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介護経営情報(2015年6月26日号)

2015/6/30

◆関係3団体の自主点検結果に「調剤医療費のあり方」問う
薬歴未記載は81万2,144件と厚労省報告 中医協総会
――厚生労働省

厚生労働省は6月24日、中央社会保険医療協議会・総会を開催し、不適切な調剤報酬請求に関する関係3団体による自主点検結果の「薬剤服用歴の記載状況」(薬歴)を報告した。
2015年2月10日と同月22日の報道で、大手薬局チェーンTにおいて薬剤服用歴を記録することなく保険調剤を行い、薬剤服用歴管理指導料を不正に算定していると伝えられた。これを受けて、厚労省は全国の薬局の実態把握をする必要があると判断し、関係3団体(日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会)に対して、傘下の保険薬局に対しての自主点検を行うよう、2月23日要請していたもの。対象は2014年1月1日から同年12月31日までの全処方せん。

調査結果では、薬剤服用歴未記載の保険薬局数は、(3団体間の重複を除いた)合計で1,220薬局。内訳は、日本薬剤師会983薬局(団体内の総薬局数の2.05%)、日本保険薬局協会225薬局(同2.45%)、日本チェーンドラッグストア協会323薬局(同7.09%)。【薬剤服用歴管理指導料】算定件数に占める、薬剤服用歴の未記載件数と割合は、合計81万2,144件(3.96%)。内訳は、日本薬剤師会54万3,156件(3.28%)、日本保険薬局協会5万4,454件(1.39%)、日本チェーンドラッグストア協会43万115件(同7.34%)だった。厚労省では、今後、事実関係を確認して報酬の返還を含めて対応するとしている。

調査結果の報告に対して、安部好弘委員(日本薬剤師会常務理事)は「薬剤師を代表して極めて遺憾であり、信頼を損なう事例があったことについてお詫びしたい。再発防止に向けて周知・研修に努めている」と陳謝。
報道されたT薬局チェーンはその後、「1憶7000 万円」余を「自主返還」し社長交代でケジメをつけた形となった。しかし中医協の構成員の間ではこの「自主返還」が問題になっている。
白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)は「調査は1年分ということだが、過去はどうなんだ、調べないのかということになる。組織的不正があった場合、とことん監査をして(悪質な場合)刑事告訴を含めて、徹底的にやっていただきたい」と強く批判。吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は「点数が41点ならば3億円強の大きな金額だ」と強調し、中川俊男委員(日本医師会副会長)も「安易に自主返還で決着させるのか。調剤医療費のあり方を議論しなおすべき」とコメントするなど厳しい声が相次いだ。中医協では「厳罰」を望む声が高まっている。

◆「病床数削減の試算値は参考値」と説明 ―厚労省通知
日本医師会は「地域の医療現場を混乱させた」と見解発表
――厚生労働省

厚生労働省は6月18日、「6月15日の内閣官房専門調査会で報告された必要病床数の試算値について」と題する文書を、各都道府県の衛生担当部長あてに発出し、直近の医療関係業界で焦点となっている「試算値」は、単純に病床数の削減を自治体に求めているわけではないなどとして、理解を求めた。
この試算値とは、政府が6月15日に開催した「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会 第1次報告」で示された、「2025年の医療機能別必要病床数の推計結果」を意味する。厚労省は今回の通知を「医政局地域医療計画課長」名で発出した。主旨は「昨年の医療法改正で都道府県知事の対応の規定を新設したが、不足している医療機能の充足等を求めるものなどであり、稼働している病床を削減させるような権限は存在しないこと」と断っている。

主な内容に、医療施設調査による現状(2013年)の病床数の総計134.7万床に対し、2025年の必要病床数(目指すべき姿)を総計115~119万床程度と、現状より16~20万床減少するとした推計結果がある。この減少数は、正式な発表前に一部マスコミで報じられた。
例えば読売新聞は、6月16日朝刊で、次のように報じた。
「政府は15日、2025年に必要となる全国の医療機関の入院ベッド(病床)数の推計を正式発表した。
現在の入院中心の医療体制から、在宅医療への転換を図ることで、必要な病床数を現在より1割以上削減可能とする一方、新たに30万人以上の患者を在宅医療で対応するとした。各都道府県は、この推計値を土台に、10年後に向けた地域ごとの病床数の見直しに着手する。
内閣官房の有識者調査会がまとめた。25年には75歳以上の後期高齢者は今より500万人増える見通しだが、入院治療の効率化で医療費の抑制を図る。全国の必要病床数(精神、結核病床除く)は、現在の135万床より1割以上少ない115万~119万床にできるとした。地域別では、今後、高齢人口の激増する首都圏と大阪などを除き、41道府県で必要病床数が減る」という記事だった。
これに対し、日本医師会は6月17日に、「地域の医療現場を混乱させた」として遺憾の意を表したほか、第1次報告そのものついても、「地域の事情をふまえずに単純集計を公表したことは納得できない」とする見解を公表するなど、他の医療関係団体も含め、この厚労省発表は社会的な関心事となっている。
政府の「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」が2025年の必要病床数の推計を公表したのを受けて、日本医師会の横倉義武会長と中川俊男副会長が6月17日の会見で、地域医療構想が、区域内で必要な病床を手当てする仕組みであることから、「単純集計の公表には納得できない」「(全国で20万床削減などの報道があり)地域医療の現場を混乱させるもので極めて遺憾」などとして、不快感を示したまた、各論では、平均在院日数のさらなる短縮化が求められている点に対して、「勤務医の疲弊を増すことになる」などとして、問題視した。

これに対して厚労省は、今回の文書で次の事項などをあげ、地域医療構想を策定している都道府県の担当者をはじめ関係者に、「正しい」理解を呼びかけた。
 今回の推計値は、地域医療構想ガイドラインで示した計算方法などを用い、機械 的に算出された「参考値」として位置づけられる。
 地域医療構想は、2025年に向けての取り組みであり、個々の医療機関の医療提供の方針などをふまえつつ、ていねいに調整していくもので、ただちに何らかの措置 を講じさせるものではない。
 (病床数は)在宅医療なども含めた、地域での医療提供体制を、全体として検討 していくなかで、需要に応じた医療提供体制、病床数となっていくもの。

◆後発医薬品の利用目標は「2017年央までに70%以上」
経済財政諮問会議 基本方針2015」(骨太の方針)

政府の経済財政諮問会議が6月22日に開かれ、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太の方針)について、「経済財政運営と改革の基本方針2015(仮称)」の素案を議論し大筋で合意した。後発医薬品の利用目標については、「2017年度末まで80%以上」とするように求める声がある中、「2017年央までに70%以上」と盛り込まれた。数値にやや後退の感がなきにしもあらずとなった。
2020年までのプライマリーバランス黒字化が最大の目標となる中、医療などの社会保障については、民間企業が請け負う領域の拡大を想定して「成長の新たなエンジン」としている。

素案では、社会保障を重点分野に位置づけ、社会保障費の増加を2018年度まで、高齢化による増加分に相当する1.5兆円程度の伸びに維持するとしている。また、医療・介護提供体制の適正化として、データ分析で都道府県別の医療提供体制の地域差や将来必要となる医療の見える化を行い、病床の機能分化・連携を進める。療養病床は病床数や平均在院日数の地域差が大きいため、入院受療率の地域差の是正を着実に実施。このため、慢性期の医療・介護ニーズに対応するサービス提供体制に関して、医療内容に応じた制度上の見直しを速やかに検討するとしている。
さらに、外来医療費もデータに基づき地域差を分析し、重複受診・重複投与・重複検査等の適正化を行いながら地域差を是正。かかりつけ医の普及の観点のための診療報酬上の対応や外来時の定額負担を検討する。

負担能力に応じた公平な負担・給付の適正化としては、生活習慣病治療薬などの費用面も含めた処方のあり方、市販品類似薬の保険給付の見直しを検討。また、介護納付金の総報酬割に加えて、マイナンバー活用などによる金融資産などの保有状況を考慮した負担を求める仕組みを検討するとしている。

また、薬価・調剤等の診療報酬や医薬品等に係る改革として、後発医薬品数量シェアの目標値を2018年度~2020度末までの早い時期に80%以上とするほか、2017年半ばに70%以上の目標の達成時期を具体的に決定する。また、特許の切れた先発医薬品の保険制度による評価のあり方、保険制度での後発医薬品使用の原則化などを検討する。
このほか、経済の好循環の拡大と中長期の発展に向けた重点課題として、医療分野のICT化推進も掲げている。政府は6月末を目途に閣議決定する見通し。

◆介護予防等の市場規模 2025年には1兆3千億円
運動機能訓練などの機能向上サービスが市場牽引
――(株)シード・プランニング

市場調査・コンサルティング会社の(株)シード・プランニング(東京都文京区)は6月16日、介護予防と生活支援サービス市場に関する調査結果を発表した。調査期間は、2014年11月~2015年5月。特徴的なのはセントラルスポーツやALSOKあんしんケアサポート、シルバーライフ、ニチイ学館など、介護予防事業等の主要な参入企業・団体14社・団体を対象にヒアリングをした数字の信頼度等にある。

団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、各地の地域課題に対応した「地域包括ケアシステム」の構築が急がれている。とりわけ地域支援事業の再構築等により、地域の実情に応じた介護予防、在宅生活継続のための支援体制の構築が求められている。
地域支援事業とは、高齢者が要支援・要介護状態になることを防止するためのサービスや、要介護状態になった場合でも、できるだけ住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるよう支援するための事業。市町村が、多様なマンパワーや社会資源の活用等を図りながら、「介護予防・日常生活支援総合事業 ガイドライン」に基づき、介護予防サービスや配食・見守り等の生活支援サービス等の総合的な提供を推進していく。

しかし、高齢者人口の増加に伴うサービス需要に対応するためには、公的サービスのみならず、民間企業やボランティア等の多様な主体者によるサービス提供が求められている。
本調査では、このような社会背景をもとに、介護予防・生活支援サービス市場の最新の企業動向と市場動向を調査し、今後の地域包括ケアシステムを支えるサービス市場の現状を把握し、市場の将来展望を考察した。なお、本調査結果の詳細は、調査研究レポート「介護予防・生活支援サービス市場の新潮流と企業の取り組み ~介護保険サービスと周辺サービス市場の動向~」として販売している。

●調査結果のポイント
高齢者を対象とした介護予防・生活支援サービスの市場規模は、• 2014年に6千8百億円の見通し。団塊の世代が75歳を迎える2025年には1兆3千億円に迫る• 外出支援サービスや在宅配食サービス、運動機能訓練などの機能向上サービスが市場を牽引。
本調査は、団塊の世代が75歳を迎える2025年に焦点を当て、介護予防・生活支援サービス市場の• 市場の変化と企業動向 • 市場規模予測 • 需要拡大と新潮流について探った。この結果、市場規模については、2025年には2014年度の約1.9倍の1兆3千億円に迫る市場規模となり、なかでも、外出支援が60%弱を占めると予測した。

調査対象としたサービス
介護予防サービスとして、「運動機能・訓練サービス」「栄養改善・口腔機能向上・認知機能低下対応サービス」を取り上げ、介護保険サービスおよび介護保険外サービス(民間サービス)も対象として市場規模を予測した。
生活支援サービスとして、「緊急通報・見守りサービス」「在宅配食サービス」「家事代行・買い物支援サービス」「外出支援サービス」を取り上げ、介護保険サービスおよび介護保険外サービス(民間サービス)も対象として市場規模を予測した。

市場規模推定について
「家計調査」や事業者へのヒアリング調査に基づき、高齢者世帯の1カ月の消費支出額や費目別構成比および各サービスマーケットの市場動向より利用世帯数を推定するなどによりサービス市場ごとの市場規模を推定した。
60~69歳の世帯では、元気な高齢者が多く、自身で運転や公共交通機関を利用しての移動、調理等も可能なことから、健康維持・増進を目的とした運動機能向上サービスの利用割合が他のサービスに比べて大きい。70歳以上の世帯では、車を運転せずにタクシーなどで病院に行く高齢者が増え、買い物や調理が困難になることから、外出支援や在宅配食サービスの割合が大きくなる。

2014年度における各サービスの市場規模は、「外出支援サービス」の割合が最も大きく約65%を占める。次いで「在宅配食サービス」、「緊急通報・見守りサービス」となり、サービス全体では6,800億円を超える市場と推計した。
今後も、高齢者人口・高齢者世帯の増加に伴いサービス市場は拡大し、団塊の世代が75歳を迎える2025年には1兆3千億円に迫る市場となると予測した。なお、本調査結果の詳細は、調査研究レポート 「介護予防・生活支援サービス市場の新潮流と企業の取り組み ~介護保険サービスと周辺サービス市場の動向~」として販売している。

調査概要
調査方法/• 公開情報収集
主要参入企業/・団体14社・団体へのヒアリング
調査対象分野と対象企業/
• 介護予防サービス
運動機能・訓練サービス…セントラルスポーツ/東急スポーツオアシス
栄養改善、認知機能低下対応などサービス…くもん学習療法センター/日本栄養士会
• 生活支援サービス
緊急通報・見守りサービス…ALSOKあんしんケアサポート/大阪ガスセキュリティサービス/日立製作所
・ 在宅配食サービス…シルバーライフ/ソーシャルクリエーション
・家事代行・買い物支援サービス…ニチイ学館/ベアーズ/エニタイムズ
・外出支援サービス…キャビック/日本交通

調査項目
企業概要/サービス概要/開始時期/開発経緯・着眼点/ターゲット/価格体系/規模・実績/プロモーション/顧客動向/課題・開発項目、今後の展開/市場動向・展望

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