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H30.報酬改定に向けた論点(区分支給限度額)

2017/9/16

日本クレアス税理士法人大阪本部の大藪直史です。

H29.8.23に介護給付費分科会において、区分支給限度額についての論点が出ましたので、お伝えします。

 

訪問系サービスにおける集合住宅に係る減算と区分支給限度基準額の関係

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訪問系サービスについては、事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内の建物(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)等に居住する利用者に対して訪問する場合に、報酬を一定程度減算する仕組みが存在する。

一方、区分支給限度基準額に係る費用の算定に際しては減算後の単位数により判定されることから、集合住宅に係る減算が適用される者が、減算が適用されない者よりも多くの介護サービスを利用できる現状となっている。

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具体例で考えますと

 

通常、居宅への訪問の場合

区分支給限度額:300,000円として、

訪問介護   :3,000/回とする場合

訪問回数   :100回。最大で訪問できるので

収入     :300,000(=3000円×100)

となります。

 

一方、

サ高住等への訪問の場合(同一建物減算)

区分支給限度額:300,000円として

訪問介護   :2,700/回となります。同一建物減算で10%減のため。

訪問回数   :111(300,000円を2,700円で割ると)☚居宅の訪問よりも11回訪問回数が増えることが問題

収入     :約300,000円(結果的に訪問回数を増やすことで収入を確保している)

 

そこで、新ルールの提案がありました。

新ルール案では、訪問介護一回あたりの報酬は1割減(2,700)で報酬算定するが、区分支給限度額の計算は、一回あたりの報酬を1割減算する前の額(3,000)で行うというものです。この場合、訪問回数は、居宅の場合と同様になり、かつ、実際の収入は1割減となる非常に厳しいルールです。

新ルール案

区分支給限度額:300,000

訪問介護   :2,700/(3,000円×90%)

訪問回数   :100(300,000円÷3,000/)111回訪問できない。2,700円では割れない。

収入     :270,000(100回×2,700/)となります。

 

この新ルール案に対して、業界団体は、激しく反対しております。このままでは、サ高住の経営が成り立たなくなる事業者も出てくるのではないかと考えられます。今後の動向を注意深く追っていきたいです。

 

ご質問は、日本クレアス税理士法人大阪本部大藪直史までご連絡下さい。

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