医療・歯科・介護福祉業界の経営支援に強い大阪の公認会計士・税理士事務所

上田公認会計士事務所の洞口幹生です。

今回は表題の通り、私の疑問を書こうと思います。

簡単に申し上げると、「介護サービスって、ややこしいなー！」と日々思っているわけです。
訪問介護や通所介護なら、文字を見てある程度の予測はできます。
ただ、難しいのもたくさんありませんか？

小規模多機能型居宅介護…多機能って、どんな機能があるの？
有料老人ホーム…他の施設だって当然有料なんだけど、ここはどう違うの？

これ、普通わからんと思うのです。
私は幸いにも、会計の側面から介護事業者様に関わらせて頂いておりますし、事務所でも研修を受けさせて頂いていますので、全く関わりのない方に比べると知識はある方かと思います。
それでも、色々と新たなサービスも出てきますから、理解するのが大変だなと痛感しています。
一般の方だと、ますます難しいのでしょう。

そんな時には、マスコミからの情報というものが、一つの拠り所になります。
しかし、今年の1月20日にＮＨＫが放送した「ＮＨＫスペシャル」にて、誤報とも言える表現があり、問題になりました。

サ高住についての番組で「サ高住は医療機関ではないので、病気になると出ていかなくてはならない。」という風に捉えられる表現を数回使用しました。

何も知らないと、サ高住入居の妨げになる情報となるのかもしれません。
正しくは、高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則第13条に、こう明記されています。

「入居者の心身の状況変化で入居契約を解除できない。」

つまり、出ていかなくてもよいわけですね。
訪問診療や訪問看護等による医療サービスを受ければ済む可能性も大いにあるわけです。

一般財団法人 サービス付き高齢者向け住宅協会様では、ホームページに以下のような案内を出すくらい、問い合わせが多かった問題なのです。

一般財団法人 サービス付き高齢者向け住宅協会様へのリンク

制度改正が重ねられて複雑化し、誤解を生むような情報で溢れている中、利用者や家族は適切な判断をしていかなくてはなりません。
これは大変だと思いませんか。
ここまでは利用者目線で考えましたが、ここからは供給者側すなわち事業者様目線で考えてみましょう。

ありきたりな言い方になりますが、やはり大事なのは情報開示、というところでしょう。

具体的にどんなサービスが受けられるのか。
費用はどれくらいかかるのか。
利用者の評判はどうなのか。
その事業所の得意分野は何なのか。

この辺りのことを、積極的に表に出すべきだろうと思います。

インターネットやスマートフォンの利用に慣れ親しんでいる世代が、親の介護で悩んだ時に、まず最初にすることはインターネットでの検索だと思います。

残念ながら、多くの介護事業者様を見ていると、こういう環境への対応が10年程遅れています。

ライバルはどんどん増えています。
何も発信しない限り、外（見込み利用者）から見ると、「どこでも同じ」です。
いくら研修に力を入れて質を高めても、外から見てわかるようにしておかないと、見込み利用者に対する効果はありません。
その他大勢ある事業所の一つ、に成り下がるだけです。
「自分の事業所はここが違う！」と自信を持てる部分はどんどん表に出して、個性を磨き、独自のブランド力をつけましょう。

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