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かばんはハンカチの上に置きなさい

2014/6/24

大阪市中央区、上田公認会計士事務所の上田です。
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ではございますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回は、川田修氏のご著書「かばんはハンカチの上に置きなさい」をご紹介したいと思います。
川田氏は、プルデンシャル生命保険㈱のライフプランナーです。その前は㈱リクルートで勤務しておられましたが、両社で年間最優秀の営業成績で表彰を受ける大活躍をしてこられました。トップ営業の川田氏が、日々の営業で心掛けておられる小さなルールについて、いくつかご紹介します。

・かばんをハンカチの上に置く
川田氏は、白いハンカチをかばんに入れておき、お客様のご自宅に上がった際に床に広げて、その上にかばんを置きます。
理由は、かばんの底は土足と同じだからです。かばんは、電車や喫茶店などで、地べたに置いてしまうことがあるものです。お手洗いの床に置く、という人もいるかもしれません。そうして色んなところを歩き回ったかばんを、営業先のお客様の家の中に置くというのは、土足で入っているのと同じだという考え方です。
川田氏がこうすると、お客様は「そんなことしなくてもいいですよ!」とおっしゃるそうです。裏を返すと、「そんなことまでする営業の人は、今まできたことがない」という意味にもなります。こうして、一目置かれる営業マンになっていかれたのでしょう。

・お客様用の靴べらを使わない
お客様のご自宅や事業所などに行くと、玄関には靴べらが置かれています。これは、お客様が靴を履く時に使ってもらうためにあるものです。しかし、川田氏はこれを使いません。携帯用の「マイ靴べら」を出してサッと履いて、出て行くようにするそうです。
理由は、営業マンは「訪問者」ではあるものの、「お客様」ではないからです。

・お客様は、商品と一緒に空気を買う
同じ会社で扱う商品やサービスは同じである営業マンが複数名いるとします。しかし、スタートが同じなのに、気がつけば営業成績に差が出ていることがよくあります。
これを不思議と感じるのは、お客様が買っているものは商品やサービスだけ、と考えているからなのです。実は、周りにある「空気」も一緒に買うのです。
「空気」とは、その会社の企業理念や、営業マンの仕事への考え方やお客様への気遣い、人生観や価値観のようなものだそうです。
「何を買うか」だけでなく、「誰から買うか」ということでしょうか。知識や経験、ノウハウということだけでなく、人間としての魅力も求められるものだと感じます。

・生命保険の価値
川田氏がお客様に教えられた、という事例があります。他の大口の商談に意識が向いていたため、今回のような小口の案件に集中できずに取り組んでしまい、後悔したというものです。
相手は20代独身女性です。一般的に、独身の場合は身内の生活費や教育資金を考える必要がなく、万が一に備えてお葬式代程度のものが出る生命保険を組むそうです。今回のお客様にもそういうプランを提案し、内諾を得ました。
しかし、その後のお話の中で、女手一つで育ててくれた、他に身寄りのない母がいることがわかったのです。自分に万が一のことがあった場合には母の生活資金が心配だ、というニーズが出てきました。
本来、保険のプランを組む前に十分に聞いておくべき内容のはずで、今回は保険に入る理由さえきちんと聞いていなかったことになります。20代の独身女性だったらこれでいいだろう、と勝手に決め付けてプレゼンをしたわけです。
その後、集中し直してヒアリングし、より適したプランへの変更をしたそうです。「気持ちの上では、自分もお客様の隣に座っているような立場で取り組むべきだ」ということを学ばれました。こうして、仕事において大切なことは、お客様が教えてくれるのだそうです。

他にも、たくさんの小さなルールが紹介されています。どれも、それほど難しいことではないようなものばかりです。やはり、継続して積み重ねていくことが大切なのだと感じさせられました。全部真似をすることが難しくても、良いと思うものを取り入れて、他の人とは少し違うと思っていただけるような専門家になりたいものです。

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