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不適切保育について

2022/12/31

日本クレアス税理士法人
上田公認会計士事務所の 野口 です。

静岡県の保育園で園児に虐待を行ったとして保育士が逮捕された事件については皆様も記憶に新しいことかと存じますが、
宮城県の保育施設においても下着姿のまま食事をさせるなどで保育士と園長に対して出勤停止させる事案が発生しました。

そこで、令和4年12月7日に厚生労働省から各自治体等に対して改めて”保育所等における虐待等に関する対応について”の
留意事項等を整理した事務連絡を行い、そのお知らせがHPに掲載されました。
大きく3つに分かれており下記のような内容となっております。

1.保育所等における虐待の防止について
●虐待を未然に防止することが重要であり、「不適切な保育の未然防止及び発生時の対応についての手引き」や
全国保育士会が作成した「保育所・認定こども園等における人権擁護のためのセルフチェックリスト」も活用し、今一度保育の在り方を点検すること。

2.虐待が疑われる事案が発生した場合の対応
(1)市区町村・都道府県への情報提供・相談等について
●「手引き」でお示ししたとおり、保育所等において虐待が疑われる事案を
把握した場合、市区町村や都道府県に設置されている相談窓口や担当部署に対して、把握した状況等を速やかに情報提供し、今後の対応について協議することが必要である。

●保育所等において不適切事案や虐待が起きてしまった場合に基本となるのは、
「隠さない」「嘘をつかない」という誠実な対応である。

(2)行政における迅速な事実確認や継続的な助言・指導の実施について
●市区町村においては、不適切な保育が疑われる事案を把握した場合、事案の重大性に応じ、
担当部局にとどまらず、市区町村の組織全体として迅速に事案を共有し、対応することが重要である。
市区町村及び都道府県において、指導監査等による事実関係の確認を行う場合、
相談者や保育所等関係者から丁寧に状況等を聞き取りつつ事実関係を正確に把握することとし、
不適切な保育が行われた原因や保育所等が抱える組織的な課題を踏まえ、助言・指導を継続的に行うことが必要である。

3.不適切な保育への対応の実態の把握について
●令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業において、各自治体における
不適切な保育への対応の実態を把握するための調査を実施している。

厚生労働省が2019年度に行った調査では、不適切保育は全国の保育所で300件以上あると報告されました。
今回の件でテレビやニュースに取り上げられたものはごく一部にすぎず、私達の知らないところではまだまだ多くの不適切保育の実態があることが想像できます。

手引きやセルフチェックリストを活用して不適切保育を未然に防ぎ、すこしでも多くの不適切保育が無くなることを願ってやみません。

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