ホーム > 医科・歯科 > 第10回 「伸びるクリニック勉強会」のご報告
平成23年9月11日弊社セミナー室において、株式会社 プラスPM 代表取締役 木村 讓二先生を講師にお迎えして第10回伸びるクリニック勉強会『成功する高齢者住宅の開発のポイント』を開催いたしました。 |
高齢者住まい法の改正により厚生労働省作成の療養病床削減計画を進めるべく、「サービス付き高齢者向け住宅制度」が創設されました。また、平成24年度の介護報酬改定において「24時間地域巡回型訪問サービス」の実施が検討されています。これにより高齢者住宅事業は需要が供給を上回る数少ない事業となり、介護・医療業界だけではなく不動産・建設業界においても注目されております。このような状況下で高齢者住宅が増えるにつれ、失敗事例も多く見られるようになりました。そこで、高齢者住宅事業を成功させるために開発計画の段階でどういう事項に留意すべきか、モデルケースや実例を基にお話していただきました。高齢者住宅の開発に際して考慮すべきポイントには以下のものがあります。1.事業目的の選定
地域との連携の強化を図るべく、在宅医療の強化を図るのか、介護事業の強化を図るのか、それともこれら全てを網羅していくのか方針を固める必要があります。
2.開発スキームの選定 事業目的に合った開発スキームを選定する必要があります。
3.マーケティング 半径4kmが第一次商圏と言われており、その地域内の高齢者の人数や所得・競合施設の状況を把握する必要があります。また、家賃設定に際しては地域の相場を知っておくことも必要です。
4.敷地選定 顧客目線で見て、その敷地が住むのに良い環境にあるかが重要です。また、建築費用を抑える観点からは大型車両の出入りが可能かどうかも重要となってきます。
5.居住空間の設計 ターゲットとする顧客層を考慮して居住空間を設計していく必要があります。例えば、要介護度の高い方々を対象とする場合には食堂や浴室の配置・形態に気を配る必要があります。
また、事前に各種関連法律や行政の指導指針を確認しておくことも必要です。 6.入居者募集活動 営業訪問先は当然のことながら各種施設のケアマネージャーが主な対象となります。従って、営業する方は現場経験者などのある程度専門知識を有する方である必要があります。広告媒体としては、第一次商圏が狭いこともあり、新聞折込よりも地域情報誌に掲載する方が効率良いでしょう。
また、ホームページに運営方針や内部の写真等の情報を提供することにより、顧客は安心して入居を考えることができます。 7.事業計画の設定 事業計画を考えるに際しては、事業カテゴリー別に収益性を検討する必要があります。医療法人であれば、①不動産賃貸事業(賃料を売上と考える)・②管理サービス事業(管理費・食費を売上と考える)・③介護事業・④訪問診療事業の4つのカテゴリーに分け、各カテゴリーごとに考える必要があります。
今後、冒頭で述べました状況下で、高齢者住宅事業における競争は激化するものと思われます。従って、上記ポイントを考慮しつつ、無駄な費用を省いて低価格な家賃設定をすることやリハビリの併設・デザイン性のある居住空間を設けることなどによって他施設との差別化を図る必要があります。 最後に、今回のセミナーにご参加下さいました先生方に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。 【お問い合わせ】 |