大阪市中央区の上田公認会計士事務所の上田です。
金木犀がほのかに香る季節がやってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、本日ご紹介するのは、『奇跡の営業』という本です。
著者は、中堅ゼネコンの現場監督から未経験にも関わらず44歳でソニー生命の営業マンに転職した山本正明氏です。技術者あがりの口下手な著者が営業の世界で成功できたのは、「紹介」に焦点をあてた独自の営業スタイルを確立したからだ、と著者は言います。
未経験だろうが、何歳だろうが、誰でもトップになれるという「“山本流”の紹介ノウハウ」を一部ご紹介いたします。
「営業での成功は紹介なくしてありえない」
モノが売れない時代というが、正確には、人々がどこで誰からモノを買っていいのかわからない時代である、だからこそ、紹介を介しさえすればこれほど売りやすい時代はない、と著者は考えます。そんな著者が、紹介をいただくノウハウは、たった1枚の魔法のアンケートです。アンケートの項目は、「はい」と「いいえ」でこたえられる簡単な設問を除けば、たったの二つ。「私の商談のどこがよかったか」「誰を紹介してくれるのか」。
著者が実践しているのは、頂いたアンケートを「自己分析ツール」として活用することで、紹介につなげていく手法です。気に入ってもらえた点を武器に営業すれば、同じように契約してくれる方はいるというわけです。アンケート用紙一枚で、誰でも成績が劇的に伸びるということを著者自身が証明しています。
「うまく話せない人ほど紹介は生まれる」
アンケートを軸にした紹介ノウハウは、話下手な人こそ成功するようにできていて、うまく話せずに悩んでいる人ほど、劇的に成績が伸びます。話上手な営業マンは、自分がしゃべることが主になってしまい、お客様の話を「うまく聴く」ことができないからだそうです。
話下手な著者が幾多の失敗から学んで編み出した、“成功する営業トークのルール”の一つに、「商品の価格のアピールをしてはいけない」というものがあります。これは、最初に価格の話をすると、それがお客様の意識に刷り込まれ、優先順位のトップが価格になり、そのあとでいくら商品の必要性やメリットを説明しても、なかなか心に響かなくなってしまうからだそうです。商談ではまず、商品の必要性やメリットを訴えることを心がけることが大切です。
改めて「紹介」の大切さを考えさせられる1冊でした。アンケートに少しの工夫を加えるだけで紹介につながるのであれば、実践してみる価値はあります。クリニック経営者の皆様も、ぜひアンケートを活用し、「紹介」を広げていってみてはいかがでしょうか。