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従業員をやる気にさせる7つのカギ

2014/3/20

大阪市中央区の上田公認会計士事務所の上田です。
春の風が心地よい季節がやって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
当事務所では、最大の繁忙期である「確定申告」の業務を終えたところです。
御協力をいただいた全てのお客様に、心より感謝しております。

今回は、稲盛和夫氏の最新著書「従業員をやる気にさせる7つのカギ」をご紹介したいと思います。
稲盛氏は、京セラの創業者として有名なだけでなく、日本航空を2年8ヶ月で再上場させた実績もお持ちで、日本を代表する経営者の一人と言えるでしょう。

・仕事の意義を説く
 京セラで製造するファインセラミックスの開発時の苦労が例示されています。原料の粉を混ぜ、プレスし、焼き上げる…3K「きつい、汚い、危険」と言える仕事です。
 そんな仕事を、ただ「粉を鉢に入れて混ぜなさい」と指示したのでは、従業員をやる気にさせることができません。「粉を混ぜるという行為がどれくらい意義のあることなのか」ということについて、毎日説いたそうです。この研究開発が成功すればどういう未来があるのか、そのビジョンを従業員に持たせることができたから、やる気を保って働いてくれたのだろうと思います。

・ビジョンを高く掲げる
 「この会社を町内一にしよう。町内一になったら、中京区一になろう。中京区一になったら、京都一になろう。京都一になったら、日本一になろう。日本一になったら、世界一になろう。」と夢を語り続けたと言います。
ですが、当時中小零細企業だった京セラの従業員達は「できるわけがない」という顔で聞きます。京都と言えば、島津製作所など立派な先駆者がいて、壁が高すぎると感じたことでしょう。
しかし、稲盛氏は、倦まず弛まず言い続けました。そうすることで少しずつ、信じてもらえるようになったそうです。
 同じ会社で働く人間が、同じ夢や願望を持って働けるかどうかで、その会社の成長力に差が出てきます。理解できるまで言い続けるというのは地道なやり方ですが、近道などはないのだと感じました。

・ミッションを確立する
 稲盛氏は、創業の目的を「稲盛和夫の技術を世に問うため」としていました。その目的のために仕事をしているせいか、従業員からは昇給や賞与などの待遇保証を求める声が大きくなり、戸惑ったと書かれています。
 よく考えた結果、従業員の生活を守ることが会社の目的だと思い至るようになり、当初の目的を改め、経営理念を作られたそうです。
「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。」
 当初の目的のままであれば、どれだけ会社が大きくなっても、社長の個人資産が増えるだけだと従業員に感じられてしまいます。社長個人の私利私欲のためにあるような会社では、従業員のやる気も保てないでしょう。
 稲盛氏は、他のご著書でも「利他の心」と書かれますが、この時こそがそのお考えに至った原点なのではないか、と感じました。

 こちらの本は、「稲盛和夫の経営問答」と副題がついており、実際の経営者の悩みに対して稲盛氏が答える形式で書かれています。
 ご自身のお悩みに近いものがあるかもしれませんし、それに対する稲盛氏のお考えも読むことができます。よろしければ、お手に取ってみてください。

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