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クリニックニュース 2013年10月21日号

2013/11/26

病院・診療所の防火設備の緊急点検求める

《国土交通省》

国土交通省は10月15日、住宅局建築指導課長から各都道府県建築主務部長に向けて「病院及び診療所の防火設備に係る緊急点検について」の通知を発出した。これは、10月11日に福岡県福岡市の整形外科で発生した火災で、死者10名、負傷者5名の犠牲が出たことを受けたもの。今回火災があった建物は建築確認の届出をせずに増築され、その際に煙感知方式に改修すべき防火戸が温度ヒューズ式のままとなっていたことが確認されている。また、防火戸が作動しなかったことが被害の拡大につながったとみられている。国交省では、火災による被害を防止するため、病院及び診療所の増改築の有無等、防火設備の状況などについて緊急点検の報告と周知を求めており、点検対象、点検方法等、違反の是正、点検結果の報告等について説明した。

点検の対象は、建築基準法別表第一に規定する病院及び診療所(患者の収容施設があるもの。以下同じ)で、▼地階又は3階以上の階を病院又は診療所の用途に供するもの、▼病院又は診療所の用途に供する部分の床面積の合計が300㎡以上のもの(平屋建てのものを除く)―であり、点検方法はこの対象のうち、定期報告の対象に指定しているものについては、直近の定期報告書をもとに、①確認申請書等と照合し、無届による増改築の有無等について、②防火設備の部分(管理の状況に係る部分を含む)について、要是正の有無についての確認を求めている。また、定期報告がなされていないものについては、建築基準法第12条第5項に基づき、建築物の所有者・管理者等に調査結果を求めた上で、①、②の確認をすることなどとしている。これら点検の結果、無届による増改築があり、建築基準法令の適合状況を確認して違反する事項が認められた場合や防火設備の部分について是正の必要が確認された場合には速やかに是正指導を行うと明記。点検結果については、各都道府県に平成26年1月15日までに報告することを求めている。

重複投薬の調整等、服薬管理を主治医機能へ

《厚生労働省・平成26年度診療報酬改定情報》

中央社会保険医療協議会は10月9日、総会を開催し、外来医療(その3・主治医機能について)を議題とした。厚生労働省が提案する診療所と中小病院を対象とする「主治医機能」の評価は次期診療報酬改定の焦点の一つであり、厚生労働省はこの日、主治医機能について、対象医療機関と対象患者、服薬管理等を論点に挙げている。

厚労省は主治医機能について、「外来の機能分化の更なる推進の観点から、診療所や中小病院の主治医機能を持った医師が、複数の慢性疾患を有する患者に対し、適切な専門医療機関等と連携することにより、継続的かつ全人的な医療を行う」とし、「主治医機能としてはアクセスのしやすい医療機関であること、服薬管理、検診等の受診勧奨、気軽に健康相談できること、介護保険制度等の理解、在宅医療の提供および24時間の対応等が期待される」としたうえで、主治医機能の詳細内容について、以下の通り、提案を示した。

対象医療機関 外来の機能分化の観点から、主治医機能については、地域の拠点となる病院ではなく、主としてアクセスしやすい診療所や中小病院が担い、また、複数の慢性疾患を持つ患者に対して、主治医機能を持った医師が、それぞれの専門性を持った医療機関と連携しながら、一元的な管理を行うことが重要である。

対象患者 複数の慢性疾患を有している患者は高齢者に多いが、それ以外の年齢層にも一定程度みられ、年齢に関わらず継続的かつ全人的な医療を行うことが重要。また、高血圧症、糖尿病、脂質異常症や認知症を有する患者が増加することが見込まれ、これらの疾患を主病とする患者に対する対応が重要である。

服薬管理 服薬管理のためには、主治医機能を担う医療機関が、患者が通院している医療機関をすべて把握するとともに、処方されている医薬品を全て管理することが重要であり、そのために診療所や中小病院においても、院内処方等により、医師自ら又は配置されている薬剤師等が、一元的な服薬管理を行う体制が必要。

健康管理 健康診断・検診の受診勧奨を行いその結果等をカルテに記載するとともに、評価結果をもとに患者の健康状態を管理し、また、気軽に健康相談できること。併せて、たばこ対策を行う。

介護保険制度の理解と連携 介護保険制度について、介護保険サービスを提供している医療機関が一定程度みられる一方で、指定申請手続きが煩雑等の理由で介護サービスを実施していない場合があり、要介護認定に係る主治医意見書の作成や居宅療養管理指導等の介護サービスを提供すること等が重要である。

在宅医療の提供および24時間の対応 在宅医療の提供や24時間の対応を行う医療機関は、在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院に限らないが、在宅医療への積極的な関与が重要。また、時間外対応加算の届出数も一定程度増えており、患者への時間外のニーズにも対応している。

厚労省はこれらの項目を『主治医機能』とし、包括評価をする考えも示した。次期診療報酬改定の議論で主治医機能について取り上げたのは今回が2回目であり、より詳細な検討がなされ始めた。主治医機能を評価すること自体は診療側・支払側の各委員一致し、今後、主治医機能に何を含めるか、診療報酬上の位置づけ等、更なる議論が重ねられる。

バナー広告とリンクする病院等のHPは広告扱いに

《厚生労働省》

厚生労働省は9月27日、医政局長から各都道府県等の衛生主管部(局)長に向け「『医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(医療広告ガイドライン)』の改正について」の通知を発出した。同ガイドラインにおいて、インターネット上の病院等のホームページは、当該病院等の情報を得ようとの目的を有する者が検索することから広告とは見なさないとしている。バナー広告、あるいは検索サイト上で検索した際にスポンサーとして表示されるものや検索サイトの運営会社に対して費用を支払うことによって意図的に検索結果として上位に表示される状態にしたもの(以下、バナー広告等)については広告として取扱われているが、それにリンクしている病院等のホームページの取扱いがこれまで明確ではなかった。そのため、今回、バナー広告等とリンクする病院等のホームページについても、バナー広告等と一体的な関係にあることによって一般人が容易に認知できる状態にあることから、広告として取り扱うことが明確化され、周知徹底が呼びかけられた。

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