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日本クレアス税理士法人
上田公認会計士事務所の 小西 です。
2月1日発行 福祉新聞 より、保育所の退職共済継続について
ご紹介いたします。
厚生労働省は、社会福祉施設職員等退職手当救済制度について、
保育所などへの公費助成を2024年度まで継続することを決めました。
児童養護施設、養護老人ホームなどの措置施設・事業への公費助成も
継続するとのことです。
同制度は福祉施設を経営する社会福祉法人が任意で加入するもので、
公立の福祉施設職員との待遇格差を埋めるために1961年より始まり
ました。
掛け金は国と都道府県が3分の1ずつ助成し、残り3分の1を
社会福祉法人が負担します。
その後、高齢者施設・事業は2006年に、障害者施設・事業は2016年に
それぞれ公費助成は廃止されており、保育所なども障害者施設・事業と
同時期に廃止の議論がされました。しかし、2015年度からの子供・子育て
支援制度の状況や、2017年6月策定の「子育て安心プラン」に取り組むため、
2020年度まで判断は先送りにされていました。
1月25日の社会保障審議会福祉部会では公費助成の継続に
委員から目立った反対意見はなく、日本保育協会の高橋英治委員は
「保育は公営の割合が30%と高く(介護は1%)、営利法人などは
16%と低い(介護は75%)ことなどから、期限を切らず継続してほしい」
と求めました。
退職共済の掛金は、現在44,500円を保育所が負担しています。
もし公費助成が廃止となると、職員一人当たり89,000円の負担増となり、
対象職員が30名の場合、年間2,670,000円が人件費に加算されることに
なります。
少なくとも2020年12月に策定された「新子育て安心プラン」に
基づいて、2024年度末までに保育の受け皿を約14万人分
整備するにあたり、保育の人材を確保するためには、公費助成を
継続する必要があると考えられますし、保育士処遇の安定のために
継続頂きたいものです。