ホーム > ブログ > 『居宅介護支援報酬改定』
日本クレアス税理士法人大阪本部の大藪です。
平成30年1月26日、介護報酬改定について、社会保障審議会介護給付費分科会が答申しました。
居宅介護支援の内容についてまとめましたので、ご確認下さい。
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(9)居宅介護支援
<基本報酬>
〇居宅介護支援(Ⅰ)
・ケアマネジャー1人当たりの取扱件数が40未満である場合又は40以上である場合に
おいて、40未満の部分
(旧) | (新) | |
(一)要介護1又は要介護2 | 1,042単位/月 | 1,053単位/月 |
(二)要介護3、要介護4又は要介護5 | 1,353単位/月 | 1,368単位/月 |
〇居宅介護支援(Ⅱ)
・ケアマネジャー1人当たりの取扱件数が40以上である場合において、40以上60未満
の部分
(旧) | (新) | |
(一)要介護1又は要介護2 | 521単位/月 | 527単位/月 |
(二)要介護3、要介護4又は要介護5 | 677単位/月 | 684単位/月 |
〇居宅介護支援(Ⅲ)
・ケアマネジャー1人当たりの取扱件数が40以上である場合において、60以上の部分
(旧) | (新) | |
(一)要介護1又は要介護2 | 313単位/月 | 316単位/月 |
(二)要介護3、要介護4又は要介護5 | 406単位/月 | 410単位/月 |
①医療と介護の連携の強化(一部★)
ア入院時における医療機関との連携促進
入院時における医療機関との連携を促進する観点から、以下の見直しを行う。
ⅰ居宅介護支援の提供の開始に当たり、利用者等に対して、入院時に担当ケアマネジャーの氏名等を入院先医療機関に提供するよう依頼することを義務づける。【省令改正】 |
ⅱ入院時情報連携加算について、入院後3日以内の情報提供を新たに評価するとともに、情報提供の方法による差は設けないこととする。 |
ⅲより効果的な連携となるよう、入院時に医療機関が求める利用者の情報を様式例として示すこととする。【通知改正】 |
<入院時情報連携加算の見直し【ⅱについて】>
(旧) | (新) |
入院時情報連携加算(Ⅰ)200単位/月 | 入院時情報連携加算(Ⅰ)200単位/月 |
・入院後7日以内に医療機関を訪問して情報提供 | ・入院後3日以内に情報提供(提供方法は問わない) |
入院時情報連携加算(Ⅱ)100単位/月 | 入院時情報連携加算(Ⅱ)100単位/月 |
・入院後7日以内に訪問以外の方法で情報提供 | ・入院後7日以内に情報提供(提供方法は問わない) |
※(Ⅰ)(Ⅱ)の同時算定不可 | ※(Ⅰ)(Ⅱ)の同時算定不可 |
イ退院・退所後の在宅生活への移行に向けた医療機関等との連携促進
退院・退所後の在宅生活への移行に向けた医療機関や介護保険施設等との連携を促進する観点から、退院・退所加算を以下のとおり見直す。
ⅰ退院・退所時におけるケアプランの初回作成の手間を明確に評価する。 |
ⅱ医療機関等との連携回数に応じた評価とする。 |
ⅲ加えて、医療機関等におけるカンファレンスに参加した場合を上乗せで評価する。 |
また、退院・退所時にケアマネジャーが医療機関等から情報収集する際の聞き取り事項を整理した様式例について、退院・退所後に必要な事柄を充実させる等、必要な見直しを行うこととする。【通知改正】
<退院・退所加算の見直し>
(旧) | (新) | |||
カンファレンス参加無 | カンファレンス参加有 | カンファレンス参加無 | カンファレンス参加有 | |
連携1回 | 300単位 | 300単位 | 450単位 | 600単位 |
連携2回 | 600単位 | 600単位 | 600単位 | 750単位 |
連携3回 | × | 900単位 | × | 900単位 |
(算定要件等) ○医療機関や介護保険施設等を退院・退所し、居宅サービス等を利用する場合において、退院・退所にあたって医療機関等の職員と面談を行い、利用者に関する必要な情報を得た上でケアプランを作成し、居宅サービス等の利用に関する調整を行った場合に算定する。 ただし、「連携3回」を算定できるのは、そのうち1回以上について、入院中の担当医等との会議(退院時カンファレンス等)に参加して、退院・退所後の在宅での療養上必要な説明を行った上でケアプランを作成し、居宅サービス等の利用に関する調整を行った場合に限る。 ※入院又は入所期間中につき1回を限度。また、初回加算との同時算定不可 |
ウ平時からの医療機関との連携促進
ⅰ利用者が医療系サービスの利用を希望している場合等は、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めることとされているが、この意見を求めた主治の医師等に対してケアプランを交付することを義務づける。【省令改正】 |
ⅱ訪問介護事業所等から伝達された利用者の口腔に関する問題や服薬状況、モニタリング等の際にケアマネジャー自身が把握した利用者の状態等について、ケアマネジャーから主治の医師や歯科医師、薬剤師に必要な情報伝達を行うことを義務づける。 【省令改正】 |
エ医療機関等との総合的な連携の促進
特定事業所加算について、医療機関等と総合的に連携する事業所を更に評価する。
(平成31年度から施行)
特定事業所加算(Ⅳ)(新設)125単位/月 |
○特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得し、かつ、退院・退所加算の算定に係る医療機関等との連携を年間35回以上行うとともに、ターミナルケアマネジメント加算(新設)を年間5回以上算定している事業所 |
②末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメント
アケアマネジメントプロセスの簡素化 |
著しい状態の変化を伴う末期の悪性腫瘍の利用者については、主治の医師等の助言を得ることを前提として、サービス担当者会議の招集を不要とすること等によりケアマネジメントプロセスを簡素化する。【省令改正】 |
イ頻回な利用者の状態変化等の把握等に対する評価の創設 |
末期の悪性腫瘍の利用者又はその家族の同意を得た上で、主治の医師等の助言を得つつ、ターミナル期に通常よりも頻回な訪問により利用者の状態変化やサービス変更の必要性を把握するとともに、そこで把握した利用者の心身の状況等の情報を記録し、主治の医師等医や居宅サービス事業者へ提供した場合を新たに評価する。 |
ターミナルケアマネジメント加算(新設)400単位/月 |
○対象利用者 ・末期の悪性腫瘍であって、在宅で死亡した利用者(在宅訪問後、24時間以内に在宅以外で死亡した場合を含む) ○算定要件 ・24時間連絡がとれる体制を確保し、かつ、必要に応じて、指定居宅介護支援を行うことができる体制を整備 ・利用者又はその家族の同意を得た上で、死亡日及び死亡日前14日以内に2日以上在宅を訪問し、主治の医師等の助言を得つつ、利用者の状態やサービス変更の必要性等の把握、利用者への支援を実施 ・訪問により把握した利用者の心身の状況等の情報を記録し、主治の医師等及びケアプランに位置付けた居宅サービス事業者へ提供 |
③質の高いケアマネジメントの推進
ア管理者要件の見直し |
居宅介護支援事業所における人材育成の取組を促進するため、主任ケアマネジャーであることを管理者の要件とする。その際、3年間の経過措置期間を設けることとする。 【省令改正】 |
イ地域における人材育成を行う事業者に対する評価 |
特定事業所加算について、他法人が運営する居宅介護支援事業所への支援を行う事業所など、地域のケアマネジメント機能を向上させる取組を評価することとする。 |
(旧) | (新) | |
特定事業所加算(Ⅰ) | 500単位/月 | 変更なし |
特定事業所加算(Ⅱ) | 400単位/月 | 変更なし |
特定事業所加算(Ⅲ) | 300単位/月 | 変更なし |
(算定要件等) ○特定事業所加算(Ⅰ)~(Ⅲ)共通 ・他法人が運営する居宅介護支援事業者と共同の事例検討会・研究会等の実施を要件に追加する。 ○特定事業所加算(Ⅱ)(Ⅲ) ・地域包括支援センター等が実施する事例検討会等への参加を要件に追加する。(現行は(Ⅰ)のみ) |
④公正中立なケアマネジメントの確保
ア契約時の説明等(一部★)
利用者の意思に基づいた契約であることを確保するため、利用者やその家族に対して、利用者はケアプランに位置付ける居宅サービス事業所について、複数の事業所の紹介を求めることが可能であることや当該事業所をケアプランに位置付けた理由を求めることが可能であることを説明することを義務づけ、これらに違反した場合は報酬を減額する。 |
なお、例えば、集合住宅居住者において、特定の事業者のサービス利用が入居条件とされ、利用者の意思、アセスメント等を勘案せずに、利用者にとって適切なケアプランの作成が行われていない実態があるとの指摘も踏まえ、利用者の意思に反して、集合住宅と同一敷地内等の居宅サービス事業所のみをケアプランに位置付けることは適切ではないことを明確化する。【通知改正】 |
(旧) | (新) | |
運営基準減算 | 所定単位数の50/100に相当する単位数 | 変更なし |
○以下の要件を追加する。 利用者やその家族に対して、利用者はケアプランに位置付ける居宅サービス事業所について ・複数の事業所の紹介を求めることが可能であること ・当該事業所をケアプランに位置付けた理由を求めることが可能であること の説明を行わなかった場合 |
イ特定事業所集中減算の対象サービスの見直し
特定事業所集中減算について、請求事業所数の少ないサービスや、主治の医師等の指示により利用するサービス提供事業所が決まる医療系サービスは対象サービスから除外する。なお、福祉用具貸与については、事業所数にかかわらずサービスを集中させることも可能であることから対象とする。 |
(旧) | (新) | |
特定事業所集中減算 | 200単位/月減算 | 変更なし |
○対象となる「訪問介護サービス等」を以下のとおり見直す。 | ||
<旧>訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護(※)、福祉用具貸与、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護(※)、認知症対応型共同生活介護(※)、地域密着型特定施設入居者生活介護(※)、看護小規模多機能型居宅介護(※)(※)利用期間を定めて行うものに限る。 | ||
<新>訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与 |
⑤訪問回数の多い利用者への対応
ア訪問回数の多いケアプランについては、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、市町村が確認し、必要に応じて是正を促していくことが適当であり、ケアマネジャーが、統計的に見て通常のケアプランよりかけ離れた回数(※)の訪問介護(生活援助中心型)を位置付ける場合には、市町村にケアプランを届け出ることとする。【省令改正】 |
(※)「全国平均利用回数+2標準偏差」を基準として平成30年4月に国が定め、6ヶ月の周知期間を設けて10月から施行する。 |
イ地域ケア会議の機能として、届け出られたケアプランの検証を位置付け、市町村は地域ケア会議の開催等により、届け出られたケアプランの検証を行うこととする。また市町村は、必要に応じ、ケアマネジャーに対し、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、サービス内容の是正を促す。【省令改正】 |
⑥障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携(★)
障害福祉サービスを利用してきた障害者が介護保険サービスを利用する場合等における、ケアマネジャーと障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携を促進するため、指定居宅介護支援事業者が特定相談支援事業者との連携に努める必要がある旨を明確にする。【省令改正】 |
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管理者の要件が主任ケアマネとなったことによりプラス改定になりました。集中減算の対象から医療系介護サービスがなくなったため、集中減算をうける事業所数は減ると思います。運営基準減算が新たにできるため、ケアマネ事業所はご注意下さい。
介護報酬改定についてのご質問は、日本クレアス税理士法人大藪までご連絡下さい。