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クリニックニュース 2013年10月4日号

2013/10/4

経済再生と財政健全化のために消費税8%へ

《政府》

安倍首相は10月1日、消費税率を2014年4月に5%から8%に引き上げることを表明した。増税を決断した理由として、「社会保障制度を安定させ、厳しい財政を再建するための財源の確保。経済の再生と財政健全化のふたつを同時に達成するほかに、道はない」と説明した。

同日には、「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」も閣議決定され、消費税率の引上げにあたり、「税収増を社会保障の充実・安定化に充てるのみならず、引上げによる、その反動減を緩和して景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げと好循環の実現を図り持続的な経済成長につなげるべく、経済政策パッケージを決定し、取り組む」としている。

中でも、社会保障の安定財源確保と財政健全化を同時に達成することを目指す観点から行われる社会保障と税の一体改革について、政府は、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度を確立するための社会保障制度改革を総合的かつ集中的に推進すると明記。本年8月の社会保障制度改革国民会議における審議結果により「社会保障制度改革推進法第4条の規定に基づく『法制上の措置』の骨子について」(いわゆるプログラム法案)が決定されたことを受け、社会保障制度改革についてはその方向性とスケジュールが明らかにされたとともに、消費税増収分と社会保障給付の重点化・効率化により必要な財源を確保しつつ行うこととなった。政府はこの骨子に基づく法律案を速やかに策定し、次期国会冒頭に法案を提出した上で、基礎年金国庫負担割合の1/2への引上げを恒久化するほか、消費税増収分を活用した社会保障の充実策として、「待機児童解消加速化プラン」の推進をはじめとする子育て支援や国民健康保険制度等の低所得者保険料軽減措置の拡充などの低所得者対策などに着実に取り組んでいくとしている。

消費税率引上げにあたっての対応として提示している経済政策パッケージのうち、成長力底上げのための政策として、成長戦略関連施策の当面の実行方針に、医療に関連した内容が明記された。例えば、日本の経済社会の風景を変える大胆な規制・制度改革を実行していくための突破口として、「医療等の国際的イノベーション拠点整備」等といった観点から、特例的な措置を組み合わせて講じ、成長の起爆剤となる世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出するために「国家戦略特区」の具体化を進める ―等。今後、国際医療拠点における病床規制の特例による病床の新設・増床の容認、保険外併用療養の拡充等の特例措置等について検討がなされていく。

医療と介護の連携に必要不可欠な訪問看護師の確保支援策を

《東京都》

東京都は9月30日、「大都市における地域包括ケアシステムの実現に向けた介護保険制度の見直し等に関する緊急提言」を公表した。東京都は、平成27年度の介護保険制度の次期改定を視野に入れ、東京のような大都市における地域包括ケアシステムの実現に向けた介護保険制度の見直しに関する提言を取りまとめ、同日、厚生労働省に提出。平成27年度の介護保険制度改正にあたり、社会保障審議会介護保険部会等において具体的に検討されるよう強く求めた。

現在、社会保障と税の一体改革の一環として、介護保険制度について見直しがなされており、平成26年度通常国会への法案提出を目指し、社会保障審議会介護保険部会にて議論が繰り広げられている。介護保険制度の見直しとして俎上に乗せられる項目としては、▼地域包括ケアシステムの構築に向けた地域支援事業の見直し(在宅医療・介護の連携強化、高齢者の生活支援・介護予防に関する基盤整備)、▼地域の実情に応じた要支援者1・2への支援の見直し、▼一定以上の所得を有するものの利用者負担の見直し、▼特別養護老人ホームに係る施設介護サービス費の支給対象の見直し ―等が挙げられる。これらに対し、今回、東京都は6つの提言をした。①既存の社会福祉法人が特別養護老人ホームを整備する際の社会福祉事業の実施に係る法人の資産要件を緩和、②地価が高くて土地の確保が難しい都市部においては、複数の区市町村が共同して特別養護老人ホームを設置利用する仕組みの構築、③定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、複合型サービスの設置促進策を講じること。また、医療と介護の連携に必要不可欠な訪問看護師の確保に向けた取り組みについて支援策を講じること、④軽度者への給付の見直しについては、早期に見直しの具体的な内容を明らかにするとともにサービスの確保やマネジメントを実施する保険者への財政支援を行う、⑤通所介護事業所が実施する法令に基づかない宿泊サービス(いわゆるお泊りデイサービス)について、早期に法令上のサービスとして位置づける、⑥サービス付き高齢者向け住宅への住所地特例の導入に当たっては、住所地特例の適用を受ける高齢者が地域支援事業を利用する場合において、不利益とならないような制度設計とする。また、医療保険制度における住所地特例の適用との均衡にも配慮する ―。

中でも③については、都では独自の整備補助を実施するなどして整備促進に取り組んでいるが、現時点では、区市町村の計画通りに進んでいない状況を説明し、医療と介護の連携を強化するためには、国として、地域包括ケアシステムを支えるサービスの設置促進に取り組む区市町村を財政的に支援するとともに、今後の高齢社会において必要な訪問看護師の確保に向け、都道府県が独自に行う取組について支援策を充実されたいと訴えている。

診療所の薬剤師設置義務免除、調剤数等から総合的な判断を

《厚生労働省》

厚生労働省は9月25日、医政局総務課長から各都道府県等の衛生主管部(局)長に向け「病院又は医師が常時3人以上勤務する診療所の専属の薬剤師の設置義務について」の通知を発出した。医療法第18条本文において、「病院又は診療所では都道府県等の条例の定めるところにより、専属の薬剤師を置かなければならない」と定められ、ここでいう診療所は「医師が常時3人以上勤務する診療所」と厚生労働省令にて規定している。一方、同条ただし書において、「病院又は診療所所在地の都道府県知事の許可を受けた場合はこの限りではない」と薬剤師設置義務が免除されることが示されている。

この点について、本通知では、都道府県等に対し、診療所における薬剤師設置義務の免除等の判断については、▼診療所が単科又は複数科であるかのみをもって判断するのではなく、調剤数等を総合的に判断、▼免除の許可を与えた場合は、当該診療所で処方せんが交付された際、地域の薬局で医薬品が患者に適切に提供されるように配慮する ―の2点についての配慮を求めている。

 

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