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租税特別措置法40条適用の実態

2021/3/1

みなさん、こんにちは。
日本クレアス税理士法人の政森です。

今回は、
「租税特別措置法40条適用の実態」
について書きたいと思います。

・租税特別措置法40条ってなに?(以下、「措置法40条」といいます。)
措置法40条とは、個人が法人に対して現物寄附をおこなった場合に
寄付者である個人に対して、譲渡所得課税がおこなわれてしまうのですが
措置法40条を適用することによって、譲渡所得課税を非課税にすること
ができます。
 
・措置法40条の適用件数ってどれくらい?
令和元年度公益法人の寄附収入に関する実態調査結果報告書によると、
平成20年12月以降に現物寄附を受け入れた公益法人のうち、
措置法40条の非課税申請が行われ、実際に非課税となったものがある又は
現在、非課税申請を行っていると答えた法人は16.6%、
非課税申請が行われたものはない又はわからないと答えた法人は83.9%にもなっています。
また、措置法40条の非課税申請が行われ、実際に非課税となったものがある又は
現在、非課税申請を行っていると答えた法人のうち、
申請件数が1件のみという法人は全体の64.6%となっていて、
適用件数は明らかに少ないですよね・・・

・措置法40条を受けるには?
措置法40の適用を受ける際には2つの方法があります。
一般に「一般特例」「承認特例」として区別され、
それぞれ以下のような要件があります。

 「一般特例」の適用要件とは・・・
(要件1)公益増進要件
     その寄附が教育又は学術の振興、文化の向上、社会福祉への貢献
     その他公益の増進に著しく寄与すること。
(要件2)事業供用要件
     寄附財産を、寄附があった日から2年を経過するまでの期間内に
     受贈法人の公益目的事業の用に直接供する、又は供する見込みであること。
(要件3)不当減少要件
     その寄附が寄附者又はその親族等の相続税、贈与税の負担を不当に減少する
     結果とならないと認められること。

「承認特例」の要件とは・・・
(要件1)寄附をした人が寄附を受けた法人の役員等及び社員並びに
     これらの親族等に該当しないこと。
(要件2)寄附財産について、寄附を受けた法人の区分に応じ、
     一定の基金若しくは基本金に組み入れる方法により管理されていること
     又は不可欠特定財産に係る必要な事項が定款で定められていること。
(要件3)寄附を受けた法人の理事会等において、寄附の申し出を受け入れること
     及び寄附財産について基金若しくは基本金に組み入れる方法により管理すること
     又は不可欠特定財産とすることが決定されていること。

・「一般特例」と「承認特例」の違いは?
一般特例と承認特例とでは大きく異なる点が2つあります。
まず、一つ目は上記からも分かるように、承認特例では一般特例にある2年以内の
公益目的事業における事業供用要件はなく、基金への組み入れを定款で定め、
理事会等の決議を経ることが適用要件となっていますので、要件としては
大きく緩和されています。
2つ目は、適用要件ではないですが、承認特例では手続き規定において
承認期間が大幅に短縮されます。
一般特例では、承認までに相当の期間を有しますが、承認特例は自動承認となった
ことにより、最長でも3か月で承認されるということになります。

令和2年度の改正では、承認特例の適用対象法人が拡充されて
認定特定非営利活動法人等(認定特定非営利活動法人・特例認定特定非営利活動法人)
も対象となりました。
措置法40条について、国税庁の資料がとても分かりやすので
ご興味のある方は、一度ご覧いただけたらと思います。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020006-125.pdf

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