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大阪市中央区の上田公認会計士事務所の上田です。
大寒を迎え、いよいよ冬将軍が到来する季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は、小山昇氏のご著書「絶対に会社を潰さない 社長の時間術」をご紹介したいと思います。
小山氏は、株式会社武蔵野の社長でありながら、「実践経営塾」「実践幹部塾」などといったセミナーを開催し、経営指導を精力的に行なっておられますので、経営コンサルタントとしても大変著名な方です。
多数のご著書を持つ小山氏ですが、私共の業界ではこれから繁忙期に入ることとなりますので、今回は時間術について書かれたものを選択いたしました。
・社長が判断するな
このタイトルを見て、驚きました。社長の仕事は意思決定の連続であり、その判断次第で、会社は良い方向にも悪い方向にも動きます。その判断を社長がしないで、誰がするのか。
小山氏によると、決めるのはお客様であり、ライバルは「競合他社」ではなく「時代」なのだそうです。
馬と荷車しかなかった時代に、自動車が登場したとします。よその会社が導入し始めている中で、自社にも導入するかどうかの判断をしなければなりません。
「高いし、壊れるかもしれないから…」と迷うのではなく、新しいことはとりあえずチャレンジし、体験してから考えるべきだと書かれています。
お客様にも選んでいただけなくなりますし、時代からも取り残されてしまいます。
変化の速い時代ですから、考えても仕方がないことは考えずに、50%の確率で成功しそうな内容なら実行するという、「見切り発車」が大切です。
・チャレンジして失うもの、得るもの
社長が重視するべきなのは、速さです。意思決定には、速さが必要です。
致命的な失敗にならない限りは、チャレンジしてみて失敗することが大切だそうです。人は失敗からしか学べず、失敗を積み重ねることで経験値が蓄積され、即断即決できるようになります。
業者に見積もりを依頼し、その提示額に対して値切ることによるプレッシャーをかけることも多いかと思います。しかし、小山氏は、「すぐ持ってきて。」というプレッシャーをかけます。それくらい、スピードを大切にしておられます。
お金がかかるという風に失うものに気をとられていると、得られるはずのものも得ることができなくなってしまいます。
・時間を作る社長の集中力
時間を作るコツは、集中して一気に片付けることだと書かれています。そして、終わったら気持ちを切り替えることが必要なのだそうです。
これは、社長だけではなくて社員の方々にも言えることだと思います。不快な気分を引きずったままでは、仕事の能率も上がりません。
小山氏は、気持ちを切り替える方法として、「こうしたら自分の気持ちが切り替わる」というパターンを知り、自分を騙すことを覚えなさいと説いています。
社長に怒られて嫌な気分になっている時には、自宅に帰ってから社長の写真にパンチする、社長の名前を書いた紙を持っておいてトイレで踏みつける…等と書かれています。
私も経営者としては、従業員がこんなことをしていると思うと悲しいことではありますが、こういうこともあるのかなと思っています。従業員の皆さんには気持ちの切り替えをどんな方法であっても上手くやってもらい、いつも気分良く前向きに挑戦してほしいと思っています。
時間をどれだけ有効に活用できるか、日々の業務時間を短縮して成果を上げる方法がたくさん書かれていました。
従業員にわざと失敗させて学ばせる、と書かれた内容もありましたので、それを実践するためには会社経営に余裕がなくてはならず、さずが立派な会社だと感じました。
人それぞれ、置かれている環境は様々です。
しかし、1日が24時間であることだけは、平等です。
タイトルには社長の時間術とありますが、この本の内容は社長だけでなく、社員の方にも参考になるのではないでしょうか。