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日本クレアス税理士法人大阪本部の 津田 です。
30年度の事業計画を策定するにあたり、法人様におかれては、職員の配置をご検討されている時期ではないでしょうか。
当年度から来年度にかけての退職・休職予定者数、来年度の採用予定者数等を予測しながら、収入の加算算定要件、補助金事業や委託事業の申請要件などを考慮し、収支の落としどころを見積もるのは、非常に難しく判断に悩まされることだと推察いたします。
特に昨今は、想定外の離職や計画通りに採用が進まないことなどにより、事業遂行に十分な職員数を充足できないため、事業の規模縮小等に踏み切らざるを得ない法人様もあると伺います。人材難といわれる状況下で、必要な人材を確保するにはどうすればよいのでしょうか。
人材確保で優先順位をつけるならば、①定着②育成③採用だと考えます。
つまり、①職員が辞めない環境にし、②職員に必要な能力をつけ、③新たな職員を増やす、という順番です。
職員の退職が続く法人様に退職の理由を伺うと、待遇への不満や家庭環境の変化など、職員の個人的な事情を挙げられることが多々あります。しかし、よくよくお話を伺うと、その理由は管理者側の単なる推測であるように感じます。
退職者やその同僚に丁寧にヒアリングをすると、本当の退職に至る原因は、労働時間・休暇(残業時間の多さ、休暇日数、勤務時間帯など)、仕事のやりがい(キャリアアップがはかれない、利用者との関係構築が困難、上司からの支援が不十分)などが挙がります。つまり、労働環境及び職員教育が整っていないと、既存職員が退職し、新規職員を採用してもまた退職が生じる、退職スパイラルにつながることになります。
退職要因を体制の整備不備、つまり管理者側の改善すべき課題と捉えることで、解決の道が見えてくるのではないでしょうか。
実際、離職の少ない法人様は、シフトの工夫、有休消化率の向上、職員教育の体制整備、そして上司による丁寧なヒアリングなどを心がけておられます。
まずは既存職員の定着と育成に尽力した上で、新規職員を採用すれば、職場環境が安定し、職員が安心して勤務を続けることができます。
人材派遣や人材紹介にコストをかけるよりも、人材定着と人材教育にコストをかけていくことをお勧めいたします。
福祉の事業は人材がないと成り立ちません。事業計画や予算を策定するこの時期に、職員が働き続けたい環境づくりについてもご検討いただきたいと思います。
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