ホーム > ブログ > 会長ブログ > もう、名刺交換はするな。(10/22)
こんにちは上田公認会計士事務の上田です。
少しずつ秋も深まり、日中も過ごしやすく一年で一番良い季節になってきました、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
さて今回は、佐藤綾子さんの著書「もう、名刺は交換するな。」についてご紹介したいと思います。いきなり命令口調の題名になっていますが、「必ず『仕事につなげる人脈』のつくり方」という副題が、ビジネスマンの興味をそそるテーマとなっています。
商習慣としての名刺交換は日本が発祥となっているそうですが、私たちはビジネスシーンにおいて毎日のようにいろんな方と名刺交換をします。
実際にその名刺から新たな人脈が生まれることもありますが、ただ交換しただけで終わってしまう、そんなことも多いのではないでしょうか。
「名刺交換の目的は何か?もらった名刺を活かしきれているのか? 活かせない名刺なら交換しないほうがいい」 大切なことは名刺を何枚もらうかではなく、もらった名刺を「どう活かすか」・・このことがこの本のテーマになっています。
著書の佐藤綾子さんは日本の「パフォーマンス学」の第一人者です。「パフォーマンス学」とは日常生活における自己表現の研究のことをいいます。
佐藤さんご自身はニューヨークでこの学問の教育や研修を通じて多くの素晴らしい方々とつながることができたそうです。
1枚の名刺を入り口にして“人脈”という素晴らしい財産を手に入れることができること、そしてその成果をきちんと上げるための「正しい手法」についてこの本は書かれています。
1.「仕事につながる人の見抜き方」
名刺交換の最初の2秒間でやるべきこととは・・
まず名刺の肩書きに左右されないこと、名刺の肩書きがその人のすべてを表しているわけではない。特に元○○と書かれている場合は使えないと思うこと。その人がどんな人かを見抜くヒントは名刺交換をした瞬間に無数に出ているといいます。
名刺交換の際に相手の表情から自分に対する関心度を見抜く、そしてその人の姿勢からその人が「できる人」かどうかを察知する。例えば交流会では相手が誰と話をしているか、会場のどの位置にいるのか・・それらの観察力で名刺交換をするべき人を選ぶ・・ということが大事なことだと言っています。
裏を返せば、自分も様々な方向からいろんな人に見られているという自覚が大切だということですね
2.「名刺からご縁をつくる」
名刺交換をした瞬間から目の前にいる相手と次のご縁をつくれるか、それともそこですべてが終わってしまうかが分かれてしまうといいます。
相手に対して何を質問したら一番喜ばれるのか・・を考えられるかどうかで次の展開が変わる。この判断力を意識的に働かせて相手が「何を話したいのか」を名刺から読みとることができるようになると、名刺を活かせる人になれるそうです。
著者はこのスキルのことを、名刺を使った「ブリッジング技法」と呼んでいます。相手の名刺をパッと見て自分と相手の間に上手に行き来できる橋を架けるスキルのことをいうそうです。名刺交換での人脈つくりには、まさにこの瞬間の判断力と、相手との間に橋を架けるための日ごろの情報収集が「鍵」となるようです。
そして人脈ができる人が必ずやっているという12の絶対習慣が書かれています。
その中で特に気になった次の3つの習慣をご紹介します。
①「会場で『キーパーソン』をみつける。」
交流会会場などに誰も知り合いがいないときでも、先述のスキルを活かしてまずはその会場でのキーパーソンをみつけること。そのキーパーソンがきちんとした人脈を持っていれば、その人脈によって自分の人脈が広がっていきます。
②「常にマインドをコンロールができるよう心掛ける」
たとえ嫌なことがあってもその不満や怒りをいちいち外に発信していてはいい人間関係はつくれない。自分の感情をコントロールし自分の気持ちを切り替えて立ち直る。それができる人に人脈が集まってくるといいます。
自分に突然怒りの感情がこみ上げてきた時には、理由を考えたり、仕返しを考えたりしないで、まずは深呼吸を一つしてから無心で1から10まで数えるという「アンガーコントロール法」の中の「テンカウント法」を試してみる、この方法なら怒りを自然に鎮めることが出来るそうです。
③「相手の聞きたいことを話すこと」
人と仲良くなるためにはとにかく相手の聞きたいことを話せることが大前提、そのためには「話せる引出し」をたくさんつくっておくという大事な作業を忘れてはならないといいます。相手への興味を示し、相手の気持ちを引き出せる話術があってこそ人脈つくりができるということだと思います。
最後に「名刺から入って名刺から出ること」「名刺なしでも尊敬できるその人」を持っていることこそ人生の本当の成功者であると締めくくられています。
名刺交換はあくまでもきっかけであること、そのきっかけどう活かすか、ビジネスシーンだけでなく、日常生活にも生かせる人脈つくりの極意、そしてそれを広げていく極意をこの本から学び取ることが出来ました。今後の人脈つくりの一助として、これからの名刺交換の場に活かしていきたいと思います。