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月刊福祉経営情報 2013年10月 「社会保障制度改革プログラム法案」を臨時国会に提出 ~政府

2013/10/26

政府は10月15日、 社会保障制度の全体像や進め方などを示した「社会保障制度改革プログラム法案(持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案)」を閣議決定し、同日開会した臨時国会に提出した。同法案を成立させた後、2014年の通常国会以降、個別の見直し法案を順次提出する方針。

「講ずべき社会保障制度改革の措置等」では、まず自助の重視を打ち出し、「政府は、住民相互の助け合いの重要性を認識し、自助・自立のための環境整備等の推進を図るものとする」などとしている。

介護保険制度に関しては、▼一定以上の所得を有する者の介護保険の保険給付に係る利用者負担の見直し(1割から2割へ引き上げ)、▼特定入所者介護サービス費の支給の要件について資産を勘案する等の見直し、▼指定介護福祉施設サービスに係る施設介護サービス費の支給の対象の見直し――などを挙げ、「15年度を目途に講ずる。必要な法律案を14年に開会される国会の常会に提出する」としている。

医療に関しては、「持続可能な医療保険制度の構築に関する事項」として、▼国民健康保険の運営は都道府県が担うことを基本とする、▼国保の保険料及び後期高齢者医療の保険料に係る低所得者の負担の軽減、▼70歳~74歳の一部負担金の取扱い(1割から2割に引き上げ)──などを挙げ、「14年度から17年度までを目途に順次講ずる。このために必要な法律案を15年に開会される国会の常会に提出することを目指す」としている。

同法案では、社会保障制度改革推進本部と同推進会議を設置することも提示。同本部は内閣総理大臣を推進本部長に内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣らが同本部員を務める(副本部長の大臣は除く)。同会議は内閣総理大臣の諮問に応じ、受益と負担の均衡が取れた持続可能な社会保障制度の確立を図る改革について調査・審議する。

社会保障「受益と負担の均衡が取れた制度へと改革」

~安倍首相が臨時国会で所信表明

衆参のねじれが解消されて初の本格的な論戦の舞台となる第185回国会(臨時会)が10月15日、開会した。会期は12月6日まで。安倍晋三首相は所信表明演説で、社会保障に関し「受益と負担の均衡が取れた制度へと、具体的な改革を進めていく」などと強調した。

安倍首相は社会保障と財政再建に関し、「『経済政策パッケージ』を果断に実行し、日本経済を持続的に成長させる。そのうえで来年4月からの消費税率引き上げを予定通り実行することを決断した」と説明。そのうえで、「世界に誇る我が国の社会保障制度を次世代に安定的に引き渡していく。財源確保のための消費税率引き上げと同時に、保険料収入や税収の基盤である強い経済を取り戻さねばならない」などとして、財政健全化目標の実現を目指す必要性を挙げた。

併せて、「大胆に改革を進め、持続可能な制度を構築しなければならない」と強調したうえで、少子化対策を充実し全世代型の社会保障へ転換する意向を表明。「医療、介護保険、公的年金について、受益と負担の均衡が取れた制度へと、具体的な改革を進めていく。高齢者の皆さんが安心して暮らせる社会を構築する」などと述べた。

「持続可能で安心できる介護保険制度に改革」

~代表質問で安倍首相が答弁

臨時国会では10月16~18日、安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が行われた。安倍首相は介護保険について、「改革を通じて持続可能で安心できる制度としていく」との考えを強調した。 16日の衆院での代表質問では、民主党の海江田万里代表が「政府は介護保険から要支援対象のサービスを外し、ボランティア等を利用した市町村事業に移行すること、年収280万円程度以上の人の介護サービス料を2割に引き上げることを検討している。しかし、要支援1・2に認定されている人の半数くらいは認知症とされ、なかには徘徊する人もいて、決して症状は軽くはない。これが安倍総理の言う社会保障の安定と充実なのか」と質問した。

安倍首相は「介護が必要な状態となっても、住み慣れた地域での暮らしを継続できるようにするためには、在宅サービスなどを充実しつつ、受益と負担の均衡の取れた制度としていくことが必要だ」と説明。「政府では、要支援者への多様なサービスをより柔軟かつ効率的に行うための予防給付の見直しや利用者負担の在り方などについて、高齢者の所得の状況などに配慮しつつ検討を進めていく。これらの改革を通じて持続可能で安心できる介護保険制度としていく」と答えた。

「消費税の引き上げで在宅医療・介護の充実が可能に」

~衆院予算委の基本的質疑で安倍首相

「在宅医療や在宅介護サービスの充実には大きな要望がある。消費税の引き上げによって、それが可能になっていく」――。安倍晋三首相は10月21~22日に全閣僚が出席して基本的質疑を行った衆議院予算委員会で、消費税増税のメリットについて問われ、こう強調した。

21日には自民党・石破茂氏が「『この時期に消費税を上げるというのは、一体どういうことなのだ』とよく言われる」と指摘。「消費税を上げることによって、実際に国民にはどのようなメリットがもたらされるのか」などと安倍首相の見解をただした。

安倍首相は、毎年増大している社会保障費の問題を挙げ、「特に年金と医療と介護は毎年伸びていくわけで、これに対するしっかりとした対応が必要であるわけだ」と指摘。そのうえで、「社会保障の財源を安定的なものにしていかなければ、社会保障制度自体を安定的に次の世代に引き渡していくことはできない」と説明した。

消費税増税による国民のメリットについては、▼基礎年金国庫負担の3分の1から2分の1への引き上げ、▼「待機児童解消加速化プラン」をはじめとする子育て支援――を例示するとともに、「在宅医療や在宅介護サービスを充実していきたいというのは、相当大きな要望があるわけで、これも今回の消費税の引き上げによって、それが可能になっていくわけである」と強調。低所得者に対する保険料の軽減や難病対策の充実も挙げ、「さまざまな社会保障制度を充実することとしており、消費税財源という安定的な財源によって、国民が安心できる社会保障体制を構築・維持していきたいと思う」と述べた。

「医療・介護サービス提供体制推進本部」の初会合を開催

~厚生労働省

厚生労働省は10月11日、田村憲久厚生労働大臣を本部長とする「医療・介護サービス提供体制改革推進本部」の初会合を開いた。同本部は、効率的で質の高い医療・介護サービス提供体制の構築とともに、地域包括ケアシステムの推進を支援するため、部局横断的な連携等を深める目的で設置された。

同本部のメンバーは、本部長代理を厚生労働副大臣と政務官、副本部長を事務次官と厚生労働審議官がそれぞれ務める。このほか、医政、老健、保険、社会・援護の各局長に加え、▼老健、医療・介護地域連携担当、▼医療保険、医政、医療・介護連携担当、▼社会・援護担当――の審議官3人の計7人が本部員を務める。

同本部の下には、①「医療・介護連携推進プロジェクトチーム」と②「地域包括ケアシステム推進プロジェクトチーム」を設置。①では、医療計画と介護保険事業(支援)計画の連携、医療機能分化・連携や在宅医療・介護を進めるための新たな財政支援制度等について、関係部局で一体的に検討を行う。②では、今年度から来年度にかけて、自治体の第6期介護保険事業(支援)計画(中長期の見通しを含む)の策定作業に合わせ、自治体支援の活動などを推進する 。

介護サービス提供等「主治医機能の強化」の論点を提示

~中医協総会で厚生労働省

厚生労働省は10月9日の中央社会保険医療協議会総会で、「外来医療(その3)<主治医機能について>」と題する資料を示した。

「主治医機能の強化」に関する課題として、「主治医機能としては、アクセスしやすい医療機関であること、服薬管理、検診等の受診勧奨、気軽に健康相談できること、介護保険制度等の理解、在宅医療の提供および24時間の対応等が期待される」等を指摘。そのうえで、介護サービスの提供や在宅医療の提供など5項目の論点を提示している。

介護サービスの提供に関しては、「介護保険制度について、要介護認定に係る主治医意見書の作成や居宅療養管理指導等の介護サービスを提供すること等について、どう考えるか」と指摘。また、在宅医療の提供に関しては、「外来から在宅医療までの継続した医療の提供を行い、また24時間の対応を行うことについて、在宅医療への積極的な関与及び夜間の連絡先も含めて患者に対して説明と同意を求めること等についてどう考えるか」を挙げている。

社会保障給付の重点化・効率化等6項目の政策提言を発表

~経団連

日本経済団体連合会は10月15日、「社会保障制度改革の推進に向けて」と題する政策提言を発表した。提言は、①着実な消費税率の引き上げ、②給付の重点化・効率化策の着実な実施、③際限なき社会保険料負担増の抑制、④自助努力の積極的な奨励、⑤国民への分かりやすい説明、⑥社会保障・税番号制度の利活用促進――の6項目で構成。 重点化・効率化の具体例として、介護では、▼軽度者の訪問介護給付から生活援助を除外、▼所得や要介護度に応じた負担率の設定、▼特別養護老人ホームの利用者限定(重度者・低所得者)、▼区分支給限度基準額の引き下げの検討――などを指摘。医療では、70~74歳の患者負担の本則化や医療保険の給付範囲の見直し等を挙げている。

MMPG提供

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