上田公認会計士事務所の 中丸です。
もうすぐ4月、新しい年度のスタートでもあります。
さて、大阪市では24年10月から活力ある地域社会づくりに向けて、地域コミュニティ支援事業を行っています。
先日、この事業で地域活動を支援するアドバイザーを対象とした研修を聴講いたしました。
当日の講師はデザインという領域と社会の課題解決領域をむすびつけて活躍されている中川 悠氏(株式会社チュラキューブ代表)。
中川さんはWEB製作、編集、デザインを手がけながら、障害者、大学生、過疎などの課題に対して、様々な支援プロジェクトを立ち上げておられます。
そのひとつ、埼玉県府中市での霊園のお墓参り代行事業が紹介されました。
お墓参りに行きたいけど、高齢になってなかなか行けない、あるいは、転勤でお墓が遠くて行けない人のためのお墓参り代行を、障がい者福祉施設が行います。
これをデザイン性の高いHPで広告し受注につなげます。
一般的な代行会社の約半額で障がい者福祉施設は受注しますが、それでも障がい者の就労工賃は増額となります。
現在、どの障がい者施設も工賃アップは大きな課題です。
この課題を、単価の高い事業とつなげることで、解決の方向に進みました。
加えて、依頼者は安価でお墓掃除やお参りを依頼でき、それが障害者の支援にもつながります。
このような共感をよぶ課題解決プロジェクトは、人の資源×場所の資源×アイデアで生み出されるとのことです。
中川さんは、「どうすることも出来ないと考えたことでも、世の中にあるふわーとしたものをつなげていくと、解決していく」と話されています。
この、自分のまわりにある情報や資源をつなげて、課題を解決していく力を「編集力」と呼ばれています。
ちなみに、このアドバイザー研修の研修名は「地域編集研修」といいます。
地域の中の「人の資源」、「場所の資源」をつなげて、「アイデア」をプラスし、地域の課題解決を促し、活性化を支援する力、この「編集力」を身につけることが、地域活動アドバイザーに求められているということです。
しかし、考えてみるとこの「編集力」は、どの分野の仕事においても必要な力です。
また、「編集」の前に、編集の材料となる「資源」や「アイデア」の情報に対してアンテナを張り、多くの質のよい情報を集めることも大切です。
新年度から、まずは、時間を惜しまず、新しい場に出向くことを心がけたいです。
最後に、3/27に開催の地域編集研修では弊事務所の会計士 恒田が、地域活動における「会計の役割と実務」についてお話します。
アドバイザーの方を通じて、大阪市の地域活動における「会計の透明性向上」のお役に立てればと考えています。