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介護経営情報 2015年6月11日号

2015/6/17

◆介護費用9兆1,734億円―前年度比4.8%増
2013年度「介護保険事業状況報告」を公表
――厚生労働省

厚生労働省は6月5日、2013年度の「介護保険事業状況報告(年報)」を公表した。介護保険の被保険者・サービス利用者・保険給付などの状況について、保険者(市町村等)からの報告数値を全国集計したもの。被保険者に関しては、介護保険制度には40歳以上が加入し、「第1号被保険者(65歳以上)」と「第2号被保険者(40~64歳)」に分けられ、主に給付(介護サービス)を受けられるのは要介護(支援)認定を受けた第1号被保険者。

報告の概要・要点は次の通り。(厚労省まとめ)

平成24年度 介護保険事業状況報告(年報)のポイント(厚労省)

1、1号被保険者数
24年3月末現在     25年3月末現在     対前年度
2,978万人      3,094万人      +116万人、+3.9%増

2、要介護(要支援)認定者数
24年3月末現在     25年3月末現在     対前年度
531万人        561万人        +31万人増、+5.8%増
※ 東日本大震災の影響により、22年度の数値には福島県内5町1村の数値は含まれていない。

3、第1号被保険者に占める要介護(要支援)認定者の割合(認定率)
24年3月末現在     25年3月末現在     対前年度
17.3%        17.6%        +0.3ポイント増

4、サービス受給者数(1ヶ月平均)
23年度         24年度         対前年度
434万人        458万人        +24万人増、+5.5%増
※ 東日本大震災の影響により、22年度の数値には福島県内5町1村の数値は含まれていない。
※ 東日本大震災の影響により、22年度の数値には福島県内5町1村の数値は含まれていない。

5、保険給付(介護給付・予防給付)
(1)費用額
23年度累計       24年度累計       対前年度
8兆2,253億円    8兆7,570億円    +5,317億円増、+6.5%増
(注)高額介護(介護予防)サービス費(以下、「高額介護サービス費」という)、高額医療合算介護(介護予防)サービス費(以下、「高額医療合算介護サービス費」という)、特定入所者介護(介護予防)サービス費(以下、「特定入所者介護サービス費」という)を含む。

(2) 給付費(利用者負担を除いた額)
23年度累計       24年度累計       対前年度
7兆6,298億円    8兆1,283億円    +4,985億円増、+6.5%増

(注)高額介護サービス費、高額医療合算介護サービス費、特定入所者介護サービス費を含む。
(参考1)年度別給付費の推移
(参考2)年度別(居宅、地域密着型、施設別)給付費の推移(1ヶ月平均)
※ 東日本大震災の影響により、22年度累計の数値には福島県内5町1村の数値は含まれていない。
※ 東日本大震災の影響により、22年度の数値には福島県内5町1村の数値は含まれていない。

6 第1号被保険者1人あたり給付費(介護給付・予防給付)
23年度         24年度         対前年度
256千円        263千円        +7千円増、+2.5%増

7 第1号被保険者の保険料収納額(現年度分)
(1)収納額
23年度分        24年度分        対前年度
1兆4,030億円    1兆7,411億円    +3,381億円増、+24.1%増

(2)収納率(再掲:普通徴収)
23年度分        24年度分        対前年度
98.5%(85.6%) 98.5%(87.0%) -0.05ポイント
・ 収納率が100%保険者 … 28保険者 (全保険者に占める割合は1.8%)

8 介護給付費準備基金の積立状況
23年度末        24年度末        対前年度
2,848億円      3,123億円      +275億円
(1,452保険者)   (1,503保険者)   (準備基金を保有している保険者)
(参考)財政安定化基金の貸付状況

・・・・・・・・23年度末現在   24年度末現在   対前年度
貸付金額    938億円     951億円     +13億円増
既償還金額   816億円     859億円     +42億円増
貸付残額    122億円     93億円      -29億円減
※ 東日本大震災の影響により、22年度の数値には福島県内5町1村の数値は含まれていない。

<概要の説明>
要介護度別の構成比を見ると、軽いほうから要支援1が14.0%、要支援2が13.7%、要介護1が19.0%、要介護2が17.6%、要介護3が13.1%、要介護4が12.1%、要介護5が10.4%で、構成比は前年度とほぼ同じ傾向。

また、2013年度の居宅(介護予防)サービス受給者数は累計で4,290万人、要介護度別では要介護1が全体の22.0%を占め最多となり、軽度(要支援1~要介護2)の受給者で71.4%を占めた。地域密着型(介護予防)サービス受給者数は累計で424万人、要介護度別では、要介護3が24.8%ともっとも多く、重度(要介護3~要介護5)の受給者で55.8%にのぼる。
保険給付をみると、介護費用は9兆1,734億円で、前年度比4.8%増の4,164億円増加。給付費は8兆5,121億円で前年比4.7%増の3,837億円増加。サービス別の1人あたり給付費(1カ月平均)は介護療養型医療施設34.9万円がもっとも多く、介護老人保健施設(老健施設)26.4万円、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護24.9万円、介護老人福祉施設(特養老人ホーム)と認知症対応型共同生活介護各24.8万円の順だった。

◆地方自治体202のうち北海道31、長野県14、推進の意向
年内まとめに向け日本版CCRC実現に論点詰める 内閣府
――内閣府

内閣府は6月1日、「日本版CCRC構想有識者会議」(座長=増田寛也・東京大学公共政策大学院客員教授、元総務相)を開催し、5月14日の前回会合で提示された「日本版CCRC構想の素案」について討議した。
CCRC(Continuing Care Retirement Community)は米国で普及している高齢者コミュニティ。米国には約2,000カ所(推定居住者数75万人)のCCRCがあるという。健康なうちから入居することや、地域への開放性を備えるなどの点で、従来の高齢者向け施設とは異なる。政府は、これを参考にした日本版CCRCにより、東京から地方への高齢者の移住を促進し、地方創生につなげたい考え。

この日、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局は、健常時から高齢の要介護時まで移転することなく継続して暮らせる複合型コミュニティの日本版となる「日本版CCRC」についての地方自治体調査の結果を発表した。約1割の地方自治体(202)が関連の取り組みを推進する意向で、約4%が地方版総合戦略に盛り込む予定としている。

調査は内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が、全都道府県・市区町村1788を対象に3月26日から4月15日にかけて実施した。 調査結果によると、日本版CCRC関連の取り組みを推進する意向が「ある」のは202自治体(11.3%)で、「ない」もほぼ同数の199自治体(11.1%)。残りは「今後考える」(77.6%)で、多くは様子見であることがうかがわれる。また、「ある」のうち75自治体が、地方版総合戦略に「盛り込む予定」と回答した。
地域別では、202団体のうち北海道が31、長野県が14と多かった。地方版総合戦略に盛り込む予定の自治体でも、北海道が10、長野県が5と目立っている。今後のスケジュールについては、33自治体が「既に取り組みを開始」、29自治体が「2015年度中に開始予定」、7自治体が「2016年度以降に開始予定」と回答した。

日本版CCRCの素案は、「基本コンセプト(移住の支援、健康でアクティブな生活の実現など7項目)」と「具体像(名称、入居者、対象地域、サービス提供、生活・居住環境の確保、事業運営)」などが2本柱。今回は、7~8月に予定される中間報告に向け、「もっと深堀りが必要な論点」として、次の事項などが示された。
● 入居者(構想段階から意見交換の場に参画する取り組みの確保など)。
● 対象地域(立地、広さ、居住環境といったコミュニティの具体的なイメージ、魅力的なコミュニティを形成するための取り組みなど)。
● サービス提供(移住希望者に対する支援、健康でアクティブな生活を目指すための「目標思考型」支援プランの具体像、継続的なケアの確保など)。
● 生活・居住環境の確保(地域住民や多世代が交流できる拠点の整備、自立生活ができる居住環境の具体像、空き家など地域資源を活用する方策など)。

なお、有識者会議では、2015年内をめどに「日本版CCRC構想」の取りまとめを予定している。

◆日本創成会議が提言、「高齢者の希望に沿い地方移住を」
東京圏は急激な高齢化で介護施設、人材不足深刻に
――国立がん研究センター

産業界、大学、元官僚の有識者、研究者らによる民間主体の日本創成会議(座長:増田寛也氏・元総務相)の首都圏問題検討分科会は6月4日、近い将来、東京圏全体で介護施設等の不足が深刻化するおそれがあり、東京圏(一都三県―東京、神奈川、埼玉、千葉)の高齢者が希望に沿って地方へ移住できるようにすべきなどとする提言「東京圏高齢化危機回避戦略」を公表した。
同会議は政策発信を目的とする組織で、国の地方創生施策への影響力もあり、2011年の東日本大震災を機に発足。2014年には「ストップ少子化・地方元気戦略」を発表している。首都圏問題検討分科会の座長には本会議と同様、増田寛也座長がついている。今回まとめた「東京圏高齢化危機回避戦略」は安倍首相、閣僚のなかでも地方創生に深くかかわる担当者たちに報告される。

報告のポイントは2925年の介護需要が現在(2015年年)に比べ45%増え、172万人に上ると試算した。これは全国平均(32%増)を大きく上回り、他地域に比べ突出している。入院需要も21.8%増加する。これに対して東京圏の1都3県では今後、団塊の世代が大量に高齢化。医療・介護の受け入れ能力が全国平均よりも低く、介護施設・人材等の不足が起こり、したがい今から地方移住を促す施策の推進などを提言している。

推計値によると2020年には高齢化率が26%超となり、後期高齢者は今後10年間で175万人増と、全国の増加数の3分の1を占める。これにともない、深刻化する東京圏全体で介護施設の不足。2015年は都区部の不足を周辺地域が補っているが、2025年以降、東京圏全地域でマイナスとなり、2025年時点では1都3県で13万人分余りのベッド数が不足する。また、2025年度においては医療介護職員も東京圏で必要な人材を全国の3分の1程度と見込むと、80万~90万人の増員が必要と見込んでいる。

分科会は、東京圏の高齢化問題への対処は日本全体の将来像を左右するとして、次のような方向性を打ち出した。
(1)医療介護サービスの「人材依存度」を引き下げる構造改革、
(2)地域医療介護体制の整備と高齢者の集住化の一体的促進、
(3)1都3県の連携・広域対応が不可欠、
(4)東京圏の高齢者の地方移住環境の整備。

(3)では、1都3県と5指定都市の連携による、高齢者について地域医療介護体制の整備と住まいの確保に関する広域的な対策を盛り込んだ「東京圏高齢者ケア・すまい総合プラン(仮称)」の策定を提唱。(4)では、移住関心者に対し、ワンストップ相談窓口の整備や移住に伴う費用の支援、お試し移住支援などを推進。さらに、定年前からの勤務地選択制度や地方移住(二地域居住を含む)を視野に置いた老後生活の設計の支援などを提言している。

◇移住候補の41地域(各地域の中心都市)
道府県  各地域の中心都市
【北海道】函館、室蘭、旭川、北見、帯広、釧路
【青 森】弘前、青森
【岩 手】盛岡
【秋 田】秋田
【山 形】山形
【新 潟】上越
【富 山】富山、高岡
【石 川】金沢
【福 井】福井
【京 都】福知山
【和歌山】和歌山
【鳥 取】鳥取、米子
【島 根】松江
【岡 山】岡山
【山 口】山口、宇部、下関
【徳 島】徳島
【香 川】高松、坂出、三豊
【愛 媛】新居浜、松山
【高 知】高知
【福 岡】大牟田、北九州
【佐 賀】鳥栖
【長 崎】長崎
【熊 本】熊本、八代
【大 分】別府
【鹿児島】鹿児島
【沖 縄】宮古島

◆住所地特例対象者の事務手続きを解説 厚労省総合事業GL
要介護者、事業対象者の手続きを詳細に―正式版で通知
――厚生労働省

厚生労働省は6月5日、「介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン(GL)」(2015年6月5日版)を公表した。介護保険最新情報vol.483に同日付の通知を掲載し、都道府県や市町村に内容を周知している。

2014年の介護保険法等改正により、要支援者に対する訪問介護、通所介護はともに市町村の行う新たな総合事業に移管する。これまで、2014年7月28日や2015年3月2日に市町村の担当課長会議等でGL案が提示されてきた。今回、2015年3月2日版の修正版となる正式版が公表されたもの。
今回、新たに大きな加筆や修正がされた部分は、住所地特例対象者における必要な事務手続で、事業の対象となる者の特定(要介護者、事業対象者)の手続きが詳細に説明された。

住所地特例とは、介護・高齢者施設に転居する前の保険者(市町村)が、引続き保険者となる制度。転居先の住所地の保険者(市町村)に加入すると介護施設の整備が進んでいる市町村の負担が過大になるための特例だ。
GLでは、要支援者である利用者は移転後の施設所在市町村(転居後B市)の窓口に相談して介護保険給付を希望し、保険者市町村(転居前のA市)に認定を申請。
利用者は施設所在市町村(B市)の地域包括支援センターと介護予防支援または介護予防ケアマネジメントの契約する。そして、利用者は介護予防サービス計画作成の届出書・介護予防ケアマネジメント作成依頼(変更)届出を施設所在市町村(B市)に対して届け出ることで、事業の利用が可能となる。
さらに、保険者市町村(A市)は、施設所在市町村(B市)から送付のあった届出 書をもとに、被保険者証を利用者へ郵送するなどの流れとなる。

● 介護保険最新情報483号には、次のような全国からのお役立ち情報も掲載されている

【参考】地域包括ケアシステム構築へ向けた取組事例地域包括ケアシステムについては、市町村が中心となって、地域の多様な支える力を集結させ、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じてつくり上げていく必要があります。特に予防給付を見直し、円滑に地域支援事業へ移行していくためには、市町村が中心となって支え合いの体制づくりを進めることが必要です。
厚生労働省では、市町村の好事例を取りまとめました。好事例も参考にしながら、各市町村で取組を進めていただきたいと考えています。

【出典】平成26年3月地域包括ケア研究会「地域包括ケアシステムを構築するための制度論等に関する調査研究事業報告書」
【日本地図から全国の事例を検索】をクリックすると、地図から事例の検索ができます。http://www.kaigokensaku.jp/chiikihoukatsu/

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