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こんにちは、上田公認会計士事務所の若山です。
2月に入り、年末調整及び法定調書合計表の提出及び給与支払い報告書の提出が終了されたここと思います。
そこで、今回は法人の有する源泉徴収義務についてお話しさていただきます。
法人税法上の非営利型法人にとっての税務リスクは、消費税・印紙税・源泉所得税とよく言われます。消費税・印紙税・源泉所得税の中でも、税務調査の際に必ず指摘があがるのが、源泉所得税です。
給与の支払いをする者、報酬・料金の支払い者は、その支払いの際に所得税(復興特別所得税を含む)を徴収し、これを国に納める義務を有しています、これが源泉徴収義務です。給与や料金・報酬の支払いを行う際に、適正額を徴収し、国に納付しなければ、法人が源泉徴収義務及び納税義務を怠ったことになります。つまり、給与や料金・報酬を支払う際に、適正な源泉所得税を徴収することが重要になります。
まず、給与について源泉徴収が不足しやすいものは、出張等に係る旅費や食事の提供などです。旅費については、実費の精算を行う場合については、疑義は生じません。一方、旅費規程等で一定の基準を設けて支給する場合には、税法で規定されている「通常必要と認められるもの」の範囲を超えているかどうか慎重な判断が必要です。また、食事の提供については、所得税法基本通達に詳しく規定されていますので、その基準を満たしているかどうかを確認する必要があります。
次に報酬・料金についてですが、支払いを受ける者が個人である場合にはもちろん源泉徴収する必要がありますが、支払を受ける者が研究会等の団体である場合には、どうでしょうか。この場合には、その団体等が法人税を納める義務があること又は定款、規約、日常の活動状況などから、団体として独立して存在していることを明らかにした場合は法人として取り扱い、そうでなければ個人として取り扱い、源泉徴収を行うことになります。
また、謝礼・研究費・取材費・車代などの名目で支払われていても、その実態が報酬・料金等と同じであれば源泉徴収の対象になります。しかし、報酬・料金等の支払者が、直接交通機関等へ通常必要な範囲の交通費や宿泊費などを支払った場合は、報酬・料金等に含めなくてもよいことになっています。
つまり、給与や料金・報酬を支払う際に、適正な源泉所得税を徴収するためには、一つ一つの取り引きについて、源泉の対象となるのか、ならないのか慎重な判断が必要です。
詳しくは、弊事務所公益法人担当者(松井・若山・前本・恒田)までお尋ね下さい。