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介護経営情報(2015年8月21日号)

2015/8/24

◆介護保険事業状況報告の概要(平成27年5月暫定版)  厚労省
第1号被保険者数3,314万人、65歳以上認定者数18%
――厚生労働省

厚生労働省は8月12日、 介護保険事業状況報告の概要(平成27年5月暫定版=月報)を発表した。介護保険事業状況報告・月報統計の目的は、介護保険制度の施行に伴い、介護保険事業の実施状況を把握し、今後の介護保険制度の円滑な運営に資するための基礎資料を得ることを目的としている。

▽統計の対象
保険者:市町村(広域連合及び一部事務組合を含む。)及び特別区
▽集計事項
主なもの
第1号被保険者数
要介護(要支援)認定者数
居宅(介護予防)サービス受給者数
地域密着型(介護予防)サービス受給者数
施設サービス受給者数
保険給付 介護給付・予防給付 総数(給付費)
保険給付 介護給付・予防給付 居宅(介護予防)サービス(給付費)
保険給付 介護給付・予防給付 地域密着型(介護予防)サービス(給付費)
保険給付 介護給付・予防給付 施設サービス(給付費)
保険給付 特定入所者介護(介護予防)サービス費 総数(給付費)
保険給付 高額介護(介護予防)サービス費 総数(給付費)

本報告は、介護保険事業の実施状況について、都道府県からの報告数値を全国集計したもの。本資料の数値については、以下の点に留意するよう注意している。

留意点
1.数値は、暫定版であり今後変更があること。
第1号被保険者数・要介護(要支援)認定者数は当月末実績、居宅介護(支援)サービス受給者数・施設介護サービス受給者数・保険給付決定状況は、前々月サービス分である。
2.報告は、基本的な数値を集計したものであること

<調査結果 要点>
1.第1号被保険者数(5月末現在)
第1号被保険者数は、3,314万人となっている。

2.要介護(要支援)認定者数(5月末現在)
要介護(要支援)認定者数は、608.9万人で、うち男性が187.9万人、女性が421.1万人となっている。第1号被保険者に対する65歳以上の認定者数の割合は、約18.0%となっている。(保険者が、国民健康保険団体連合会に提出する受給者台帳を基にしたものである。)

3.居宅(介護予防)サービス受給者数(現物給付3月サービス分、償還給付4月支出決定分)
居宅(介護予防)サービス受給者数は、381.8万人となっている。(居宅(介護予防)サービスのサービス別受給者数とサービス別利用回(日)数は、国民健康保険団体連合会から提出されるデータを基に算出した値である。)

4.地域密着型(介護予防)サービス受給者数(現物給付3月サービス分、償還給付4月支出決定分)
地域密着型(介護予防)サービス受給者数は、39.5万人となっている。(地域密着型(介護予防)サービスのサービス別受給者数とサービスの利用回数は、国民健康保険団体連合会から提出されるデータを基に算出した値である。)

5.施設サービス受給者数(現物給付3月サービス分、償還給付4月支出決定分)
施設サービス受給者数は90.9万人で、うち「介護老人福祉施設」が49.8万人、「介護老人保健施設」が35.1万人、「介護療養型医療施設」が6.3万人となっている。(同一月に2施設以上でサービスを受けた場合、施設ごとにそれぞれ受給者数を1人と計上するが、合計には1人と計上しているため、3施設の合算と合計が一致しない。)

6.保険給付決定状況(現物給付3月サービス分、償還給付4月支出決定分)
高額介護(介護予防)サービス費、高額医療合算介護(介護予防)サービス費、特定入所者介護(介護予防)サービス費を含む保険給付費の総額は、7,669億円となっている。

(1)再掲:保険給付費(居宅、地域密着型、施設)
居宅(介護予防)サービス分は3,941億円、地域密着型(介護予防)サービス分は829億円、施設サービス分は2,440億円となっている。(特定入所者介護(介護予防)サービス費は、国民健康保険団体連合会から提出される現物給付分のデータと保険者から提出される償還給付分のデータを合算して算出した値である。)

(2)再掲:高額介護(介護予防)サービス費、高額医療合算介護(介護予防)サービス費
高額介護(介護予防)サービス費は119億円、高額医療合算介護(介護予防)サービス費は50億円となっている。

(3)再掲:特定入所者介護(介護予防)サービス費
特定入所者介護(介護予防)サービス費の給付費総額は290億円、うち食費分は209億円、居住費(滞在費)分は80億円となっている。(特定入所者介護(介護予防)サービス費は、国民健康保険団体連合会から提出される現物給付分のデータと保険者から提出される償還給付分のデータを合算して算出した値である)

◆認知症看護認定看護師 653人に 過去3年で約2.5倍増
看護師資格認定3制度の総数は、2万人を超える
――公益社団法人日本看護協会

公益社団法人日本看護協会(日看協=会員数69万人)は8月7日、「第19回認定看護管理者認定審査」と「第23回認定看護師認定審査」を実施し、その結果内容を公表した。
認定看護管理者については458人が受験し、364人が新たに認定をうけ総数2664人に、認定看護師認定審査は21分野1882人が受験し、1763人が認定をうけ、総数15935人となった。その結果、専門看護師数1466人と合わせた資格認定3制度の総数は、2万65人となった。

認知症看護認定看護師の設置
日看協では、「認知症に強い看護体制づくり」と「認知症の人が安心して暮らせるまちづくり支援」を掲げ、認知症看護認定看護師の育成に力を入れている。今回の認定審査では新たに181人が認定され、認知症看護認定看護師は653人となり、過去3年で約2.5倍に増加した。
認知症看護認定看護師は、超高齢社会を目前にして認知症の人がますます増加すると予想される社会に向け、2004年に分野を特定し、2006年より認定が開始された。

認知症看護認定看護師、全国的に増加
認知症看護認定看護師は、認知症ケアの実践、ケア体制づくり、認知症の行動心理症状の予防や緩和をおこなうほか、認知症の人にとって安心かつ安全な生活や療養環境を整える役割を担う。さらに、看護職に携わる人に対する指導や相談、地域におけるケアマネジメントなども重要な仕事となる。
認知症看護認定看護師の養成ならびに配置は、全国的にも進んでおり、「認定者0~10人以下」の県が、42県(2012年)から28県(2015年)に減少。さらに「認定者11~20人」が8県に、「認定者21~30人」が4県に、「認定者数30人以上」が7県にと全体に増加していることがわかった。

●資格認定3制度の認定者数
▽専門看護師  (認定者数)1,466(人)
▽認定看護師        15,935
▽認定看護管理者      2,664
合計            20,065

*専門看護師とは
日本看護協会(以下、本会)の専門看護師認定審査に合格し、ある特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有することを認められた者を指す。実践、相談、調整、倫理調整、教育および研究の役割を果たすことで、健康医療福祉の発展・看護学の向上に貢献する。

*認定看護師とは
本会の認定看護師認定審査に合格し、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有することが認められた者を指す。実践、指導および相談の役割を果たすことで看護現場における看護ケアの広がりと質の向上に貢献する。
*認定看護管理者とは
本会の認定看護管理者認定審査に合格し、看護管理者として優れた資質を持ち、創造的に組織を発展させる能力を有する者を指す。多様なヘルスケアニーズを持つ個人・家族・地域住民に対し、質の高い組織的看護サービスを提供することで、保健医療福祉に貢献する。

◆認知症グループホームの2013年度経営状況
赤字施設が28%に 福祉医療機構分析結果発表
――福祉医療機構(WAM)

福祉医療機構(WAM)は8月4日、2013年度の認知症高齢者グループホーム(GH)の経営状況に関する分析結果を公表した。
同機構の貸付先で、開設後1年以上経過し、社会福祉法人新会計基準を採択している全国の468施設の経営状況を分析した。
内訳は、開設後1年以上5年未満が18%、開設後5年以上10年未満が32%、開設後10年以上経過が50%。GHを単独で設置している施設(単独型)は44%で、他事業と併設している施設(併設型)は56%であった。利用者の平均要介護度は2.68で、前年度の2.73からやや下がった。平均入所利用率は96.7%で、前年度の平均入所利用率95.9%から0.8ポイント上昇した。

収支状況は、前年度と比較して、サービス活動収益は増加したが、それ以上にサービス活動費用が増加し、増収減益となった。要因としては人件費の上昇が考えられるという。
赤字施設の割合は前年度の22%から拡大し、全体の28%を占めた。赤字施設と黒字施設の入所定員数を比較すると、前者は12.9人、後者は15.0人であり、赤字施設のほうが定員の規模が小さい。ところが赤字施設の人件費率は78.9%、経費率は14.4%で、黒字施設に対して人件費率で14.0ポイント、経費率で2.0ポイント上回る。これは赤字施設は収益に対する人件費および経費などの費用が、黒字施設よりも高い水準であることが、赤字の要因であるとみられる。
特に赤字施設で人件費が高い理由は、給与の高い看護師の人件費が影響していると考えられる。

経営状況について、定員が9名までの1ユニットと18名までの2ユニットとで比較すると、人件費単価に大きな差はなかった。しかし入所者10人あたり従事者数は、1ユニットが9.26人、2ユニットが8.77人で、1ユニットのほうが従事者の配置が多く、人件費率を押し上げている。そのため、2ユニットのほうが効率的な経営を行っていることがいえる。

また、単独型と併設型の収支について経常増減差額比率を比較すると、単独型は6.2%、併設型は6.7%で、ほとんど差はない。しかしユニット数別に比較すると、単独型1ユニットは2.6%、併設型1ユニット2.7%であるのに対し、単独型2ユニットでは7.6%、併設型2ユニットでは7.7%と明らかな差がみられる。したがって、収支に影響するのは単独型・併設型の違いではなく、やはりユニットの規模の差であるということがいえる。

これらの結果より同機構は、今後新たにGHを開設する際は、多くの認知症高齢者を支える地域の受け皿になるためにも、規模の大きい2ユニットでの開設が推奨されるとしている。

◆利用者、7年連続増加 過去最多の588万人
厚労省 14年度介護給付費実態調査の結果
――厚生労働省

厚生労働省は8月6日、2014年度(平成25年度)の介護給付費実態調査の結果を発表した。
1 調査の目的―この調査は、介護サービスに係る給付費の状況を把握し、介護報酬の改定など、介護保険制度の円滑な運営及び政策の立案に必要な基礎資料を得ることを目的とした。
2 調査の範囲―各都道府県国民健康保険団体連合会が審査したすべての介護給付費明細書、給付管理票を集計対象とした。ただし、福祉用具購入費、住宅改修費など市区町村が直接支払う費用(償還払い)は含まない。
3 調査の時期―毎月(平成25年5月審査分~平成26年4月審査分)
4 調査事項
(1)介護給付費明細書―性、年齢、要介護(要支援)状態区分、サービス種類別単位数・回数等
(2)給付管理票―性、年齢、要介護(要支援)状態区分、サービス種類別計画単位数等
5 調査の方法及び系統

(1)調査の方法
国民健康保険中央会の取りまとめのもとに、各都道府県国民健康保険団体連合会において審査した介護給付費明細書等のデータをコピーし、厚生労働省大臣官房統計情報部に提出する方法により行った。
(2)調査の系統(略)

< 調査結果概要>
介護サービスと介護予防サービスの利用者は、前年度比22万2500人増の588万3000人で、7年連続で過去最多となった。
内訳は、介護サービスが470万9600人、介護予防サービスが151万1000人。両方のサービスを利用した人もいるため、内訳の合計は総利用者数より多くなっている。
15年4月審査分(主に同年3月利用分)の利用者1人当たりの費用は、前年同月より600円増えて月額15万7800円。利用者は原則的にこのうち1割を負担した。
都道府県別に15年4月審査分の1人当たり費用を見ると、介護サービスの利用費は沖縄が21万2400円と最も高く、石川の20万5400円、鳥取の20万4900円と続く。介護予防サービスは福井の4万4000円が最高で、次いで沖縄の4万3900円、鳥取の4万3800円だった。

●平成25 年度「介護給付費実態調査」の結果
厚生労働省が発表した「平成25 年度『介護給付費実態調査』の結果」は次の通り(要約)。
「介護給付費実態調査」は、介護サービスの給付費の状況を把握し、介護保険制度の円滑な運営と政策の立案に必要な基礎資料を得ることを目的として行っている。
調査の範囲は、各都道府県の国民健康保険団体連合会が審査したすべての介護給付費明細書と給付管理票を対象としている。なお、福祉用具購入費、住宅改修費など市区町村が直接支払う費用(償還払い)は含まない。
今回公表する結果は、毎月公表している月報のうち、平成25 年5月審査分から平成26 年4月審査分を年度報として取りまとめたもの。

【調査結果のポイント】
○介護予防サービス及び介護サービスの受給者の状況
・年間累計受給者数 5,715 万 9,200 人 (前年度に比べ 249 万8,900 人(4.6%)の増加)
介護予防サービス 1,246 万 600 人 (前年度に比べ 75 万2,800 人(6.4%)の増加)
介護サービス 4,472 万 7,300 人 (前年度に比べ 174 万8,000 人(4.1%)の増加)※平成25 年5月から平成26 年4月の各審査月の受給者数を合計したもの
・年間実受給者数 566 万 500 人 (前年度に比べ 22 万9,900 人(4.2%)の増加)
介護予防サービス 143 万 400 人 (前年度に比べ 8 万8,400 人(6.6%)の増加)
介護サービス 455 万 3,600 人 (前年度に比べ 16 万8,400 人(3.8%)の増加)
※平成25 年4月から平成26 年3月の各サービス提供月の介護予防サービス
又は介護サービス受給者について名寄せしたもの

・受給者1人当たり費用額
(1)サービス種類別にみた受給者1 人当たり費用額―平成26 年4月審査分の受給者1 人当たり費用額は157.2 千円となっており、平成25 年4月審査分と比較すると0.4 千円減少している。
(2)都道府県別にみた受給者1 人当たり費用額―平成26 年4月審査分における受給者1 人当たり費用額を都道府県別にみると、介護予防サービスは沖縄県が43.5 千円と最も高く、次いで福井県が43.2 千円、鳥取県が42.8 千円となっている。介護サービスでは、沖縄県が211.9 千円と最も高く、次いで石川県が205.3 千円、鳥取県が205.0 千円となっている。

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