こんにちは上田公認会計士事務所の幸山です
皆さま介護福祉経営士という資格をご存知ですか。
介護福祉士ではなく介護福祉〝経営〝士です!
この資格は一般社団法人 日本介護福祉経営人材教育協会によって創設された民間資格で、これからの介護・福祉事業を担う経営“人財”を育成するための資格制度です。
昨年9月に第2回の介護福祉経営士2級の資格認定試験が行われたのですが、弊事務所からも4名受験し、全員なんとか合格を果たしました。
介護といえば、介護福祉士や社会福祉士、ケアマネージャー、PT、OT、看護師などの資格があります。
介護福祉経営士とはそれらとは異なり、経営者にとって必要な能力を測る資格であり、介護業界で初めて(?)経営に焦点を当てたものなのではないでしょうか。
このような資格が誕生した背景として、私は、介護業界が「過渡期」に入ってきているからだと思います。
介護保険制度が開始してから10年以上経過し、今や『介護』は世間に広く知られるものとなっています。ますます高齢者が増加する中、他事業から介護事業へ参入する会社も増え、介護事業所は飽和状態にあります。
また、利用者のニーズも多岐にわたり、単に決まりきった介護サービスを提供するだけでは、会社として生き残れない時代がもうすぐそこまでやってきています。
にもかかわらず、事業所ごとのサービスの質の格差、慢性的な人材不足、従業員の待遇の悪さなど、いまだに介護業界の課題は多いのです。
これからの時代は、これらの課題を克服しながら、安定した介護経営を行う事が不可欠であり、経営者に求められるのは広い視野を持ち、会社をマネジメントする能力なのではないでしょうか。
我々がこの資格に挑戦したのは介護に特化している会計事務所の担当者として、介護経営とは何かを学ぶ良いチャンスだと捉えたからなのですが、実際にテキストを勉強していると介護福祉政策概論に始まり介護経営史、介護福祉産業論など、少し頭が痛くなるような内容から、介護報酬制度、請求事務など実務に沿ったものまで出題内容はバラエティに富んでいます。
介護福祉経営士1級になると、介護福祉コミュニケーション、マーケティングと経営戦略、医療・介護福祉連携とチーム介護、リーダーシップとメンバーシップ、モチベーションなどなど、いかにも『経営士』らしい内容が続きます。
合格者の顔ぶれを見てみますと会計事務所の職員というのはごく稀で、合格者の半数が介護事業所に勤務する方々です。また、資格別に並べるとケアマネージャー、介護福祉士、ホームヘルパーが上位を独占しており、実際の介護に関わる方々の関心の高さが伺えます。
今はまだまだマイナーな資格ですが、もしかしたら今後、資格の価値も上がってくるかもしれません。是非、皆様もこの機会に受験してみてはどうでしょう。
第一回ケアマネ試験の合格率が40%を超えていたこと(直近の25年の試験では約15%)を考えると、取るなら今のうちかも知れません。
私も26年中には1級の合格を目指します!