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風になった医師-在宅で死ぬということ-(6/21)

2013/6/21

大阪市中央区の上田公認会計士事務所の上田です。
空梅雨から一転し長雨が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、本日は『風になった医師-在宅で死ぬということ』という本をご紹介いたします。
著者である田村学氏は、在宅医療を専門としたクリニックの理事長で、実際に治療した患者さんの物語を通じて在宅医療の必要性を説いています。
耳鼻咽喉科の臨床医として充実した日々を送っていた著者ですが、ある少女との出会いがきっかけで、在宅医療の世界に飛び込みます。

著者が、在宅での療養を開始される患者さんやご家族に説明する際に使用する「生き方(看取り)の図」をご紹介します。下記の①~⑤の段階があるそうです。

①歩けない
最初に現れる症状が、「自力で歩けなくなる」ことです。

②食べられない
歩けなくなり、ほとんど寝たきり状態になると、次は経口(口から)で食事が摂れなくなります。昔は、経口での食事が困難になると、そのまま緩やかに自然死に向かっていきました。通常、この食事が摂れなくなった段階で、医師に相談に来られるケースが多いそうです。

③呼吸が低下する
食事が摂れなくなると、やがて呼吸が低下していきます。昔は、この段階でみな亡くなっていきました。病院で入院していれば、気道確保や人工呼吸器を装着することにより延命も可能ですが、在宅医療ではせいぜい在宅酸素で対応する程度です。

④血圧が低下する
呼吸が浅くなってくると、次に現れるのは血圧の低下です。血圧が低下してくると、腎臓の機能が低下し、尿を出せなくなるので、体内に尿毒素などが残り、電解質濃度の調節ができなくなり、それによって意識がなくなっていくのです。

⑤意識がなくなる
「血圧の低下=意識がなくなっていく」ということです。血圧が著しく低下し、尿が排出されなくなり意識がなくなってきたら、24時間から48時間程度で亡くなられます。血圧が低下し始める前に残された時間を使って、最後に伝えたいこと、話したいことなど、心残りがないように過ごしてください。最後の瞬間がやってきます。

急変したときに、救急車を呼ぶかどうかも重要な判断になります。急変時に救急車を呼ぶことは「延命処置を承諾した」という意思表示が含まれます。一方、急変時に救急車ではなく、在宅医師を呼ぶという選択もあります。
在宅での看取りを行う場合に重要なことは、人間が亡くなっていくプロセスを理解し、なおかつ、急変時にどのような選択をするかを決めることだと著者は考えます。
「何もしない」という選択肢が、患者さん本人にもご家族の方にも幸せな結果をもたらすことも多いそうです。著者によると、QOD(quality of death)を少しでも良くすることが、QOL(quality of life)を改善することにつながります。
自分の生き方を改めて考えさせられる1冊でした。

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