医療・歯科・介護福祉業界の経営支援に強い大阪の公認会計士・税理士事務所

上田公認会計士事務所の　能川　です。

厚労省が２月６日に平成２７年度の介護報酬改正を決定しました。
この改正ではサービス別に設定した「基本報酬」は軒並み引き
下げとなりました。
(詳細は下記のところをご参照ください。)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000073442.html

特別養護老人ホームなどの施設事業者は減収の危機に直面
することとなります。
事業者は、この報酬減額をカバーするためには、経営努力等発
想の転換をして、新たな施策を考える必要がでてきました。

この情報を読んでいたときに山口県の旭酒造のことを思い出し
ました。
この旭酒造は、「獺祭」という日本酒の販売により、１０年間で
売上を８倍伸びした酒造メーカーです。

日本酒はこの２０年間で、半分以下の生産量となっていました。
日本酒党の私からしますと悲しい限りです。
このように需要が減少している中で、売上を維持するのも困難
ですが、そんな中でも驚異的に売り上げ伸ばした旭酒造。
なぜそんなに売上を伸ばすことができたのでしょうか。

「売りための酒」ではなく、「味わう酒」というコンセプトのもとに
純米大吟醸のみを造ることに専念しました。
そのため原材料の米を最高とされる山田錦に限定し、その
中でも　さらに優れている「特Ａ級の山田錦」を使用しました。
精米歩合、つまり米の磨きの高さも日本一と噂されていま
す。

このような素晴らしい功績のある旭酒造にも事業損失を出し
たこともあるようですが、今も斬新なアイデアと行動力で前
向きに取り組んでおられます。
海外進出にも意欲的なようですので、今後海外の旅先でも
獺祭を飲むことができる飲食店も出てくるかと思うとワクワ
クします。

社会福祉法人だけなく、介護事業を営む法人にとって、今回
の改正は非常に苦しいと言えます。
漫然と事業をされてきた法人が自然淘汰され、質の高いサ
ービスを行うところだけが生き残ることとなります。

法人の皆さまにはこのピンチをチャンスにしていただきたいと
願っております。そのとき私たちは会計の面から少しでも経営
改善の努力をされているお客さまの助けになることができるよ
うになりたいと思っております。