ホーム > ブログ > 公益法人ブログ > FAQの改定について
みなさんこんにちは、上田公認会計士事務所の恒田です。
「公益法人の会計に関する研究会」が、「公益法人の会計に関する諸課題の検討について」という報告書を発表しました。
それに伴い、内閣府FAQも大幅に追加・改定されました。
今回は、その中から収支相償についての追加FAQを1つご紹介します。
収支相償エラーが発生し剰余金が生じた際、公益目的保有財産として金融資産を取得することが認められるかどうかという論点についてのFAQです。
そもそも、公益目的保有財産の対象としては原則として実物資産が考えられています。公益目的保有財産として金融資産の取得を無制限に認めてしまうと、その結果内部留保が無制限に累積し、収支相償や遊休財産の保有制限を潜脱するおそれがあるためです。
この点、無制限に内部留保を累積しないという条件付きで、公益目的保有財産として金融資産を取得することが認められることになりました。
今回の追加FAQでは以下①~④の内容を確認することにより、金融資産を取得することの必要性と合理性について確認することとしています。
①事業拡大に関して、実物資産ではなくて金融資産を取得して業務を拡大する必要性が明確なこと
②事業拡大の内容は具体的になっており、それが事業計画等として法人において機関決定等(理事会等の承認、決定)を受けていること
③運用する金融資産について、その内容及びこれから生じる運用益の見込額が妥当であること並びに運用益が事業拡大の財源として合理的に説明できるものであること(拡大する費用と運用益のバランスが適当であること)
④その他、事業の財源として、剰余金を用いることについて望ましい理由があること
これらはあくまでも一例ですので、個別案件ごとに金融資産を取得することの必要性と合理性について確認することが必要です。
詳しくは弊事務所公益法人担当者(松井・若山・前本・恒田)までお尋ね下さい。