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ブログ 社会福祉法人の内部留保 [第2回]

2015/8/26

引き続き7月10日に審議された衆院厚生労働委員会での社会福祉法人
の内部留保についての参考人質問の抜粋をご紹介します。

磯参考人
「前向きにとらえ生かしていくことで存在意義を示せる」

磯参考人は「結論から申し上げると、前向きにとらえ生かしていくことで、より一層、国民の負託に応え得る組織となり、われわれの存在意義を示していける」と強調。改正案を前向きにとらえている理由として以下の3点を挙げた。

磯参考人の意見陳述(抜粋)

(1)法人経営に対し、われわれ自ら今まで以上に襟を正していく姿勢を国民に示していきたいからだ。この点は改正案のポイントの一つ、ガバナンスの強化につながっていく。法律改正を機にガバナンスの強化を行い、すべての社会福祉法人が法人経営に対して今まで以上に襟を正し、より一層、自律的組織となって自らのチエック機能を高めていく姿勢をしっかり国民に示していくことが肝要と考える。小規模法人には、目標地点は同じでも経過的猶予など一定の配慮が必要と考えている。

(2)本改正によって国民が感じているわれわれに対する誤解を解いていきたいと考えているからだ。この点は財務規律の強化や経営情報の開示につながっていく。われわれが、その課題解決に努める中、数年前から社会福祉法人には多額の内部留保があるという指摘が出てきた。内部留保はオーソライズされた定義でないまま議論が進み、誤解が広がっていったと考えている。

今回の法律改正において一定の秩序をつくり、財務状況を見る角度を定義してもらえれば、社会福祉法人が儲け過ぎている、内部留保が多額にあるといった誤解が解明されてくると期待している。ただ、この改正において定義されている秩序は、いわば基本設計図のようなものであるので、実施設計、つまり詳細を詰める際には法人の経営理念を尊重し、主体性 ? 自立性を損なわないようなものにすべきことは業界として主張していきたい。

(3)われわれ社会福祉法人の存在意義を今まで以上に示していきたいと考えているからだ。この点は地域における公益的取り組みにつながっていく。全国のほとんどの法人が大なり小なり地域に向けた公益的取り組みを既に推進している。

今回の改正、第24条の第2項、経営の原則において、われわれに対して地域における公益的取り組みの責務という点が、今さらながら追加された。このような取り組みについて、われわれとして異論はないが、全国を見渡してみると、地域性があるので、すべての法人が積極的に取り組めるように、その内容については限定列挙しない方向で進めていくーとが肝要と考えている。

松原参考人
「非営利組織にとって利益とはすぺて将来のコスト」

松原参考人は非営利組織の利益にっいて、「わが国の一般の会計ル一ル上、利益として計上せざるを得ないので利益と称しているが、実質はコストだ」と強調。その理由にっいては、「非営利組織の要件は配当禁止等といわれているからだ。利益の使い道は配当力\事業に投下するかの二っ。非営利組織は配当の道が塞がれているので、非営利組織にとって利益とはすべて将来のコストということになる。営利組織の利益とは決定的に違うところ」などと話した後、以下のように説明した。

松原参考人の意見陳述(抜粋)

配当禁止という要件は、上げた利益の処遇方法についての規定であり、利益獲得のプロセスについては何ら規定していない。その結果、必要以上の利益を上げることが可能となる。しかし、必要利益以上の利益を上げることは、非営利組織の存立目的 ? 趣旨に照らしてふさわしくない。非営利組織の利益は事業の安定継続に必要な最低限の利益であるべきと考える。それ以上の利益が上がるのであれば、速やかに本業の拡充 ? 充実や社会貢献活動などに利用されることが望ましい。ここでいう必要利益というのは適正なコストを賄った上での利益、たとえば市場相場並みの人件費を払った上での利益ということだ。

ここで改めて非営利組織の利益概念を必要利益とするが、これについて整理すると、①会計上は利益だが、実質はコストということ、②必要事象が発生するまで内部蓄積を要する、固使用目的は必要利益計上の基とする事業に限定される、③必要利益に何を含めるかは議論のあるところだが、必要最小限に限定すべきということ?の4つになる。

内部留保は利益の蓄積であり、今回の改革では内部留保について必要な分とそれを上回る分を区分し、上回る分について計画的に支出することが求められることとなったが、これは非営利組織の利益の在り方に合致したものと理解している。

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