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俺のイタリアン、俺のフレンチ

2013/9/27

大阪市中央区の上田公認会計士事務所の上田です。
台風も過ぎ去り、草花の色も深くなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回は、坂本孝氏のご著書「俺のイタリアン、俺のフレンチ」をご紹介します。
坂本氏は、1990年5月にブックオフを創業、16年間で1000店舗まで拡大され、書籍業界の流通に革命をもたらした人物です。
同業他社も増えましたが、中古書籍の買取販売と言えば、ブックオフの名を一番に思い浮かべる方も多いことでしょう。
ブックオフコーポレーション会長時に、リベート受取り問題などが発覚し、引責辞任されています。
その後、2009年11月に、VALUE CREATE株式会社(現在は、俺の株式会社という社名に変更されています。)を設立し、飲食業界に参入しました。
そして、2011年9月に『俺のイタリアン』を出店されました。
立ち飲みで一流シェフの料理を手頃な価格で食べられる、ということで大変有名になりましたので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。
同社の店舗経営に関しては、一般的な飲食店が持つ常識からは外れた考え方がたくさん盛り込まれています。

・フード原価率88%でも赤字にならない!?

これは信じ難い数字でした。
私共のような会計人の間では、飲食店の常識として、原価と人件費を合わせて60%以下とよく言われております。FLコスト、と呼ばれるものです。
そんな業界に参入し、原価率88%でも赤字にならないというのですから、驚かざるを得ません。
同社のシミュレーション上では、席数50で客単価3000円という条件で、4回転させることができれば、原価率88%でも赤字にならないのだそうです。
1回転だと月に187万円の赤字だというので、回転率が命とも言える計画です。
だから、立ち飲みという形態が向くのでしょう。

・銀座八丁目ドミナント戦略

同社の店舗は、東京にあります。
東京の中でも、銀座八丁目に集中して出店しています。
この本が出版された時点で、同社の店舗は銀座八丁目に7店舗あるようです。
この地域の他の飲食店は、銀座に出店した後に、新宿・六本木・渋谷など、エリアの広い繁華街に出店するケースが多いそうです。
現在は、関西にも進出しており、関西第一号店が大阪・道頓堀の「松竹芸能 角座広場」にあります。
なぜ、このように一極集中させるのでしょうか。
坂本氏は、このドミナント戦略を遂行することにより自社内競争を活発化させることを狙っています。
銀座八丁目にフレンチのお店が3店舗あります。シェフも違えば味も違う、それぞれの店舗が切磋琢磨してレベルを高め、各店に行列ができることを目指しておられます。
狭いエリアに7店舗、しかも一流の飲食店でひしめき合う銀座の地を選ばれたことは、これも驚きの戦略です。
同社の立ち上げ時から、坂本氏と一緒に経営に携わる元証券マンの安田道男氏が、このようなことを仰っています。
「これまでの常識に対して、数字に落とし込んだアイデアとのギャップがあるときは勝つチャンスが高いと、経験から確信を持っています」
私共は、お客様の事業計画立案時や月次会計の分析を行なう際、同業種の平均値や常識というものを参考にして見ることも多いです。
しかし、そのお客様につき個別の事情に合わせ、数字に落とし込んで判断することの重要性を改めて感じました。

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