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<医院・歯科医院開業と医院経営のヒント>
毎月第2金曜日にお届けいたします。
2007年4月13日 第48号
上田公認会計士事務所発行
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著者へのご意見:uedacpa@mb.infoweb.ne.jp
ホームページ:http://www.uedacpa.com/index.html
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■「頑張る医院・歯科医院を応援します」―発刊の言葉―
こんにちは、上田久之です。
今回で第48号となります。
私どもは300近くの医療福祉機関様の会計顧問・アドバイザーとして
医療福祉機関経営のお手伝いをしてまいりました。また、200以上の
医院・歯科医院の開業のご支援をさせていただきました。
その中でいろいろな問題に直面し、お医者様と一緒に問題を解決
していく中で、様々なノウハウを蓄積してまいりました。
今後も診療報酬の引き上げは望めないこと。病院における
勤務医のポスト不足から開業ラッシュが今後5年程度は続くと
予想されること。
マッサージやサプリメントなどの医療の代替サービスとの競合も
激しくなること。
さらに、支払側の財源不足から保険請求の電子化要求、
ジェネリック医薬品の使用拡大等が進むと考えられます。
また、医療保険給付の免責制も導入される可能性があると思われます。
以上のような厳しい状況の中で診療所の経営を安定軌道に乗せる
ためには何が必要かを考えてみましょう。
この多難な時代の幕開けに当たって、私どもが今までに蓄積して
きたノウハウを1人でも多くの医療関係者の方のためにほんの少し
でもお役に立てれば幸いです。
私たちは「頑張る医院・歯科医院」を応援します。
上田公認会計士事務所 上田 久之
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<今回の目次>
【医院・歯科医院開業と医院経営のヒント】
【次回の無料相談会】
【特典の紹介】
【スタッフ紹介】
【新規開業セミナーDVDのご案内】
【姉妹編メルマガの紹介】
【次回の予告】
【編集後記】
【感想をお寄せください】
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■広告規制の緩和
厚生労働省では医療情報のあり方等に関する検討会が進んでいます。
この3月2日には第4回の医療情報の提供のあり方等に関する検討会が
開かれました。
そこでは「広告規制についての医療法関連規定」「広告の方法及び
内容に関する規制について」「広告規制についての医療法関連規定
対応表」「医療広告ガイドライン案」「医療広告ガイドライン案
概要」などが検討されました。
基本的な方向としては広告規制を大きく緩和していくことに
変わりはありません。
患者さんは、医療機関を選択するときの情報に飢えています。
あるアンケートによれば患者さんの求めている情報の上位20項目は
下記のようになっています。
インフォームドコンセント
所在地
診療日・診療時間
診療科目
医師の得意(専門)分野
医療設備・機器
患者の評判
医師・看護師等の接遇態度
平均待ち時間
専門医療機関への紹介
予約制度
施設の外観・内装・清潔感
救急の受け入れ体制
健康・疾病予防等に関する相談
カルテ等診療記録の開示
差額ベッド代
病院・院長・担当医の診療方針
医療事故防止への取組み
医師の経歴
セカンドオピニオン
こういう患者さんが求める情報を小冊子、パンフレット、ホームページ
スタッフの声がけなどを的確に活用して、患者さんに満足感を与える経営が
これから一層重要になってくるといえます。
その中で、いかに的確な経営戦略を立て、集患を図るかが
院長の腕の見せ所になってくるでしょう。
このメルマガの読者には有益な情報をどんどん提供したいと
思います。
今後ともご愛顧のほど宜しくお願いいたします。
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■【医院・歯科医院開業と医院経営のヒント】
まずは、開業から話を始めますが、その中で既に開業している
先生方にも参考になるチェックポイントを取り上げております。
今回は、スタッフ採用のポイントの続きです。
名医の条件は知識、技術、態度といわれます。
いいスタッフの条件も同じです。この3つの要素の
バランスが必要です。
<前回の目次>
5.スタッフ採用のポイント
5-1 採用計画
5-1-1 職種、資質、人数、給与、常勤かパートか
5-2 条件の明示
5-2-1 保険関係、給与、労働時間、有給休暇、初回の賞与、
服務規律、労働法規の理解が必要、交通費
5-3 募集と面接
<今回の目次>
5.スタッフ採用のポイント
5-4 よくでる不満
5-4-1 前の職場と扱いが違う
5-4-2 103万円以内に抑えたい
5-4-3 入社前に聞いていた条件と違う
5-4-4 労働規則が守られていない
5-4-5 忙しいときに人を増やしてほしいと言われる
5-5 個人情報保護を遵守させる
5-6 性格テストの活用
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今回はスタッフ採用のポイントの2回目です。
診療所はサービス業であると言う原点からもう一度スタッフ
に求められる資質を検討してみましょう。
診療所では患者さんと一番長く話をするのはお医者さんですが
、一番長く時間を過ごすのは待合室です。従って、待合室での
印象が診療所のサービスの質の大きな決定要因であると考えら
れます。
基本的に診療サービスの価格はどこの診療所でもほぼ同じです。
従って、差別化を図るためにはサービスの質の向上が必要です。
待合室では、受付のスタッフと呼び出しにきた看護師さんの
態度がよくわかります。
従って、診療所の待合室にいる間に患者さんはスタッフの動作や
言葉遣いを無意識の内に観察しています。
診療所のスタッフを強制的に働かせることはできません。態度
とは本人の意識から発するものです。
すなわち、スタッフの態度を変えるためにはその意識を変える
必要があると言うことになります。
ではスタッフの意識を変えるためには何が必要でしょうか。
あるいは、スタッフの意識を良好に保つためには何が必要で
しょうか。
それはスタッフの不満を解消することと経営理念を理解して
もらうことです。
まずよくでる不満には次のようなものがあります。
1、前の職場と扱いが違う
2、103万円以内に抑えたい
3、入社前に聞いていた条件と違う
4、労働規則が守られていない
5、忙しいときに人を増やしてほしいと言われる
まず、前の職場と扱いが違うという不満について考えてみま
しょう。
職場が変われば環境も待遇も異なるというのは自明のことで
あり、それは誰でも知っていることです。それにもかかわらず
不満がでるということは、コミュニケーションが不足している
ということです。
すなわち、事前に当診療所ではこんな考え方でやっていきます。
また、こんな方針で仕事を進めていきますということが十分に
伝わっていなかったことが不満の原因と考えられます。
不満とは期待と現実とのギャップです。
現実を思うように変えることはできません。しかし、期待すな
わち本人の思い込みは事前に適切な説明を行うことによって
回避できます。すなわち、コミュニケーション不足が不満の
原因というわけです。
次に、年収を103万円以内に抑えたいという不満です。
しかし、これは実は不満ではありません。希望です。
ご主人の扶養家族になっている場合、年収が103万円を超え
ると所得税がかかったうえに配偶者控除を受けられなくなります。
また、ご主人が会社で家族手当をもらっている場合などはそれさえ
も支給されない場合があるので、収入を103万円以下に抑えたい
ということです。勤務時間を調整して希望をかなえてあげましょう。
次は、入社前に聞いていた条件と違うという不満です。
しかし、これも実はコミュニケーション不足です。
入社前の説明が不足していたか、説明したけれども本人が聞き逃
したかのどちらかです。その対策としては、以前の号でも
述べたように労働条件を「労働条件通知書」という文書ではっきり
と通知しておくことと口頭で念を押すことで防止することができます。
次は、労働規則が守られていないという不満です。これはもう不満
の域を超えて法律違反の問題です。
最近は、労働基準監督署の指導はかなり厳しくなって来ているよう
です。また、働く人の意識も大きく変わり権利はしっかりと主張す
るようになって来ています。ここで、原点に帰って考えてみる必要
がありそうです。
もし法律違反を犯しているならば、労働基準監督署に告発されたら
是正しなければなりません。そのときには過去2年間に遡って割増
賃金を支払わなければいけないなどということになります。
そうすると、賃金を計算しなおすだけでもたいへんな労力とエネル
ギーが必要になります。そのうえ、労働基準監督署の職員と折衝し
たり本人に確認したりと非常に手間がかかります。
非常な手間をかけて払うものを払ったとしても、スタッフの士気の
低下はまぬかれません。一度失った信頼を取り戻すのにはこれまた
長い時間がかかります。
結局、法律違反は高くつくのです。
もし、労働規則が守られていないという不満が出たら、すぐに誠実に
対処してスタッフの信頼を維持することが大切です。
次に、忙しいときに人を増やしてほしいと言われるという不満です。
これは重要な経営判断です。
正社員一人を雇うことは3000万円の投資と考えましょう。まず、
忙しさの原因を分析する必要があります。忙しさが一時的なものだと
判断されるなら正社員を入れてはいけません。
残業をお願いするか短期のアルバイトを雇うか派遣労働者を入れるか
を考えます。
その場合は当然スタッフにもその旨を伝え理解を得ることが重要です。
「忙しいのはこの時期だけだから申し訳ないが残業してください」と
いうように。
個人情報の遵守については、以前の号で詳しく述べましたので
今回は省略いたしますが、絶対にすぐ実行しておくことはすべての
スタッフと「秘密保持契約を結んでおく」ことです。
では、いよいよ「スタッフの採用のポイント」の最後の項目「性格
テストの活用」です。
性格テストに関しては少し費用がかかりますがぜひ検討していただき
たいものです。たとえば、極端に組織になじみにくい人の判別や応募
者が多いときの選別などには役に立ちます。一人3000円前後で実
施できます。
以上はスタッフの不満を解消することを述べてきました。
しかし、それだけでは十分ではありません。
スタッフの不満を解消することは大切ですが、それ以上に大切な
ことは経営理念を浸透させることです。
こんなたとえ話があります。
ある人がつかれた顔でレンガを積んでいました。通りがかった人が
その人に「何をしているんだい」とたずねました。
すると、そのレンガ積みの職人は答えました。
「見てわかるようにレンガを積んでいるのさ」
今度は生き生きと働いている別のレンガ積みの職人に同じことを
聞きました。
すると、その職人はこう答えたのです。
「皆がお祈りできる立派な教会を建てているんだよ」
この話でわかることは人間には大きな使命を理解する能力がある
と言うことです。
そして、その大きな使命を理解したとき人間はとても大きな力を
発揮すると言うことです。
診療所の経営理念を全員に浸透させましょう。
以上
<続く>
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■4月と5月の無料相談会
4月 14日 (土)
4月 21日 (土)
5月 12日 (土)
5月 19日 (土)
※午前10時から午後4時まで
大阪市中央区道修町1−7−10 扶桑道修町ビル3F
上田公認会計士事務所にて
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■【特典の紹介】
特典1 下記のガイドブックを無料で進呈!
「Q&A診療所の新規開業ガイドブック」
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→ http://www.uedacpa.com/present.html
「新医療法人制度への対応ガイドブック」
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立地相談(阪神間)、開業準備のタイムテーブル、開業時の税務、
資金調達のポイント、開業後の収支予測 、スタッフ採用のポイント
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■新規開業セミナーDVDのご案内
2005年2月に大好評で行われました『新規開業セミナー〜成功する
新規開業の条件〜』のDVDを販売することになりました。これから
医院・診療所の開業をお考えのドクターにお薦めいたします。
数量限定の特別版となっておりますので、是非、この機会に
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【特徴】
1、開業に必要なポイントを幅広く網羅。
2、豊富な開業支援の経験を持つ講師陣が分かりやすく解説。
3、テロップ表示で分かりやすくなっております。
【内容】(講師)
1.開演挨拶(上田 久之)
2.新規開業のタイムスケジュール(相松 透)
3.開業好適地選びのポイント(相松 透)
4.診療所設計と建築のポイント(尾崎 敏明)
5.開業計画作成のポイント(田中 猛)
6.資金調達のポイント・銀行のご紹介(梅田 秀樹)
7.スタッフ採用のポイント(坂本 武)
8.開業に関する税務(上田 久之)
9.診療所と介護保険事業(相松 透)
10.閉会の挨拶(上田 久之)
※1〜5…1枚目収録、6〜10…2枚目収録
【仕様】
・DVD2枚組み(180分)
・セミナーレジメ同梱
【価格】
21,000円(送料、消費税込み)
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■姉妹編メルマガの紹介
「歯科医院経営のヒント」(創刊日:2005年6月10日)
歯科医院の経営に役立つノウハウを上田公認会計士税理士事務所が
毎月第2金曜日にお届けいたします。
購読のお申し込みはこちらから
→ http://www.mag2.com/m/0000156565.htm
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【次回の予告】
1、【医院・歯科医院開業と医院経営のヒント】
2、【次回の無料相談会】
3、【スタッフ紹介】
4、【セミナー情報】
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【編集後記】
<医院・歯科医院開業と医院経営のヒント>もおかげさまで第48号を
迎えることができました。
これも読者の方々のおかげと感謝いたしております。
この4月から診療報酬が3.16%引き下げられましたが、収入を維持
するためには増患と増収が必要です。
開業や増患増収でお悩みの院長は上田公認会計士事務所に
ご相談ください。
300件以上のクリニックを成功に導いてきたノウハウがあります。
土曜日に無料相談会を実施しております。
まずはお電話ください。
06−6222−0030 まで。
患者様と社会生活の向上に貢献できる医業経営を
皆様とともに追求していきたいと思いますので
今後ともよろしくお願いいたします。
※来月から本メルマガを毎月1回(第2金曜日)の発行に変更いたします。
引き続きご愛読を宜しくお願い致します。
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【感想をお寄せください】
このメルマガの内容に関して皆様方のご感想やご意見をお待ちして
います。皆様方と共に成長していくために疑問や質問等どんなご意見
でもいただければとてもうれしく存じます。
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<発信者>
上田公認会計士事務所 上田 久之
大阪市中央区道修町1−7−10 扶桑道修町ビル3F
TEL 06−6222−0030
FAX 06−6222−0038
ホームページ http://www.uedacpa.com/index.html
MAIL uedacpa@mb.infoweb.ne.jp
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