬、認定要件と給付範囲の適正化と事業効率の改善、④生活保護制度の改善等 ――が挙げられた。
このうち、①医療提供体制・医療保険制度の改革としての具体案として、▼国は、医療費適正化に向けたベストプラクティスの標準化、横展開を促すべきであり、そのためにも、2014年度内に策定される「地域医療構想策定のためのガイドライン」において、2040年度までの人口動態を勘案した病床機能別標準病床数等、具体的かつ定量的に提示すべき。また、地域医療構想と整合的な医療費水準(支出目標)や医療提供の目標(平均在院日数、後発医薬品使用率等)を設定し、取組みが加速されるよう医療費適正化計画の枠組みを見直すべき。
▼都道府県は、遅くとも2016年度までに2025年のあるべき病床数を定める地域医療ビジョンとそれと整合的な医療費適正化計画(支出目標等)を定め、提供体制の改革を始動すべき ――と指摘。また、③の介護報酬、認定要件と給付範囲の適正化と事業効率の改善においては、
「介護サービスの収益性は高く、規模の経済性もある。報酬の適正化に加え、事業規模の拡大を通じ、質を落とさずに価格低下、効率化を達成することを目指すべき。認定要件や給付範囲についても、社会保険対象とすべきか否(私的消費としてすべき)か、利用実態に即して見直すべき」とした上で、具体的に、▼介護報酬(サービス価格)の改定に当たっては、高収支率の背景にある事業コストを厳格にチェックし、介護保険料や利用者負担等の国民負担が抑制されるよう、価格の妥当性を検証すべき。加えて、民の工夫や事業者間競争を通じて、新たなサービス提供や価格低下(保険価格以下でのサービス提供)が生まれ、利用者利便が高まるよう、制度改善に取り組むべき、▼社会福祉法人の内部留保に関連した指摘事項(規制改革実施計画)を完全履行すべき。税や社会保険料が原資の内部留保は、その目的に適った事業に充て、国民に還元すべき ――などと指摘している。

医療勤務環境改善支援センター、年度内に26都道府県で設置
《厚生労働省》

厚生労働省は10月23日、平成26年10月1日現在の各都道府県における医療勤務環境改善支援センター(以下、支援センター)の設置状況を公表した。これは、各都道府県が策定し、厚労省へ提出した「医療勤務環境改善支援に向けた年次活動計画」等をもとに、各都道府県における支援センターの設置時期及び運営方式を取りまとめたもの。
これによると支援センターが設置済なのは、10月1日現在で6都県(設置順に、福岡県、岐阜県、三重県、東京都、滋賀県、奈良県)であった。10月中に静岡県が設置し、現在は7都県で支援センターにおいて相談業務が始まっている。今後、平成26年度中に、26都道府県で設置、平成27年度までに、さらに15件が設置される予定である。
この医療勤務環境改善支援が始まった背景には、医療をめぐる状況の変化が挙げられる。少子高齢化で新卒者が減少しつつも、医療ニーズが多様化され、医療スタッフ確保困難や若い世代の職業意識の変化が見られるうえ、医療をめぐる環境については厳しい勤務環境が指摘され、医療の質、医療安全、地域医療確保のためにも、医療スタッフが健康で安心して働くことができる環境整備が喫緊の課題となった。当初、看護師等の「雇用の質」向上のプロジェクトから始まり、看護職のみの取組ではなく医療機関全体の取組へと拡大させ、平成25年8月の「社会保障制度改革国民会議取りまとめ」において「医療従事者の確保と有効活用の観点からは、さらに、激務が指摘される医療機関の勤務環境を改善する支援体制を構築する等、医療従事者の定着・離職防止を図ることが必要である」と明文化された。これらから、本年6月に成立した医療介護総合確保推進法による改正医療法において、医療機関の勤務環境改善システムが制度化されるに至っている。
国(厚労省)は、医療機関の管理者が講ずべき措置の指針を作成するとともに、都道府県の活動をバックアップし、都道府県では医療機関の勤務環境改善を促進するための支援(相談、情報提供、助言、調査等)を実施する。そのために、各都道府県では支援センターを設置し、医師・看護師等の医療スタッフの離職防止や医療安全の確保等を図るため、国における指針の策定等、各医療機関がPDCAサイクルを活用して計画的に勤務環境改善に向けた取組を行うための仕組み(勤務環境改善マネジメントシステム)を基に、「勤務環境改善計画」を策定し、実施、評価等をワンストップで、ニーズに応じて総合的にサポートする。

平成27年度税制改正要望を提出
《公益社団法人日本医師会・四病院団体協議会》

日本医師会と四病院団体協議会は10月30日、平成27年度税制改正要望を提出した。全14項目を挙げ、中でも、消費税に関しては、医療機関等の消費税の税制問題の抜本的解決を図るべく、①社会保険診療等に対する消費税について、消費税率10%時に環境を整備し、速やかに現行制度から軽減税率等による課税取引に転換する等、② ①を平成27年度税制改正大綱に明記するとともに、消費税率を10%に引き上げる際には、医療機関等の設備投資等に係る消費税について、非課税還付等のあらゆる方策を検討し、仕入税額の還付措置を導入する ――と提案した。また、事業税において、医療機関の経営の安定と地域医療の崩壊を阻止するためにも、▼社会保険診療報酬に対する非課税(個人、医療法人共通)、▼自由診療収入等に対する軽減税率(医療法人のみ) ――の特例措置を恒久的に存続すること等を明文化し要望した。

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