ホーム > ブログ > 保育所経営ブログ > 利用者本位の福祉サービス その②
上田公認会計士事務所の 松田です。
上田会計事務所 保育園ブログでは、第三者評価や
保育所保育指針に示された『自己評価』に関係する項目に
着目して、お伝えしております。
平成27年度より大阪府は評価基準項目に変更がございますので、
変更後の着眼点でお伝えをいたします。
第11回目は、第10回に引き続き利用者本位の福祉サービスの項目から
「福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。」
という評価項目についてです。
この項目は平成26年度まではⅢ-3
「サービスの開始・継続」の項目に同様の評価項目があり、
その中で新たに「福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等に
わかりやすく説明している。」という項目が追加されました。
評価のポイントは以下の点です。
①福祉サービスの利用希望者が福祉サービスを選択するために
必要な情報を積極的に提供している。
②福祉サービス開始及び変更時に利用者や家族等にわかりやすく説明をし、
同意を得ている。
③福祉サービスの内容の変更にあたり継続性に配慮した手順・引き継ぎ書を
定めるほか福祉サービスが終了した後も組織として利用者や家族等が
相談できるような窓口を設置するなどの取り組みがある。
・福祉サービスの利用希望者が福祉サービスを選択するために必要な情報とは、
契約締結時の重要事項説明ではなく、複数の施設・事業所の福祉サービスの中から
利用者が自分の希望にそったものを選択するための資料となるよう利用者の
視点に立った情報のことです。
福祉サービスの内容をわかりやすく説明した印刷物やホームページの作成、
見学体験希望者への対応等利用者が簡単に情報を入手できるような取組や
わかりやすい工夫が求められます。
・子ども子育て新制度では利用契約が必要な施設・事業所については重要事項説明を行い、
契約を締結する必要があります。重要説明を行う際には、利用者の意向を受けた
個別の福祉サービス内容を明確にして説明し同意を得ることが求められています。
そのため訪問調査においては、重要事項説明や契約書等、契約に必要な書面を
確認することとあわせて利用者の同意を得るまでの過程の記録・苦情の受付状況等が
確認されます。
・③では新たに福祉サービスが終了した後の取り組みが追加されています。
福祉サービス終了後も利用者や家族等が相談を希望した場合のため担当者や窓口を設置し、
口頭のみではなく書面等で周知することも福祉サービスの継続性を
確保するための対応策ととらえられています。
評価においては、必要に応じて行政や関係機関・ほかの福祉施設・事業所等と
地域・家庭での生活の支援体制についての協議やネットワーク・体制の
構築に関する取り組みも評価されます。
保育園の中にはまだホームページがないという施設も見受けられ、
ホームページがあったとしてもどのような保育をしているのか具体的に
わかりづらいものが多く、法人名・理事長名すらないというホームページが
多く見られます。
このような状態は普通の法人では考えられません。代表者の名前もわからないような
会社と取引したいと思う顧客はあるでしょうか。
求められる情報と提供される情報の齟齬があるのもいまの社会福祉法人の実態ではない
かと思われます。
ホームページがあるということで安心せず利用者目線でのホームページになっているかを
確認するため、たとえば自分の子ども・孫の保育園を探しているという目線でもう一度自園
のホームページを見なおすのもいいかもしれません。