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クリニックニュース 2014年9月5日号

2014/9/18

認定取消の社会医療法人も「過去の認定時期優遇」を要望
《厚生労働省・平成27年度税制改正要望》

厚生労働省は8月29日、「平成27年度税制改正要望」を公表した。要望事項は、▼子ども・子育て、▼就労促進等、▼健康・医療関係、▼医療保険関係、▼介護・社会福祉関係、▼年金関係、▼生活衛生関係、▼その他(独立行政法人等・グリーン投資減税・震災からの復興) ――の8つに分類。中でも、医療・介護関連は以下のような要望がなされている。
●医療に係る消費税の課税のあり方の検討〔消費税・地方消費税〕:医療に係る消費税のあり方について、消費税率が10%に引き上げられることが予定される中、医療機関等の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分に配慮し、医療関係者、保険者等の意見も踏まえ検討し、結論を得る。
●高額な医療用機器に係る特別償却制度の適用期限の延長〔所得税、法人税〕:医療保健業を営む個人又は法人が、取得価格500万円以上の高額な医療用機器(高度な医療の提供に資するもの又は指定を受けてから2年以内のもの)を取得した場合に、取得価格の12%の特別償却を認める特例措置について、対象機器を見直した上で、その適用期限を2年間延長する。
●医療安全に資する医療用機器の導入に係る特別償却制度の適用期限の延長〔所得税、法人税〕:医療保健業を営む個人又は法人が、医療安全に資する医療用機器を取得した場合に、取得価格の16%の特別償却を認める特例措置について、その適用期限を2年間延長する。
●社会保険診療報酬に係る非課税措置の存続〔事業税〕:社会保険診療の高い公共性に鑑み、社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置を存続する。
●医療法人の社会保険診療報酬以外部分に係る軽減措置の存続〔事業税〕:医療事業の安定性・継続性を高め、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保に資する医療法人制度を支援するため、医療法人の社会保険診療報酬以外の部分に係る事業税の軽減措置を存続する。
●社会医療法人の認定制度の見直しに伴う税制上の所要の措置〔法人税、法人住民税、事業税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税〕:「『日本再興戦略』改訂2014」等を踏まえ、社会医療法人の認定要件の見直しを行うに当たり、現在社会医療法人に措置されている非課税措置等について、その認定要件の見直しを行った場合においても引き続き適用する。
また、周辺環境の変化等により要件を満たせなくなり認定を取り消された医療法人について、一定の要件を満たす場合には、過去に認定を受けていた時期における収益全額を取消年度の益金に参入する取扱いを免除する措置を講ずる。
●非営利ホールディングカンパニー型法人(仮称)の創設、その他の事業再編に関する制度見直しに伴う税制上の所要の措置〔所得税、法人税等〕:医療法人の事業展開等に関する検討会において検討している、非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)の創設及びその他の事業再編(医療法人の分割等)に関する制度見直しについて、必要な税制上の措置を講ずる。
●介護保険法改正に伴うサービスの見直しに係る税制上の所要の措置〔法人税、法人住民税等〕:介護保険法改正に伴い、予防給付のうち地域支援事業へ移行される各サービスについて、引き続き従前のサービスと同様の税制上の所要の措置を講ずる。また、同様に、通所介護のうち地域密着型通所介護へ移行される小規模な通所介護について、引き続き従前のサービスと同様の税制措置を講ずる等、法改正に伴う税制上の所要の措置を講ずる。
●サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の延長〔不動産取得税、固定資産税〕:サービス付き高齢者向け住宅について講じられている次の税制上の特例措置の適用期限を、2年間延長する。①新築住宅で一定の要件を満たすものを取得した場合、不動産取得税の課税標準から一戸につき1,200万円を控除する、②新築住宅で一定の要件を満たすものに係る土地を取得した場合、不動産取得税の税額から150万円又は住宅の床面積の2倍に当たる土地面積相当分の価格を減額する、③サービス付き高齢者向け住宅である賃貸住宅であって、一定の要件を満たすものに対して課する固定資産税を5年間にわたって、3分の1に減額する。
●社会福祉法人制度等の見直しに伴う税制上の所要の措置〔所得税、法人税等〕:社会福祉法人制度等については、社会保障審議会福祉部会において見直しの検討を行っており、その結果を踏まえて税制上の所要の措置を講ずる ――等
厚生労働省では、例年、税制改正への要望を一般公募していたが、平成27年度改正に向けては、一般からの要望募集はせず、要望案をまとめている。

医療介護提供体制整備に向けた「総合確保方針」の素案を提示
《厚生労働省》

厚生労働省は8月29日、医療介護総合確保促進会議の第2回会合を開催し、「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(総合確保方針)の素案を提示した。平成26年6月に成立した医療介護総合確保推進法では、この方針を厚生労働大臣に定めることを命じている。この日、提示された素案は5部構成で、①地域における医療および介護の総合的な確保の意義、および基本的な方向、②医療計画基本方針および介護保険事業計画基本指針の基本となるべき事項、ならびに医療および介護の総合的な確保に関し、都道府県計画、医療計画、および都道府県介護保険事業支援計画の整合性の確保、③都道府県計画および市町村計画の作成、ならびにこれらの整合性の確保、④公正性および透明性の確保、その他基金を充てて実施する都道府県事業、⑤その他 ――。中でも、社会保障と税一体改革による消費税増収分を「基金」として充てられて実施する事業の範囲について、▼地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設、設備の整備、▼居宅等における医療提供、▼介護施設等の整備、▼医療従事者の確保 、▼介護従事者の確保 ――等と規定した。次回、9月8日の会議で「総合確保方針」を取りまとめる予定である。

自己負担が2割となる一定以上所得者の判断基準案、提示
《厚生労働省》

厚生労働省は8月27日、老健局介護保険計画課から各都道府県介護保険担当主管部(局)に向け「自己負担が2割となる『一定以上所得者』の判断基準案について事務連絡を行った。これは、6月にまとまった医療介護総合確保推進法における介護保険法改正により、平成27年8月1日より一定以上の所得のある第一号被保険者の自己負担を現行の1割から2割に引き上げられることを受け、周知徹底を求めたもの。事務連絡では、所得の判定基準は今後政令で定めるとしたうえで、これまでに示してきた地方税法の合計所得金額160万円以上を基本として検討しているという基準に加え、「年金収入+その他の合計所得金額」を用いた2段階の判定を行う方向で検討することになったとし、基準は最終的には政令で定められるが、保険者の施行準備等の参考となるよう、あらかじめ情報提供された。

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