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日本クレアス税理士法人・上田公認会計士事務所の大藪直史です。
平成28年12月9日付けで、社会保障審議会介護保険部会において「介護保険制度の見直しに関する意見」が取りまとめられましたので2回に分けて、お知らせいたします。
●●地域包括ケアシステムの深化・推進●●
1. 自立支援・介護予防に向けた取り組みの推進
(1) 保険者等による地域分析と対応
【データに基づく課題分析と対応】
・ 各保険者が地域の実態を把握・課題を分析
・ 介護保険事業計画に、目標・取組内容等を記載
・ リハ職との連携等による自立支援・介護予防施策の推進
【適切な指標による実績評価】
・ 要介護状態の維持・改善度合い、地域ケア会議の開催状況等の適切な指標に従い、実績を評価
【インセンティブ】
・ 評価結果の公表、財政的インセンティブの付与の検討
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【国や都道府県による支援】
・ 各都道府県・市町村の地域分析に資するデータの提供(国)
・ 研修や医療職派遣に関する調整等(都道府県)
(2) 地域支援事業・介護予防・認知症施策の推進
・ ケアマネジメント支援について、地域の住民や事業所を含めた『地域全体をターゲットとする支援』へ拡大
・ 地域包括支援センターの機能強化(土日祝日の開所、地域ケア会議の内容の具体化・明確化、市町村による評価の義務付け等)
・ 介護予防に関するポイント付与が出来ることの明確化
・ 認知症の容態に応じたサービスを受けられる仕組みの構築
・ 認知症の人の視点に立った施策の推進
(3) 適切なケアマネジメントの推進等
・ ケアマネジメント手法の標準化に向けた取組の推進
・ 居宅介護支援事業所の運営基準等の見直し検討(管理者の役割、公正中立の確保等)(報酬改定時に検討)
2.医療・介護の連携の推進等
・ 医療介護連携の実態把握、課題の検討、課題に応じた施策立案に至る方法を国が具体化し、市町村にその実施を求める
・ 介護保険事業支援計画に、在宅医療・介護連携推進事業に対する医療部局との連携を含め、より実効的な市町村支援を盛り込むなど、都道府県の介護部局及び医療部局の双方が市町村支援に取り組むこととする
3.地域包括ケアシステムの深化・推進のための基盤整備等
(1) 地域共生社会の実現の推進 ・ 共生型サービスを位置付け
・ 相談支援専門員とケアマネジャーの連携の推進
(2) 介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)
・ ロボット・ICTに係る介護報酬や人員・設備基準の見直し等
・ 提出書類等の見直しや簡素化
(3) サービス供給への保険者の関与
・ 市町村協議制の対象拡大(ショートステイ)、地域密着型通所介護の指定拒否の仕組の導入、居宅サービス指定への市町村関与の強化
(4) 安心して暮らすための環境の整備
・ 有料老人ホームについて、前払金の保全措置の対象拡大等の入居者保護のための施策の強化等
これらの内容から、私が注目したのは、自立支援に向けた実績評価や、インセンティブをどのように制度設計するのかという点です。また、地域共生社会の実現に向けて、介護サービスと障がいサービスの規制緩和がどのように進むのかも注視していきたいと思います。
介護保険制度改正についてのご質問は、日本クレアス税理士法人・上田公認会計士事務所大藪直史までご連絡下さい。