ホーム > FAXレポート > 歯科レポート > 月刊歯科医院経営ワンポイントアドバイス 2014年3月号
「歯科医院の増患対策」
■口コミは最大の増患効果をもたらす
新規患者が途切れない歯科医院の多くは、おそらく既存患者の口コミ(紹介)により来院される方が多いのではないでしょうか。受療した患者が、“治療後の調子がいい”“歯科医師をはじめとするスタッフの対応が良かった”など、体験し快く感じている場合、周囲の身近な方にも紹介したくなると思います。新規患者を紹介される医院になるためには、そういった既存患者から厚い信頼を得ていなければなりません。
また、患者に満足感をもたらす治療実績を積み重ねていくためには、歯科医師の治療技術の水準の高さが維持されなければなりません。これは歯科衛生士、歯科技工士の技能についても同様です。中でも、患者の歯科医院に対する最大の不安要素である「痛み」へのフォローは欠かせないでしょう。痛みを伴う治療をする場合には、特に治療内容を懇切丁寧に、ゆっくりと分かりやすく説明し、患者の不安を可能な限り緩和することが必要です。これこそ、院長や歯科衛生士の人間性をアピールするポイントであり、同時に患者側もそれを敏感に感じ取ることでしょう。
口コミで自院を紹介していただくために、ある程度の話題づくりをしておくことも大切です。何か他の医院とは違う「秀でた部分」や「感動・感心したところ」があれば、患者はそれを基に、周囲の人に話がしやすくなるのです。また、口コミで自院の良さを広めてくれるキーパーソンとなる人を見つけ、その人に陰の広報役となっていただくのも効果的です。例えば、地域の自治会長や町内会の役員、PTAの役員などの地域の信頼を集め、中心的な役割を果たしている方々が勧める歯科医院となれば、耳にした人は一度行ってみようかと思う可能性が高くなります。そのためにも、院長自ら地域の行事に積極的に参加し、人脈を構築してみてはいかがでしょうか。口コミに加え、院長の人柄を知っていただくとより効果的ではないでしょうか。
■口コミと接遇応対の関係
院長をはじめとする歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、受付などの歯科医院のスタッフの人間性を口コミで紹介していただくには、患者にスタッフの応対による感動や感心をもたらす必要があります。治療技術だけではなく、接遇・応対も質の高いものが要求される昨今、昭和のいわゆる“量の時代”から“質の時代”に変わり、人々はより質の高い品やサービスの提供を受けることに慣れてしまっています。ありきたりの応対やサービスは人の心に響きにくくなっている時代なのです。それは、歯科医院においても決して例外ではなく、他の医院よりも質の高い応対や医療の提供を追い求めなければなりません。
新規患者が来院して最初に応対するのが、受付スタッフであり、受付スタッフは医院の第一印象を決める最も重要な部署です。また患者と最後に応対するのも受付スタッフです。例え、診療室で院長と歯科衛生士が快い応対と丁寧な治療を行ったとしても、会計時の受付スタッフの応対が悪ければそれまでの印象が全て台無しになってしまいかねません。受付スタッフは他のスタッフのように国家資格に基づく医療行為の提供をしていないという点で、質の向上に注力していない医院を時折見かけます。しかし、医院の顔とも言える最も重要なこの部署を軽視することは、患者に悪い印象を与え、マイナスの口コミを広げる危険性を高めることにつながります。まずは受付から印象を改善してみてはいかがでしょうか。
■広告媒体の見直し
医院で使用する広告媒体には、ホームページ、看板、電話帳、新聞、院内誌などがあると思います。開業当初からずっと同じ場所に看板があったり、更新されないホームページなどは一度見直す必要があります。
看板は、自院の場所を示し誘導する目的があります。自院の医院名等を認知させる効果は徐々に薄れてくると思われます。周囲の環境は日々変化しておりますので、看板を立てた当初から10年も経てばその看板の効果も変化しているに違いありません。新たに分譲住宅地ができたり、道路が開通すると人の流れは大きく変わりますので看板の設置場所も環境変化に合わせて変えていくことが重要です。
また、ホームページ等については平成24年9月に厚生労働省より、医療機関ホームページガイドラインが発表され、厚生労働省ホームページ内に医療広告ガイドラインに関するQ&Aも掲載されており、広告できる範囲が具体例を示して分かりやすく説明されております。可能な範囲内で自院のアピールに活用していきましょう。
株式会社TKC和田経営センター
木下 知也