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社会福祉連携推進法人の可能性

2021/10/29

日本クレアス税理士法人・上田公認会計士事務所の津田です。

 

令和4年度より社会福祉連携推進法人制度が施行されます。福祉サービス事業者間の連携・協働を図るための新たな法人制度として、活用が期待されております。

単体の法人では、ヒト、アイデア、資金、時間に制約があり容易になしえないことを、同じ目的をもつ複数法人が連携して取り組むことができるように、設けられた制度です。

この社会福祉連携推進法人はどのような制度なのか、そして何ができるのかなど、ご質問も増えております。

 

制度全体につきましては、厚生労働省HPに詳しい情報があります。

厚生労働省 特設ページ→ 社会福祉連携推進法人制度 (mhlw.go.jp)

厚労省担当官によるyoutubeを使った動画(約30分)と、資料(102ページ)が準備されており、制度を知りたい側に非常に丁寧な対応を取って下さっています。

あわせて先駆者の取組事例、在り方検討会のリンクなど厚労省情報が一元化されております。ぜひ参考になさって下さい。

 

社会福祉連携推進法人は簡単に申しますと、社会福祉法人等が複数で社員として参画する一般社団法人です。

重要事項の議決機関は社員総会、業務の執行は理事会が行います。そして社会福祉連携推進法人評議会が意見具申・評価機関として設置され、地域ニーズをくみ取る仕組みとなっています。

一般社団法人は、法人税法上の要件を満たせば「非営利型一般社団法人」となります。つまり、社会福祉法人と同様に法人税法上の収益事業のみ課税対象となります。また、公益法人認定法の要件を満たせば、公益法人の認定を受ける道もございます。

 

そして、社会福祉連携推進法人でできる業務が「社会福祉連携推進業務」です。6つの業務(①地域福祉支援業務 ②災害時支援業務 ③経営支援業務 ④貸付業務 ⑤人材確保等業務 ⑥物資等供給業務)があり、全部または一部を選択して実施することになります。なお、社会福祉事業(同様の事業を含む)の実施はできません。

特に関心が高いのが⑤人材確保等業務、つまり採用や研修の共同実施です。前提として給与や人事評価制度の標準化が求められますが、緩やかな連携でしたら共同研修は取り組みやすい業務です。次に ②災害時支援業務への期待も大きいです。令和3年度介護報酬改定で話題になったBCP作成義務への対応で、入所者の相互受入などそ盛り込む検討はできるのではないでしょうか。加えて、事務職員の人材不足対応として ③経営支援業務として会計処理の一括化や共同しての財務状況分析、専門家によるコンサルなども社会福祉連携推進法人の活用が期待されます。

 

外部環境が激変する中、経営の舵取りを行う法人管理職の方々には、自法人のみでは解決できない課題を、複数の力で解決に近づけていく可能性が社会福祉連携推進法人という制度にあると考えます。

 

弊社は医療福祉介護の経営コンサルを行う専門家グループ、MMPGの一員であり、このMMPGの川原理事長は、社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会 の構成員を務めておりました。

社会福祉連携推進法人に限らず、社会福祉法人の運営、会計にお悩みがございましたら、ぜひ個別相談会にお越し下さい。

 

初回は無料(1時間)で、社会福祉法人専門の税理士が、法人の運営や会計、税務などのご質問に回答いたします。
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