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ウェルフェア・レポート 2015年4月24日号

2015/4/28

医療保険制度改革関連法案が審議入り ~衆院本会議

国民健康保険の運営主体を都道府県に移すことを柱とする「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(医療保険制度改革関連法案)」が4月14日、衆議院本会議で審議入りし、塩崎恭久厚生労働相の趣旨説明に続いて質疑を行った。
塩崎厚労相は同法案の内容に関し、▼都道府県が市町村と共に国保の運営を担い、国保の財政運営の責任主体として安定的な財政運営や効率的な事業の確保などの事業運営において中心的な役割を担うことにより、国保制度の安定化を図る、▼後期高齢者支援金について、より負担能力に応じた負担とし、被用者保険者相互の支え合いを強化するため、被用者保険者の後期高齢者支援金の額のすべてを標準報酬総額に応じた負担とすると共に、高齢者医療への拠出金負担の重い保険者の負担を軽減する措置を拡充する――などと説明した。

■「介護サービスが縮小する懸念がある」── 民主・岡本議員
質疑では、岡本充功議員(民主)が「この4月で消費税が8%に引き上げられ1年が経った。社会保障の充実と安定化のために引き上げられたにもかかわらず、その充実を国民は感じていない」と強調。「その一例が介護サービスだ。安倍政権は今年度から介護報酬を2.27%も引き下げた。介護事業所の閉鎖や人員削減などが相次ぐ恐れがある。また、今年度から“要支援切り”が段階的にスタートする。市町村に移管するに当たって財源の伸びを抑制することを念頭に置いており、介護サービスが縮小する懸念がある。必要なサービスを受けられない高齢者が大幅に増える今年は“介護崩壊元年”ともなりかねない」と指摘し、介護事業所でサービス開始の申請の取り下げ、また、既存の事業所の廃止は昨年度末現在、厚労省は何件把握しているか。また、そこでサービスを受けていた高齢者の人数および受ける予定の人数は何人だったか。今後とも多くの高齢者がサービスを受けられなくなる実態が起こり得ると考えられる。十分に把握していないのであれば、都道府県や市町村を通じて実態調査を行うべきと考える――と質問した。

■「多様な主体によるサービスの充実を図る」── 塩崎厚労相
塩崎厚労相は「介護保険の見直しと実態把握についての質問があった」として、今改定について「中重度の要介護者などに質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬を支払うと共に、全体としては事業者の経営に必要な収支差が残るように配慮している。また、要支援者のサービスについては多様な生活支援のニーズに対応するため、市町村を中心とした支え合いの体制づくりを推進する総合事業により、NPOや民間企業など多様な主体によるサービスの充実を図ることとしている」と答弁。実態調査に関しては、「事業所の廃止件数や当該事業所でサービスを受けていた人数などについては把握していないが、介護給付費実態調査等によるサービスごとの請求事業所数などの月別の推移を通じて、全国の介護サービスの状況についてしっかりと見ていく」と述べた。

■「診療報酬改定、予算編成過程で検討」── 麻生財務相
また、岡本議員は「財務大臣には、過度な診療報酬の削減は医療崩壊につながるとの認識があるか。来年の予算編成で当初から報酬削減する前提ではない旨の確認を求める」などと質問。麻生太郎財務相は「診療報酬改定の在り方については、物価、賃金の動向、医療機関の経営状況、保険料や公費にかかわる財政状況、窓口負担、保険料負担、税負担などいろいろな国民負担の在り方、社会保障制度改革をめぐる議論の現状、状況などを踏まえながら、平成28年度予算の編成過程において検討したいと考えている」と述べるにとどまった。

国保の都道府県移管「介護保険との連携に齟齬 心配ない」 ~衆院厚労委で塩崎厚労相

衆議院厚生労働委員会は4月17日、「医療保険制度改革関連法案」の質疑を開始した。塩崎恭久厚生労働相は国民健康保険の都道府県移管に伴う医療と介護の連携に関する質問に対し、「介護保険との連携に齟齬(そご)をきたす心配はない」との考えを示した。
足立康史委員(維新)が「医療と介護は市町村が基本的に保険者としてやってきた。今回、医療だけ都道府県が中心的役割を果たすようになると、医療保険と介護保険の間の連携に齟齬が出るのではないかと心配している」と指摘。「地域包括ケアという形で医療と介護がシームレスにというか、地域で連携しながら保険者機能をきちんと機能させていくのが本来の在り方と思うが、介護保険との連携は大丈夫か」と答弁を求めた。塩崎厚労相は「今回の改革で都道府県を国保の財政運営の責任主体とする一方、地域におけるきめ細かい事業については引き続き市町村が担うことになっている」とした上で、「市町村には引き続き、最も身近に住民と接している中、保健事業、地域包括ケアシステム構築のための医療・介護連携等に取り組んでいただきたいと考えている。国保の運営の担い手として市町村から都道府県に移ることで、介護保険との連携に齟齬をきたさないかということだが、心配はないのではないか」と答えた。

介護福祉士と保育士の資格統合「中長期的な課題」 ~衆院厚労委で塩崎厚労相

塩崎恭久厚生労働相は4月15日の衆議院厚生労働委員会で、介護福祉士と保育士の資格統合に関する質問に対し、14日に設置した「介護・福祉サービス・人材の融合検討チーム」を紹介し、「中長期的な課題」との認識を示した。

保育士と介護福祉士(等)の資格の統合をめぐる質疑(抜粋)

柿沢未途委員(維新)「『高齢者介護と乳幼児保育、同時にできない』との声」
介護福祉士と保育士の資格を統合し掛け持ちできるようにしたらどうかという議論が出ているのか。報道によると、厚労省内で検討チームも設置されたということだが、保育も介護も、子どもとお年寄りの違いはあっても、対人生活支援サービス、同じだから、こういうわけかもしれないが、出だしの評判はすこぶる芳しくない。現場の従事者から、こんな声が噴出している。「高齢者の介護と乳幼児の保育を同時にできるはずはない」「厚労省は何を考えているのか」「現場を知らない机上の理論」。ネット上では軽い炎上状態になっている。介護福祉士と保育士の資格の統合は本当にやるのか。検討状況について伺いたい。

塩崎厚労相「資格の活用方策などの論点を整理し、できることを中心に」
いかに報道がミスリーディング(している)かという典型みたいな話で、必ずしも報道の見出しどおりのことが進んでいるわけではないことは言っておかないといけない。いずれにしても人口が減っていく中、そして、東京一極集中ということで地方創生をわれわれはやっているが、人口減少が地方で特に起きている。福祉サービスの担い手不足ももちろん、高齢者、障害者、児童、こういったところでいろいろと支援するサービスを一体的に提供したり、福祉の人材をできる限り有効に活用していくことは大変重要な課題になっていることは委員も認めると思う。こういう問題意識から、「まち・ひと・しごと創生サポートプラン」という橋本政務官がまとめたものがあり、その中で介護・福祉サービスを融合させる推進方策と共に、これらのサービスの担い手となる専門職種を連携させる方策を検討するための検討チームを省内に設置する必要性が提案された。これを踏まえ、14日、省内に「介護・福祉サービス・人材の融合検討チーム」を設置した。このチームは、こういう資格の活用方策などの課題や論点の整理を行って、すぐにできることを中心に5月中に一次的な取りまとめを行う。そして、指摘があった資格の統合については、これは試験がバラバラだし、養成課程もそれぞれであり、そういうところにも影響を大きくするわけであり、これは中長期的な課題として認識しているところである。

橋本岳・厚労大臣政務官「介護士等不足の問題解決には別の取り組みがある」
要は、(約900の自治体が消滅する可能性がある)2040年とか、そうした先のことを考えたとき、いずれ地方部等でそうしたサービスをきちんと提供していくことがだんだん難しくなってくるようなことが考えられる状況で、先ほど取り上げていただいたようなことも検討をいずれしていく必要があるのではないかといった問題意識に立ったものであり、今、介護士が不足している、保育士が不足しているとか、そうしたことの問題解決に対しては、また別の取り組みがあるだろうと思っている。

一般会計の総額96兆円、過去最大の平成27年度予算成立 ~参院本会議

一般会計の総額が96兆3,420億円と過去最大の平成27年度予算(案)が4月9日の参議院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。
採決前の討論では、水岡俊一議員(民主)が反対の立場から討論。政府予算案に対し、「介護報酬の大幅引き下げや子育て給付金の減額など国民生活に直結する歳出が容赦なく削減されている。雇用の足を引っ張る外形標準課税の拡大などの税制改正と相まって消費低迷、格差拡大に一層拍車をかけてしまう」と批判した。一方、岡田広議員(自民)が自民、公明両党を代表し、賛成の立場から討論。今回の介護報酬改定について、「介護職員の処遇の改善や良好なサービスに対する加算を行いつつ、一方では介護保険料の上昇の抑制を行う等、利用者負担の軽減を図っている」と述べた。

検討課題として「経済・財政」と両立する社会保障を提示 ~社会保障制度改革推進会議

政府の社会保障制度改革推進会議(議長=清家篤・慶應義塾長)は4月10日、昨年11月から約5カ月ぶりとなる第4回会議を開いた。
消費税率引き上げ延期を踏まえた社会保障制度改革のスケジュールと、国会審議中の「医療保険制度改革関連法案」に続き、宮島俊彦・内閣官房社会保障改革担当室長が「当面の検討課題」を提示。「制度横断的な観点から大きく6つの柱を整理した」などとして、①人口の「高齢化」に対応する社会保障、②「経済・財政」と両立する社会保障、③「地域に相応しいサービス提供体制の構築」や「地域づくり・まちづくり」に資する社会保障、④その他「制度横断的」な課題――などを示した。検討の視点として、②では「経済・財政とのバランスや制度の持続可能性の確保といった観点から給付と負担の在り方をどのように考えるか。少子高齢化が進展する中で、需要が増大する医療や介護にかかわるマンパワーをどう確保していくかというような観点」などと説明。③では「病床機能の分化や連携、地域包括ケアシステムの構築などのサービス提供体制をどう考えていくか。その際、地域づくり・まちづくりとの関係をどう考えるのかといった視点、さらには、住まいや移動などのハード面の整備、サービスの連携といったソフト面の整備を含めたまちづくりとの関係をどう考えるかといった視点」などと述べた。
宮下一郎・財務副大臣は「国民皆保険制度を維持していくには、団塊の世代が後期高齢者になり始める直前の2020年までに受益と負担の均衡の取れた制度にしていくことが不可欠。制度横断的な観点からさまざまな制度改革を積み重ねていく必要がある。とりわけ財政当局としては経済・財政と両立する社会保障という観点が重要と考えている。公的な給付範囲の見直しやサービス単価の抑制を含む給付の適正化について議論を深めていただきたい」などと述べた。

消費税10%時対応ほか次期改定への検討項目(案)等提示 ~厚労省

厚生労働省は4月23日に開いた社会保障審議会介護給付費分科会で、今改定を踏まえた次期改定への検討項目(案)とスケジュール(案)、介護報酬改定検証・研究委員会の調査項目(案)を示し、概ね了承を得た。次期改定への検討項目(案)は、次期改定が診療報酬改定と同時改定の予定であることも見据え、「平成27年度介護報酬改定に関する審議報告(1月9日)」に記載された事項も含む課題に対応することを基本に、随時必要な検討等を行うものとして、①地域区分の在り方、②処遇改善加算の取得状況等、③介護事業経営実態調査の在り方――を示したほか、平成29年度の消費税10%引き上げに向けた対応について、「8%引き上げ時の考え方及びその後の事業所等の実態等を踏まえ、必要な対応を検討し、28年12月までに方針を策定」としている。
また、27年度の予算編成がずれ込んだ影響で、2月6日の分科会では、▼4、5月サービス分=形式審査のみを行い支払い、▼6月以降サービス分=通常通り支払い――としていたが、審査支払システムの改修が実現する見込みとなり、4月以降サービス分を「5月以降、通常通り支払い」とできることが示された。

介護雇用管理改善等計画の全部改正案」を答申 ~厚労省の労働政策審議会

厚生労働省の労働政策審議会(会長=樋口美雄・慶應義塾大商学部教授)は4月13日、「介護雇用管理改善等計画の全部改正案」を塩崎恭久厚労相に答申した。厚労省は「答申を踏まえ、平成27年度から実施する介護雇用管理改善等計画を作成し、介護労働者の雇用管理の改善等に取り組んでいく」としている。「介護雇用管理改善等計画」は冒頭、介護従事者の厳しい労働環境に触れた上で、介護事業者について「労働基準関係法令等の遵守、雇用管理改善等に十分に取り組むことができていないことなど、雇用管理面での課題がある」と問題視。さらなる雇用管理の改善や能力開発等を図っていく必要性を指摘している。

サ高住検討会「中間とりまとめ」の成案を公表  ~国土交通省

国土交通省は4月15日、「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会」の中間とりまとめの成案を公表した。冒頭、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の登録戸数が順調に伸びていることを挙げながらも、「地価の安い地域に立地する傾向がある」などの課題を提示しているほか、「今後の取り組むべき対策」として、①サ高住の立地の適正化、②サ高住の質の向上、③介護サービス利用の適正化――など5項目を挙げ、最終とりまとめに向けて「検討を進める」としている。

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