新着情報

ホーム > 新着情報 > 介護経営情報(2015年8月7日号)

介護経営情報(2015年8月7日号)

2015/8/10

◆東京都が郵便局・信金と連携して「見守り」
地域密着の「ながら見守り」事業がスタート
――東京都

東京都は8月1日から都内で郵便局・信金と連携して社会的弱者を見守る「ながら見守り連携事業」をスタートさせた。委託を受けた金融機関など事業者が日常業務をしながら社会的弱者を見守る、ことから「ながら見守り」と命名した。配達や集金をしながらパトロールもかねる「おもいやり」の一種だが、事業開始からわずか10日くらいで郵便局や信金を訪れた親子ずれや高齢者などから質問を受けるなどこの事業への関心の高さを生の反応で感じ、間もなくお盆の一斉休暇を前にあらためてPRに力を入れようと店頭やお客さん宅での「おもいやり」に重点を置くという。

昨今都内では高齢者や子供が巻き込まれる事件・事故が多発した。特に都内における高齢者の交通事故死者数の割合は依然として高い。このような背景を受けて事業をスタートすることとなった。具体的には、信金・郵便局は、見守りの要望があった場所の走行や、交通事故に関するヒヤリハット(危険な状況に合う)の共有、高齢者の声かけなどを行い、市区町村と情報共有を行う。

東京都が行う協定は地域に密着した事業を行う、一般社団法人東京都信用金庫協会や日本郵便株式会社東京支社と締結し、日常業務をしながら子供や高齢者等の弱者を見守ってもらうことで、安全に安心して暮らせる地域づくりに取り組んでいこうというもの。
郵便局や信金は東京都とも情報交換を行い、都は見守り実施に当たって必要な支援を実施する。今後は安全な地域作りを目指し、都内の地域全体で、高齢者や子供を見守ることになる。

今、政府、厚労省、国交省、経産省などが、様々なスタンスで高齢者の「見(看)守り」対策を進めようとしている。例えば厚労省は地域包括センター、国交省は団地等の再開発と高齢者の住居を組み合わせる「コンパクトシティ構想」(機能集中型の都市型高齢者住宅街)、経産省は特に人型「ロボット開発」、コンビニや薬局に東京都の「ながら見守り」ができないか検討会を開いている。いずれがトップランナーになるのかは別として、高齢者問題は、人口減と人手不足で、どんなに予算を工面しても「高齢者の満足度」は得られないまま時間は過ぎていく。今いる介護の専門家、企業、地域住民、家族・親類、プラスアルファが応援チームを組んで、政府の元で高齢者を見守っていいこう、というのが、すくなくとも2025年団塊世代~後期高齢年齢ピーク層への各省の中期的アプローチなのである。今後の高齢者問題は医療介護とも「在宅」に焦点が絞られていく。

●「ながら見守り連携事業」に関する協定の概要
▽事業内容
都は、事業者の防犯活動等を促進するため、事業者と包括協定を締結。区市町村は、地域の要望に合わせた効果的な見守りを実施するため、事業者と個別協定を締結。事業者は、“ながら見守り”により、街中のパトロールなどを実施

▽包括協定の内容
東京都は、事業の実施に当たって事業者に対して必要な支援を実施する。事業者は、各店舗に対し、本協定の趣旨を周知するとともに、“ながら見守り”に関する取組について区市町村と協議し、各店舗において実施できるよう支援する。
東京都と事業者は、必要に応じて情報交換を行い、相互連携を強化する。

今、政府、厚労省、国交省、経産省などが、様々なスタンスで高齢者の「見(看)守り」対策を進めようとしている。例えば厚労省は地域包括センター、国交省は団地等の再開発と高齢者の住居を組み合わせる「コンパクトシティ構想」(機能集中型の都市型高齢者住宅街)、経産省は特に人型「ロボット開発」、コンビニや薬局に東京都のような「ながら見守り」ができないか検討会を開いている。
いずれがトップランナーになるのかは別として、高齢者問題は、人口減と人手不足で、どんなに予算を工面しても「高齢者の満足度」は得られないまま時間は過ぎていく。今いる介護の専門家、企業、地域住民、家族、プラスアルファが応援チームを組んで、政府の元で高齢者を見守っていいこう、というのが、すくなくとも2025年団塊世代~後期高齢年齢ピーク層への各省の中期的アプローチなのである。今後の高齢者問題は医療介護とも「在宅」に焦点が絞られていく。東京都が先行した形だ。

◆第28回「介護福祉士国家試験」の概要を発表 厚労省
筆記試験は来年1月24日 実技試験は来年3月6日
――厚生労働省

厚生労働省は第28回「介護福祉士国家試験」の実施について発表した。
実施概要は次の通り。
第28回「介護福祉士国家試験」の筆記試験は、平成28年1月24日(日)、実技試験は平成28年3月6日(日)にそれぞれ実施される。
筆記試験は、「人間と社会」「介護」「こころとからだのしくみ」の3つの領域から出題。人間の尊厳と自立、人間関係とコミュニケーション、介護の基本、認知症の理解等が求められ、総合問題では、これら3領域の知識・技術について横断的に問う問題が、事例形式で出題される。また、実技試験では、介護等に関する専門的技能が必要だ。受験書類は、社会福祉振興・試験センターへ提出するものとし、受付期間(受験手続)は、8月5日(水)から9月4日(金)、当日消印のあるものに限り有効である。受験手数料は、13,140円。発表は来年3月28日
合格発表は、平成28年3月28日(月)午後。厚生労働省および社会福祉振興・試験センターに受験番号を掲示するとともに、同センターのホームページ上でも確認することができる。なお、試験地や筆記試験領域などで問い合わせが関係機関に多いということなので、ここに関連情報を掲載する。

*試験地
ア 筆記試験
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

イ 実技試験
北海道、青森県、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、 香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県

*試験科目

ア 筆記試験
・領域:人間と社会  人間の尊厳と自立、人間関係とコミュニケーション、社会の理解
・領域:介護
介護の基本、コミュニケーション技術、生活支援技術、介護過程
・領域:こころとからだのしくみ
発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、こころとからだのしくみ
・総合問題(上の3領域の知識・技術について横断的に問う問題を、事例形式で出題)
イ 実技試験 介護等に関する専門的技能
*合格者の発表
平成28年3月 28 日(月)午後に、厚生労働省および公益財団法人社会福祉振興・試験センターにその受験番号を掲示して発表するとともに、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページ上にも掲載する。

*試験に関する照会先(受験書類の提出先)
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
所在地   150 - 0002 東京都渋谷区渋谷1丁目5番6号
電話番号  03 ( 3486 ) 7521
試験案内専用電話番号 03( 3486 ) 7559 (音声およびファクシミリ)
ホームぺージ  http://www.sssc.or.jp/

◆医療・福祉分野の採用「資格・検定を重視する」
中途採用で絶対視、正社員の中途採用で37.3%
――厚生労働省

厚生労働省の労働問題研究調査機関である独立行政法人労働政策研究・研修機構は「企業における資格・検定等の活用、大学院・大学等の受講支援に関する調査」の結果を発表した。この調査は「人材の採用時における資格・検定の重視度調査」といえるのもので、特に中途採用者に際して、企業側が医療・福祉分野で採用時には特に「資格・検定を重視する」傾向が強いことがわかった。

調査結果のポイント
<採用において資格・検定が重視されるのは、正社員の中途採用の場面。医療・福祉や建設業ではその傾向がとりわけ強い>
採用にあたって資格・検定の所持を重視する企業の割合は、正社員の新卒採用で20.0%、正社員の中途採用で37.3%、非正社員の採用で18.5%であり、正社員の中途採用において重視するという回答が最も多い。
特に医療・福祉や建設業では、正社員の中途採用の際に資格・検定を重視するという回答が70~80%台に達し、重視する傾向が強い。資格・検定別にみても、「薬剤師」、「看護師」の医薬系の資格・検定や、「一級建築士」は、有資格者を採用することによって取得者を確保するという回答が最も多い。

<約3分の2の企業が今後社外の資格・検定を重視している意向。従業員の専門性に対するモチベーションアップや、客観的な能力評価の実施がねらいとみられる> <現時点では国家資格の優位性は揺らいではいない>
社外の仕事に関する資格・検定を、今後より積極的に活用していきたいと考えている企業は回答企業の65.3%。これらの企業にその理由をたずねたところ、約7割が「専門性に対する従業員の意欲を高めることができる」(モラールアップとモチベーションアップのダブルMが職場に不可欠要素)、約6割が「従業員の仕事上の能力を客観的に評価できる」といった理由を挙げている(資格を効率よく生かしていてこそ報酬との組み合わせが成り立つ)。

<従業員の大学院、大学、専修学校・各種学校等の民間の教育機関での受講を業務命令で実施している企業は9.3%、受講に対し何らかの支援を行っている企業は13.4%>
従業員の大学院、大学、専修学校・各種学校等の民間の教育機関での受講に対し、支援等を行っているかについてたずねたところ、「業務命令で受講させている事例がある」という回答企業が9.3%、「業務命令の受講はないが、会社として支援」という回答企業が13.4%であった。医療・福祉で「業務命令の受講はないが、会社として支援」の回答率が36.6%と、他業種より目立って高い。
従業員が大学院、大学、専修学校・各種学校等で受講することの評価については、「従業員が幅広い知識を習得することができる」、「担当業務における専門性を高めることができる」と答える企業が、それぞれ回答企業の3分の1程度を占めている。「受講が、仕事上の成果につながっていない」、「受講した従業員は、離職しやすい」といった否定的な評価を挙げた企業はいずれも5%未満であった。

<従業員の大学院、大学、専修学校・各種学校等の民間の教育機関での受講は、「従業員が幅広い知識を習得することができる」「担当業務における専門性を高めることができる」と評価する企業がそれぞれ約3分の1。否定的な評価はごくわずかだった>
調査した同機構は、この調査結果の「政策的インプリケーション」として、次のように分析した。
調査結果からは、医療・福祉における採用や建設業、教育・学習支援業、運輸業などにおける中途採用の機会が、資格・検定の所持がとりわけ有利にはたらく機会と考えることができる。したがって資格・検定取得に対する政策的支援の対象としては、こうした場面で用いられる資格・検定を念頭に置くのが有意義であると思われる。
大学院、大学、専修学校・各種学校等で従業員が受講することに対し現在、支援を行っていない企業が多数を占めてはいるが、こうした企業においても「受講が、仕事上の成果につながっていない」、「受講した従業員は、離職しやすい」といった、受講に対する否定的な意見の割合は非常に小さい。従業員に幅広い知識や高い専門性が求められるような場面になれば、受講支援の必要性が認識されるようになり、受講支援を支える政策的取組みに対する企業のニーズも増していくものと思われる。*インプリケーション=含意(意味合い)

◆団塊世代が後期高齢者になるピーク・2025年に対応
看護師の特定行為研修の指定機関に14機関指定
――厚生労働省

後期高齢者が急増する「2025年問題」対応への重要な施策の一つ、「看護師の特定行為研修」が具体的に動き出す。
「特定行為に係る看護師の研修制度」は、団塊世代が後期高齢者になるピークの2025年に向けて、在宅医療などの推進をはかるため、医師らの判断を待たず手順書(プロトコル)により一定の診療補助(特定行為:脱水の程度判断と輸液による補正等)を行う看護師を計画的に養成するもの。特定行為を行う看護師は特定行為研修が義務付けられている。
省令に定められた特定行為を、医師の包括的指示の下で手順書によって実施する看護師を養成するもので、この10月1日に施行される。
厚生労働省は7月30日、非公開で同日開催した医道審議会・保健師助産師看護師分科会の「看護師特定行為・研修部会」の審議結果を公表した。2015年10月1日施行予定の看護師の特定行為研修の指定機関として14機関の指定を認めた。
特定行為研修を実施できるのは、次の要件を満たす学校や病院のうち、厚労相が指定した施設に限定されるとしている(指定研修機関)。
●研修の内容が省令の基準に適合している
●特定行為研修の専任の責任者を配置している
●医師、歯科医師、薬剤師、知識・経験のある看護師といった適当な指導者による研修を行う
●講義・演習を行うのに適当な施設・設備を利用できる
●実習を行うのに適当な施設を実習施設として利用できる
●実習を実施する際には、利用者・患者への説明が適切になされる
●特定行為研修管理委員会を設置している

指定機関に認められたのは、次の14機関。
●学校法人東日本学園 北海道医療大学大学院看護福祉学研究科(北海道)
●学校法人岩手医科大学 岩手医科大学附属病院(岩手)
●学校法人自治医科大学 自治医科大学(栃木)
●医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院(埼玉)
●一般社団法人日本慢性期医療協会(東京)
●学校法人青葉学園 東京医療保健大学大学院看護学研究科(東京)
●学校法人国際医療福祉大学 国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科(東京)
●公益社団法人地域医療振興協会 JADECOM-NDC 研修センター(東京)
●公益社団法人日本看護協会(東京)
●学校法人愛知医科大学 愛知医科大学大学院看護学研究科(愛知)
●学校法人藤田学園 藤田保健衛生大学大学院保健学研究科(愛知)
●医療法人社団洛和会 洛和会音羽病院(京都)
●公立大学法人奈良県立医科大学(奈良)
●公立大学法人大分県立看護科学大学 大分県立看護科学大学大学院看護学研究科(大分)

▽「指導者育成事業実施団体」には全日病―厚労省
「2015年度看護師の特定行為に係る指導者育成事業」の実施団体に医療機関の全日本病院協会が選ばれ医政局の看護課から発表されている。「指導者のための研修を担う」全日病は選定結果を受け入れすでに準備に入った。
厚労省の委託事業である同事業の実施団体公募には医療界から3団体が申請、評価委員会による評価を経て、15年度の実施団体として全日病が選定された。
「特定行為に係る看護師の研修制度」は、省令に定められた特定行為を、医師の包括的指示の下で手順書によって実施する看護師を養成するもので、この10月1日に施行される。

当該看護師の養成は厚生労働大臣が指定する研修機関が担うが、研修機関には教育機関だけでなく病院等もなることができる。その上、eラーニング等の通信メディアを利用して研修機関外で講義や演習を受けたり、講義、演習、実習を協力医療機関で行なうことによって勤務を続けたまま受講できるようにするなど、研修の実施には、一定の柔軟な体制が認められている。ただし、指定研修機関の指定基準には「適切な指導体制を確保していること」という条件がある。
したがって、36項目からなる特定行為や手順書など当制度のコアとなる部分を含めた理解と実践経験をもつ、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等、指導者の確保が焦眉の課題となっている。
そのため、厚労省は研修実施の留意事項に「指導者は特定行為研修に必要な指導方法等に関する講習会を受講していることが望ましい」旨を盛り込むとともに15年度予算に事業費を計上し、「特定行為研修における指導者(主に指定研修機関や実習施設における指導医)向けの研修」として、全国を7ブロック程度に分けて各ブロックで年1回程のワークショップの開催を委託することにした。そして、指定研修施設の申請を受け付けるのに先立って研修指導者を育成する研修の実施団体を公募。全日病が申請した結果、今回の選定が決まったもの。

お問い合わせ・ご相談はこちら

お問い合わせ・ご相談はこちら

お問い合わせ・ご相談はこちら

お電話
  • 【フリーダイヤル】0120-136-436
  • Tel.06-6222-0030
執務時間
  • 月曜日~金曜日
    午前9:00~午後5:30

お問い合わせメールフォーム

些細なことでも気兼ねなくお問い合わせください。「はい、日本クレアス税理士法人です」と電話を取ります。その後に「ホームページを見て」と言っていただけるとスムーズに対応できます。