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介護経営情報(2015年11月6日号)

2015/11/9

◆2次救急医療機関で夜間休日救急受け入れを評価
中医協 次期改定で「個別事項」を引き続き議論

――厚生労働省
厚生労働省は11月4日、中央社会保険医療協議会(総会)を開催し、次期2016年度診療報酬改定に向けて、「個別事項」をテーマに議論を行った。(1)救急医療、(2)高度急性期医療、(3)小児・周産期医療、(4)栄養食事指導――などをあげた。
このうち、(1)の救急医療に関し、厚労省は論点として2次救急医療機関などでの夜間休日の救急医療体制、救急医療管理加算―の2点をあげ、2次救急の「夜間休日」評価(夜間休日の救急患者受け入れ、夜間休日の再診後の緊急入院)を提案した。
(3)では小児入院管理料、小児慢性特定疾患の年齢上限引き上げを提案した。
具体的な年齢はこれから検討する見こみ。

(1)について厚労省は、救急出動件数と搬送人数が直近4年連続で増加して過去最高になったと説明。医療機関への照会回数が複数回に及ぶ場合や、現場滞在時間が長時間に及ぶ場合が存在する。
また、時間外・深夜・休日に対応した患者数に関して、2次医療機関で、(高度)救命救急センターを有する医療機関と同程度以上の対応を行っている医療機関もある一方で、同じ医療機関で軽症の患者を相当数受け入れている医療機関も存在していると指摘。

さらに、高齢者は再診後の緊急入院が多い傾向にあるものの、現在の診療報酬では、再診後に緊急で即日入院となった場合、【時間外加算・休日加算・深夜加算】は算定できないと課題を示した。
厚労省は【救急医療管理加算2】の算定患者のうち、脳梗塞でt-PAを施行した場合や、狭心症・慢性虚血性心疾患でPCIや心臓カテーテル検査を施行した場合、入院後7日以内の出来高算定点数が比較的高い傾向が認められたと説明した。

これらを踏まえて、厚労省は「救急医療」の論点を、次のように2項目に絞った。
①高齢化などによって、増加する救急患者の受け入れ体制を確保するため、2次救急医療機関で夜間休日の救急患者の受け入れや、夜間休日の再診後緊急入院を評価する
②現在、【救急医療管理加算2】の算定患者のうち、脳梗塞でt-PAを施行したものや、狭心症などで緊急に冠動脈の検査や治療が必要なものについては、「ケ 緊急手術を必要とする状態」に準じて【救急医療管理加算1】として評価する

幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は「夜間休日の受け入れが抜本的に改善するか疑問。受け入れ実績を評価してはどうか」と提案。さらに同委員は「重症でない疾病が加算2に含まれていることについて検討したい」と主張した。

(4)について厚労省は栄養食事指導に関する論点を、次のような項目に絞って提案した。
①医師の指示に基づき管理栄養士が行う入院・外来・在宅患者訪問栄養食事指導の対象に、がん、摂食・嚥下困難、低栄養の患者を含める
②入院・外来栄養食事指導については、指導の実態を踏まえ、長い時間の指導を評価する
③在宅患者訪問栄養食事指導の指導内容は、患者の生活状況等を踏まえ、調理実技だけでなく、在宅での栄養の改善に有効な実践的な指導を行う場合を含める

これら「個別事項」については今後も引き続き中医協総会で議論される。

*中医協、松原氏、猪口氏、幸野氏ら5人が新・委員に就任
中医協(会長=田辺国昭・東京大大学院教授)に10月30日付で発令された診療側および支払い側の5人の新任委員が4日就任した。診療側から松原謙二氏(日本医師会副会長)、猪口雄二氏(全日本病院協会副会長)の2人。支払い側から幸野庄司氏(健保連理事)、平川則男氏(連合総合政策局長)、松浦満晴氏(全日本海員組合組合長代行)の3人。

◆要介護者614.5万人、給付費7,654億円 、一人平均22,428円
厚労省 介護保険事業状況報告の概要 (平成27年7月暫定版)

――厚生労働省
厚生労働省は10月30日、平成27年年7月の介護保険事業状況報告の概要を公表した。介護保険第1号被保険者数は3,326万人。要介護者(要支援者含む)は614.5万人で、65歳以上の要介護認定者の割合は18.1%で横ばいだった。居宅サービス受給者は386.0万人、地域密着型サービス受給者は40.3万人、施設サービス受給者は90.8万人。また、介護保険給付費の総額は7,654億円だった。一人あたりの保険給付費の全国平均は、22,428円で、前年同期より120円の増額であった。

●概要は次の通り
1.第1号被保険者数 (7月末現在) 第1号被保険者数は、3,326万人となっている。
2.要介護(要支援)認定者数 (7月末現在) 要介護(要支援)認定者数は、614.5万人で、うち男性が190.0万人、女性が424.5万人となっている。 第1号被保険者に対する65歳以上の認定者数の割合は、約18.1%となっている。(注・保険者が、国民健康保険団体連合会に提出する受給者台帳を基にしたものである )。
3.居宅(介護予防)サービス受給者数 (現物給付5月サービス分、償還給付6月支出決定分) 居宅(介護予防)サービス受給者数は、386.0万人となっている。
4.(注・居宅(介護予防)サービスのサービス別受給者数とサービス別利用回(日)数は、国民健康保険団体連合会から提出される データを基に算出した値である)。
5.地域密着型(介護予防)サービス受給者数 (現物給付5月サービス分、償還給付6月支出決定分) 地域密着型(介護予防)サービス受給者数は、40.3万人となっている。(注・地域密着型(介護予防)サービスのサービス別受給者数とサービスの利用回数は、国民健康保険団体連合会から提出されるデータを基に算出した値である)。
6.施設サービス受給者数 (現物給付5月サービス分、償還給付6月支出決定分)。 施設サービス受給者数は90.8万人で、うち「介護老人福祉施設」が50.3万人、「介護老人保健施設」が 34. 6万人、「介護療養型医療施設」が6.1万人となっている。(注・同一月に2施設以上でサービスを受けた場合、施設ごとにそれぞれ受給者数を1人と計上するが、合計には1人と計上して いるため、3施設の合算と合計が一致しない。)
7.保険給付決定状況 (現物給付5月サービス分、償還給付6月支出決定分) 高額介護(介護予防)サービス費、高額医療合算介護(介護予防)サービス費、特定入所者介護(介護予防)サービス費を含む保険給付費の総額は、7,654億円となっている。
(1)再掲:保険給付費 (居宅、地域密着型、施設) 居宅(介護予防)サービス分は3,918億円、地域密着型(介護予防)サービス分は850億円、施設サービス 分は2,432億円となっている。 (注・特定入所者介護(介護予防)サービス費は、国民健康保険団体連合会から提出される現物給付分のデータと保険者から提出される償還給付分のデータを合算して算出した値である)。
(2)再掲:高額介護(介護予防)サービス費、高額医療合算介護(介護予防)サービス費 高額介護(介護予防)サービス費は136億円、高額医療合算介護(介護予防)サービス費は25億円となって いる。
(3)再掲:特定入所者介護(介護予防)サービス費 特定入所者介護(介護予防)サービス費の給付費総額は294億円、うち食費分は211億円、居住費(滞在費) 分は83億円となっている。 (注・特定入所者介護(介護予防)サービス費は、国民健康保険団体連合会から提出される現物給付分のデータと保険者から提出される償還給付分)。

なお10月16日の6月分発表では年間93万人の増加-介護保険事業状況報告(暫定、平成27年6月分)。6月末現在の第1号被保険者数は、3,319万人。昨年同月末が3,226万人であったことから、年間93万人増加した。

◆自治体主管の総合事業 来年度までに移行…まだ3割
6割は最終17年度 厚労省がスケジュール進捗度公表

――厚生労働省
介護保険制度の改正によって、介護予防訪問介護および介護予防通所介護が市町村の主管へ移行され、新たな介護サービス(総合事業)の形へと再編されることになった自治体主導の新事業。この進捗度が現在約10%程度と低く各自治体の出足が鈍っていることがわかった。
厚生労働省は10月26日、今年度の介護保険制度の改正で再編した新しい総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)について、10月1日時点の全国の保険者ごとの移行スケジュールを公表した。その結果は今年度と来年度を合わせても約33%、残りの約60%は最終年度の2017年度に移ると答えている。

「介護予防・生活支援サービス事業」は、要支援に認定された人、要支援に相当する人を対象としている。これまで要支援に認定された人に対して、介護予防給付として実施されていた「介護予防訪問介護」及び「介護予防通所介護」は、「訪問型サービス」及び「通所型サービス」として提供する。その際に保険者独自のサービスも利用可能となる。

厚労省の公表内容によると、今年度中に移行するのは12.8%の202保険者。来年度中を予定しているのは20.2%の319保険者で、これらをあわせると33.0%となっている。61.2%の966保険者が、準備期間の最終年度にあたる2017年度に移ると答えていた。
公表されたデータによると今年1月時点の結果と比べると、移行のタイミングを早めに設定した保険者が少し増えている。「未定」も92保険者(5.8%)と少なくなっていた。しかし全1,579保険者のうち、6割強(61.2パーセントに当たる966保険者)が選択しているのは2017年4月で最多となっている。

逆に見ると期限ぎりぎりで時間をかけて慎重に改革を進めようという保険者が多いのが実情で、制度に対する理解深度に時間が割かれているのか、先行している約10%の他自治体の検証時間に費やしているのか、いずれにしても地域の実情に即した介護サービスの実現が求められているのが、この「総合事業」だ。厚労省は「すべての保険者が移行を済ませる2018年度に向けて、今後もきめ細かい後押しを積極的に行っていきたい」としている。

・具体例として10月から始まった主な新しいサービス例(A市の広報)

<家事援助訪問型サービス>
シルバー人材センターの会員がご自宅を訪問し、調理、洗濯、掃除等の家事援助を行います。サービスの提供は1回につき1時間で,1週間に2回まで利用できます。自己負担額の目安=・1回あたり150円(一定以上の所得の方は1回あたり300円)

<短期集中訪問型サービス>
3カ月から6カ月の短期間に集中して、市の保健師等が適宜ご自宅を訪問し、うつや閉じこもりなどの改善に向けた相談指導等を行います。
自己負担額=市の保健師等の訪問…無料
3カ月から6カ月の短期間に集中して,リハビリ専門職員等が1,2回程度ご自宅を訪問し,運動メニューの提案や指導を行います。(短期集中通所型サービスの利用者で,自宅内での生活動作や環境に不安を感じている方が対象)
自己負担額 リハビリ専門職員等の訪問…・1回につき100円
<短期集中通所型サービス>
3カ月から6カ月の短期間に集中して、理学療法士等のリハビリテーション専門職員が、日常生活に支障のある生活行為の改善に向けた支援を行います。3カ月から6カ月の期間中、ご利用時間は1回あたり送迎込みで3時間程度で、週に1回程度利用できます。
自己負担額=・1回につき150円(送迎なしは100円)

◆“社会的意義のある仕事、だが心身がキツイ”―明暗半々
リクルート「介護サービス業 職業イメージ調査 2015」

――株式会社リクルートキャリア
株式会社リクルートキャリア(本社:東京都千代田区)が行う、日本の介護サービス業に関わる全ての人を応援するプロジェクト『HELPMAN JAPAN』は、就転職先としての介護サービス業の職業イメージについて実態を明らかにするために、全国の学生、社会人2,575人を対象に調査を実施した。調査結果をもとに一部を抜粋して紹介しよう。

介護業界に対する就・転職想起率は15%。就転職想起率とは就職・転職先として思い起こす割合のことをいう。結果は「就転職意向あり」の層では、就転職想起率は24%という結果となった。『介護サービス業』の現在従事者の⼊職理由は「やりがい」や「専門性」の割合が高い。一方で過去従事者の退職理由は「仕事内容」や「職場環境」の割合が高いことから認知イメージの是正にとどまらず、介護事業者による「仕事内容」や「職場環境」「労働条件―待遇」の継続的な改善が必要である、と分析し課題を提起している。

【『介護サービス業』の職業イメージ】
『介護サービス業』の職業ポジティブイメージ:3位以下で順位変動はあるが、上位5項目は前回の2014年調査時同様。最も高かったのは、前回同様「社会的な意義の大きい仕事だと思う」 (38.8%(2015)←46.1% 2014))、 次いで「今後成長していく業界だと思う」(30.9% (2015) ←37.7% (2014))。
『介護サービス業』の職業ネガティブイメージ:上位2項目は前回同様50%を超える。 最も高かったのは、前回同様「体力的にきつい仕事の多い業界だと思う」(61.0%) 。 次いで「精神的にきつい仕事の多い業界だと思う」(53.8%)。
ポジティブイメージ・ネガティブイメージ(±)とも、共通項として類似しているのは『福祉サービス業』。

【『介護サービス業』についての周囲(家族/親戚/友人/知人)の評価】
前回に比べ「特に印象はない・わからない」という割合は、前回に比べすべて減少。 “介護”に対する、無関心・知識なしといった層が減りつつある状況
『介護サービス業』のイメージは、他の産業に比べて、今後伸びていく成長産業というポジティブなイ メージがある一方で、体力的・精神的にきつい、給与基準が低い仕事といったネガティブなイメージも強い。

【『介護サービス業』に対する就転職業界としての想起/認知していること】
『介護サービス業』への就転職想起率は15.5%と、『福祉サービス業』と同水準(15.6%)。
『介護サービス業』について認知していることのトップは 「資格の有無にかかわらず、未経験からでもスタートできる職種であること」(33.9%)、 僅差で「介護事業者にも、人事・総務・営業・企画などの部門があること」(32.1%)。

【『介護サービス業の仕事』の事実を知った後の就転職想起率の変化】
「介護サービス業の仕事」の事実を知った後、『介護サービス業』への就転職想起率「想起者・計」の割合は、 15.3ポイント上昇(15.5%→30.8%)。 前回調査時同様に、事実理解後に想起率は大幅上昇する。

【『介護サービス業』の⼊職理由と退職理由】
『介護サービス業』就業経験者における入職理由は、「仕事にやりがいがあると思ったから」(28.0%)、「資格や専門知識を活かすことができると思ったから」(21.5%)がともに2割以上。

【『介護サービス業 職業イメージ』】…
『介護サービス業』の過去従事者の退職理由は前回と順位が逆転し、「体力的にきつい仕事だったから」 (23.3%)がトップ。次いで「精神的にきつい仕事だったから」(20.4%)。
【『介護サービス業』の退職理由(介護サービス業経験あり・過去従事者(離職者)のケース /複数回答)-退職理由は精神面よりも体⼒面のハードさがトップ。今回追加した”自分自身の体調不良“も退職理由の上位(3位)として挙げられ、その傾向は女性でより顕著だった。

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