ホーム > ブログ > 公益法人ブログ > 収益事業判定の文書回答について
みなさん、こんにちは。
上田公認会計士事務所の前本です。
東京国税局が「非収益事業の用に供したアルミ板を処分した場合の法人税法上の取り扱いについて(文書回答事例)」を公表しました。
今回の質問を平たく言うと、非収益事業から生じたアルミ板を売却処分した場合、その売却益は法人税法上の収益事業に該当し課税されるのか、ということです。
公益法人等は、法人税法上の収益事業を行う場合に限り、その事業により生じた所得に対して、法人税が課されます(法人税法第4条第1項、第7条)。
通常、物を販売した場合は、物品販売業となり、収益事業に該当します。
今回の事例は、非収益事業から生じたアルミ板を売却する行為が物品販売業に当たるのか、という質問でした。
回答は、収益事業に該当しないというものでした。
なぜなら、アルミ板は売却目的で取得したものでは無く、非収益事業に付随して取得し、売却処分したものであり、公益法人等の行う事業が収益事業に該当しないのであれば、その事業に付随して行われる行為についても、独立した事業と判断されるものを除いて、収益事業に該当しないと判断されるからです。
この点について、物品を売却していれば、何でも収益事業と解釈して、税務申告を行っている公益法人様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の事例を参考にしていただき、収益事業かどうかを改めて検討することも必要かも知れません。
今回の内容で何か気になることがあれば、弊事務所公益法人担当者(松井・若山・前本・恒田)までお尋ね下さい。