ホーム > ブログ > 会長ブログ > 頭の回転数を上げる45の方法
大阪市中央区 上田公認会計士事務所の上田です。
いくらか寒さがゆるんだように感じますが、まだ冬の名残は消えず肌寒さも感じます。皆様はお変わりございませんでしょうか。
今回は、久保憂希也氏と芝本秀徳氏のご著書、「頭の回転数を上げる45の方法」をご紹介します。
久保氏は、東京国税局において国税調査官として税務調査を担当しておられました。当時のご経験を活かし、会計事務所向けのセミナー業務やコンサルティング業務に取り組んでおられます。
本書は、税務会計というテーマからは離れた内容です。成果を出している人の頭の中はどうなっているか、ということが書かれています。心に残ったこととして、以下の2点を紹介します。
・「道」と「術」の違い
日本には、「柔道」と「柔術」、「武道」と「武術」のように、同じような技術を扱う言葉に「道」と「術」が存在します。
この違いは何なのかというと、焦点の違いです。
「術」は、技術や結果に焦点があります。相手を倒すということや、そのための技に注目しているということです。
それに対して、「道」は、プロセスに焦点があります。技を習得するまでの鍛錬や心の成長に注目しているということです。
技術の獲得に焦点を当てすぎると、強くなることや勝つことだけに興味が集中してしまい、自分より上位の人の存在を認められなくなってしまいます。自分の優位性を示すために戦い続けることとなり、そこには人間的な成長は見込めないのだと書かれています。
一方、プロセスに焦点を当てすぎると、技術の向上がおろそかになってしまいます。プロセスを確立することが目的になってしまい、本当に役に立つのか、成果につながるのかということに意識が向かなくなります。また、以前のやり方を踏襲することが中心になってしまい、創造することをやめてしまうことがあると書かれています。
つまり、どちらがより優れている、ということではないのです。「道」と「術」が伴って、初めて成果につながっていくのだと思います。
・守破離
本書は、「守」「破」「離」、この3つにテーマを大別して書かれています。守破離という言葉は、元来は茶道の世界で使われていた言葉だそうです。ものごとに通じていく過程を表す言葉です。
「守」は教えを守ることです。自己流のみで成果を出すのは難しいものです。先人の試行錯誤の結果、現在の教えがあるわけですので、その教えを守ることができれば、先人と同じ試行錯誤をせずに済むのです。その労力は、新たなことを生み出すために遣うべきです。
「破」は「ひらく」という意味です。「破る」ではないのです。「守」で教えを守り、鍛錬を積み重ねると、いつの日にか意識しなくても自然とできるようになります。この境地に至ることを「破」と呼びます。
「離」は、何事にもとらわれない領域に達することです。形式にこだわらず、本質を理解しているということです。
仕事に置き換えると、先輩に仕事とはどういうものなのかを教えてもらう時期が「守」、単独で動くことができるようになり、後輩への指導ができるようになる時期が「破」、ビジネスの本質を理解し、管理する立場になる時期が「離」、という風に言えるのではないかと思います。
必ず「守」から順に読まないといけないという本ではないと思います。皆様のお立場に合わせて、「破」や「離」から読んでも十分に理解できる本です。
日頃の頭の使い方を少し工夫して、さらに成果を上げたいものです。