こんにちは。上田公認会計士事務所の洞口幹生です。
介護事業者の皆様方は、4月1日からの単位変更に伴う、利用者様への重要事項説明書の説明・同意などで、
バタバタとした3月下旬を過ごされたことと存じます。
また、当事務所でもセミナーテーマに取り上げておりますが、介護保険法改正の行方も気になります。
こんな時期ではありますが、本を紹介したいと思います。
高倉秀二氏のご著書「評伝 出光佐三 士魂商才の軌跡」です。
この本は、1990年に発行されて絶版になっていたのですが、
今年の1月に復刊されました。
主人公である出光佐三氏も、著者の高倉秀二氏も、
お二方とも亡くなっておられるのに、こうして復刊されるのはすごいことです。
本のタイトルにもある「士魂商才」ですが、これはどういう意味なのでしょうか。
そのまま読むと、武士の精神と商人の才能を兼ね備えた人、を指す言葉のように思えます。
私は、これを経営に置き換えて、
「高い志を持ちながら、計数管理も徹底する」ということだと解釈しています。
介護事業においては、これまでであれば、
まずヘルパーステーションを立ち上げて、軌道に乗ったら小規模デイサービスを開業し、
デイの高い利益率により事業所を成長させていく…というモデルが多かったように思います。
しかし、今後の改正案の中には、レスパイト型のデイの報酬が下がるのではないかと読み取れるものもあり、
厳しい改定が待っているとの予測が大勢を占めているものと思います。
「利用者様本位で、質の高いサービスを提供する」
これは素晴らしいことなのですが、これだけではいけないのだろうと思います。
徹底した介護サービス事業毎の部門別会計を行いましょう。
1利用者あたりの平均単価や従業員1人あたりの平均売上高、稼働率などを常に管理しましょう。
こうして実績値を把握し、目標を掲げてそれに向かって進んでいくことが大事です。
環境が激しく動いていく今だからこそ、まず足元から見つめなおしてみませんか。